タイムマネジメントの要諦

人生とはタイムマネジメントであるという考え方にしたがうならば、タイムマネジメントで大切なことは、いま、自分が使っているこの時間は「自分(および家族)のために役立っているのか」「世の中のために役立っているのか」の2つを問うことである。両方を満たしていれば、世の中をよくするために生きていることを最も実感できる時間の使い方をしていることになるので、生きがいを一番感じられるはずだ。あるいは、どちらか1つでもよいだろう。自分にとって有意義な時間の使い方をしているか、自分にはメリットにはならなくても、世の中の役に立っているということだ。最悪なのは、どちらも当てはまらないこと。つまり、自分にとってのメリットが何もなく、かつ世の中の何の役にも立っていない。これこそ、時間の浪費以外の何者でもない。時間を浪費するということは人生を浪費するということに他ならない。

時間泥棒と上手につきあう

自分にとって何のメリットもない、世の中の役にも立たないような活動の時間に、自分が拘束されてしまうことは、まさに時間泥棒に時間を奪われていることである。形式上出席せねばならないまったく生産性のない会議に出席して無力感に打ちひしがれるのがひとつの例である。そのような時間泥棒は退治してしまうのが最もよいのだが、誰もが退治できるわけではない。出世して権力を握るようになり、活動の自由度が高まってくると時間泥棒を退治するのは容易になってくるが、組織の末端で権力がなく、上からの命令に逆らえない状況では極めて難しい。よって、時間泥棒とは上手につきあって、なるべく自分にとっての大切な時間は盗まれないように心がけたい。そのためには、工夫次第で浪費時間が投資時間に変わることを知っておくべきである。例えば、自分にとっては時間を浪費するだけのような会議にどうしても出なければならない場合には、その時間を、創造性を発揮するための思考の場にしてみたり、将来の人生設計や行動計画、今後の仕事などのアイデア出しをするような場にしてしまうと、浪費時間が投資時間に変わるだろう。