小山流クリエイティブ整理術

小山(2009)は、「クリエイティブな仕事があるのではない。仕事をクリエイティブにしていくのが重要だ」と語る。仕事をクリエイティブにしていこうという気持ちがあるから、創意工夫が生まれる。「整理」という一見退屈なプロセスも、クリエイティブにプロセス・デザインできれば、仕事や人生のクリエイティビティや楽しさにつながっていくのだという。


例えば、書類の整理に関するプロセス・イノベーションは「データ集約とアクセス分散」というテーマで表現できる。クラウド・コンピューティングによって、データは、ネット上のどこかに集約し、アクセスは、モバイルなどの活用で「どこでもオフィス」体制をしくことによって分散的にアクセスできる。データが集約され、それが同期によって常に更新できれば、事実上、どこにいても仕事ができるようになることを小山は示唆する。


大事な仕事に集中するために、生活をシンプルにするというのも、プロセスイノベーションである。小山は「創造的な仕事をしている人はかえって、服に無駄な時間をかけない」とし、例えば、アップルのスティーブ・ジョブズはプレゼンテーションのときは常に黒のタートルネックジーンズを着ていると指摘する。そこで、一週間、着る服をパターン化してしまうことにより、服のコーディネートに迷ったりして時間を無駄にすることを防げるというアイデアを紹介している。パターン化し、それを洗練させていくのもクリエイティブな整理術である。そしてときどき香辛料的にサプライズを入れるのも良いという。