10月12日

こないだ上の親知らずを抜いたら、抜歯後の穴が鼻の穴に貫通してしまい、それはそれは驚きました。マウスウォッシュでうがいをしていたら鼻の穴からマウスウォッシュが垂れてきました。あのペパーミントの刺激臭がもろに鼻の中に入り込んできたわけですから、鼻と口が貫通した原因を探る前に、ひとしきり涙を流しました。鼻と口が貫通するって、こんなギャグみたいなことがあるんですねー。ネットで検索したら、抜いた直後に大きなくしゃみをするとたまに貫通してしまうことがあるそうです。そのうち自然とふさがるとのことです。

■10月12日 ゴブ作☆ブログ

最近このブログは、たま〜に出演告知を掲載するぐらいの冷めきったブログですが、今度出演する青年団の『ソウル市民五部作連続上演』の特設ブログは、いまサイコーに熱いブログです。読み応えがハンパないです。オリザさんのエッセイに、山内さんとマチコさんの対談、俳優の稽古場レポートなどなど。更新頻度がめちゃくちゃ高いです。
http://seoul5.seinendan.org/
ぜひこのブログを読んで劇場に観に来ていただきたい! 5作品それぞれ独立した作品なので、一つだけ見ても、どれから見ても楽しめるはず。ちなみに、ぼくは『ソウル市民 昭和望郷編』に出演しています。

9月17日〜19日

今日は敬老の日。介護の仕事をしているので、特別な日でした。正月並のごちそうでしたー。

■9月17日 謎の球体X

水素74%『謎の球体X』にご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました。ブログで告知するのを後回しにしていたら、後半の稽古が怒濤のようで、結局告知せずに千秋楽を迎えてしまいました。渾身の作品だったので、できるだけ多くの方に観ていただきたかったです……。まぁ、ツイッターではうるさいくらい宣伝しましたが。
いまさらですが、いちおう記録のために公演情報。もう終わってますからねー。

MITAKA“Next” Selection 12th参加作品
青年団リンク 水素74%vol.1
謎の球体X


セカイは不条理に、人は不平等に存在している。
あなたが生まれつき病気でも、あなたが突然事故に合ったとしても、あなたの子どもがいじめられたとしても、
そのことになんの理由も意味もない。
だって宇宙はただ「ある」だけだから。
だけど、この事実を受け止められるほど人間は賢くも強くも出来ていない。

青年団リンク 水素74%第1回公演。
田川啓介がやりきれない運命を背負ったすべての人々に贈るレクイエム。


■作・演出:田川啓介


■会場:三鷹市芸術文化センター 星のホールhttp://mitaka.jpn.org/


■出演:
川隅奈保子 古屋隆太(サンプル) 村井まどか 菅原直樹 
玉田真也 富田真喜 森岡望 由かほる(以上青年団


■日程:2011年 9月2日(金)〜11日(日)
9/2(金)19:30☆ 
3(土)14:00☆  
4(日)14:00☆  
5(月)休演日  
6(火)19:30  
7(水)19:30  
8(木)19:30  
9(金)19:30  
10(土)14:00/18:30  
11(日)14:00
☆=早期観劇割引
(受付開始は開演の60分前、開場は開演の30分前)


■チケット料金:
(前売・当日ともに) 全席整理番号付き自由席
前売:一般2500円
当日:一般2800円
高校生以下:前売り、当日とも1000円


☆=早期観劇割引 
前売:一般2000円
当日:一般2300円
高校生以下:前売り、当日とも500円


詳しくは下記WEBをご覧下さい。
■劇団HP
http://www.hydrogen74.com

■劇団twitter
http://twitter.com/hydrogen74
@hydrogen74

■9月19日 ソウル市民五部作連続上演

次は青年団のソウル市民五部作連続上演の『ソウル市民 昭和望郷編』に出演します。稽古はほぼ終わっているので、あとは自主稽古を重ねて、公演が近づいたころに調整をするといった感じでしょうか。ちゃんとした告知はなんとなく後回しにしますが、近いうちにしたいです。というか、こちらのサイトを見てもらえれば詳細が載っています。

http://www.seinendan.org/seoul5/

オリザさんのエッセイも読めます。青年団の代表作でありながら前代未聞の超大作、ぜひぜひご来場くださいませー。

5月23日〜26日


介護の仕事をはじめたのと、赤ちゃんが産まれたことが最近の大きな出来事でした。家にいるときは子育て、昼は介護の仕事、夜は演劇の稽古。こういう生活をしていると、それぞれ共通しているのは、言葉以外のコミュニケーションについて考えることでした。赤ちゃんは言葉がわからないからもちろんですし、高齢者は認知症の方と接するときに特にそれを考えさせられます。いかに言葉に頼らずに人とやさしく接することができるか。
そして、演劇では、劇作家が言葉を書くので、言葉以外のコミュニケーションを成立させることが俳優の仕事、つまり演技なんじゃないかと思いました。
そういうことについて考えて思うのは、たとえ嘘だとしても、言葉以外のコミュニケーションを丁寧に演じれば、本当のコミュニケーションと同じくらいの歓びを得ることができるんじゃないかということです。コミュニケーション下手なぼくでも、演技をすることでコミュニケーションの歓びを感じることができ、だから稽古の帰りにはみんなで飲みに行きたくなる。
ということで、演劇は楽しいです。

■5月23日 二騎の会

6月に二騎の会『四番倉庫』に出演します。ダメ男たちが空き倉庫で繰り広げる、ハードになれない現代のハードボイルド。ただいま、演出の多田さんはフランスで東京デスロックの公演中で、俳優たちは東京でしゅくしゅくと自主稽古に励んでいます。
久々にダメ男を演じてみて、とても懐かしい気持ちでいっぱいです。いまもわりとダメですが、一人暮らしのときはもっとダメだったなー、結婚して子どもができるとそれなりにちゃんとするもんなんだなー、というのは、昨日たまたま読んだ昔の日記でも感じたことでした。それにしてもよく寝て、よく牛丼食べる日記だった。ちゃんと気合い入れて臨みますので、どうぞよろしくお願いします!

青年団リンク 二騎の会
四番倉庫


「助けてくれ 四番倉庫で待つ」
しけもく、カップラーメン、缶ビール…
空き倉庫で顔を合わせる、うだつが上がらない男達。
繰り返される日常に流され続け、ふと気がつけば、友も金も、何もない。
このぐだぐだな毎日とおさらばすることはできるのか?
弱さと孤独と慣れた日々。今日とは違う明日を待って。
季節を捨てた二騎の会が送るダメ男達の物語。


■作:宮森さつき
■演出:多田淳之介
■出演:秋山建一 島田曜蔵 村井まどか 菅原直樹


■公演日程
2011年6月4日(土)〜15日(水)


4日(土)19:30★一
5日(日)18:00★二
6日(月)19:30★三
7日(火)19:30★四
8日(水)休演日
9日(木)19:30◎
10日(金)19:30
11日(土)14:00/19:00
12日(日)15:00
13日(月)15:00×/19:30
14日(火)19:30
15日(水)15:00


■チケット料金 日時指定・全席自由・整理番号付
予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円


★…四番割引 2,500円(6月4日(土)—7日(火))
初日から「四番」目の公演までは、割引価格にてご覧いただけます。
◎…メンズデー 2,500円  
男性の皆様は、割引価格にてご覧いただけます。
×…ダメンズデー 2,000円
うだつが上がらないダメンズ(自己申告制)の皆様は、応援価格にてご覧いただけます。


■ポストパフォーマンストーク
青年団演出部・四番勝負!!!!』
終演後「青年団演出部」をキーワードに、ポストパフォーマンストークを行います。各回をご観劇のお客様のみご覧いただけます。


《一番》=6/4(土)『岸田戯曲賞受賞作家に聞く』
第55回岸田國士戯曲賞を受賞した演出部出身の松井周氏(サンプル)をゲストにお迎えし、今作について伺います。
《二番》=6/5(日)『新人さんいらっしゃい!』
2003年入団の多田淳之介が演出部の先輩として、新人演出部のメンバ—を紹介します。
《三番》=6/6(月)『男・岩井秀人が聞く』
青年団リンク 口語で古典」の岩井秀人氏が「青年団リンク 二騎の会」の多田淳之介に様々な質問をぶつけます。
《四番》=6/7(火)『演出部について語る』
2007年に演出部へ入団した柴幸男氏(ままごと)をゲストにお迎えし、青年団演出部について語ります。


■会場
こまばアゴラ劇場
153-0041目黒区駒場1-11-13 03-3467-2743 http://www.komaba-agora.com
京王井の頭線駒場東大前」駅東口より徒歩3分


■予約・お問い合わせ
青年団 03-3469-9107 http://www.seinendan.org(オンライン予約あり)


twitter
@nikinokai http://twitter.com/nikinokai
二騎の会twitter始めました。

■5月26日 歓待

去年の初体験は映画の撮影に参加したことでした。青年団演出部の深田監督による、主演からエキストラまで青年団の俳優が演じるテツガク喜劇。全国順次ロードショーですので、劇場情報はこちらのサイトをご覧ください。東京では渋谷の上映が終わって、いまは池袋シネマ・ロサで上映中です。ぜひ映画館で観ていただきたいです!

映画『歓待』


下町の印刷所で、一見「平和」な生活を営む小林家の元にフラリと現われた胡散臭い訪問者・加川。のらりくらりと家族を煙に巻き、居座り、引っ掻き回していく。加川の横暴に戸惑いながらも、変化を余儀なくされていく小林家。
次第に崩壊していく家族模様を、洗練されたユーモアで包みながら、時にシリアスに問題提起をし、時に爆笑を誘う。共同体と排除の問題を抱える現代日本を鋭く風刺しながら、家族とは何かを問い掛けていく。
前作『東京人間喜劇』で注目された新進気鋭の深田晃司監督と、プロデューサーも兼ねる弱冠26歳の国際派女優杉野希妃、そして平田オリザ率いる青年団の演技派俳優たちによる、映画にしか成しえないテツガク喜劇。閉塞感を打破し世界を大きく掴むべく、怒濤の”グローカル”映画がいよいよ到来!


『歓待』公式webサイトhttp://kantai-hospitalite.com/
公式Twitterhttp://twitter.com/#!/kantai_2010


■キャスト
山内健司 杉野希妃 古舘寛治 ブライアリー・ロング 兵藤公美 オノエリコ 松田弘子 河村竜也 菅原直樹 齋藤晴香 永井秀樹 林竜三 足立誠 近藤強 秋山建一 田原礼子 天明留理子 桜子 島田桃依 木崎友紀子


■チケット料金
前売1,200円 当日1,500円
【前売券販売場所】
●キノチケットカウンター(紀伊國屋書店 新宿本店5F 10:00〜18:30)にて前売券¥1200発売中。


■スタッフ
プロデューサー:杉野希妃・深田晃司 脚本・監督:深田晃司  芸術監督:平田オリザ
エグゼクティブ・プロデューサー:松原 治・足立誠・小野光輔・:宮田三清・:岩倉達哉
コエグゼクティブ・プロデューサー:榎本憲男
撮影監督:根岸憲一 美術:鈴木健介 録音:新垣一平 衣装:正金彩 メイク;石河恵
音楽:やぶくみこ・片岡祐介 助監督:飯島将史 スチール:やじまえり メイキング:太田信吾
企画・製作:アゴラ企画/青年団・和エンタテインメント
96分 / 日本語 / カラー / HD / 2010年 /

1月29日

一年前のいまごろは快快の公演が終わったあたりで、二年前は『火の顔』の稽古が始まったあたりか。次は青年団に入団してから初の青年団公演です。よろしくお願いします!

青年団若手公演
バルカン動物園


−人類は生物進化の果てにいるはずなのに、私たちは、どうしてこんなに悲しいんだろう−


202×年、ヨーロッパの大戦で死亡した天才科学者の脳だけが生きのこる。
その脳の受け入れを巡って、延々と交わされる、先端科学の議論と膨大な無駄話。
1997年初演、「科学シリーズ」の完結編にして、
同時多発会話演劇の可能性を限界まで追求した『バルカン動物園』の
久々の再演。


■作・演出:平田オリザ


■出演
【Aチーム】
天明留理子 秋山建一 熊谷祐子 村井まどか 安倍健太郎 小林亮
立蔵葉子 村田牧子 山本裕子 海津 忠 齋藤晴香 中村真生
伊藤 毅 折原アキラ 菊池佳南 小瀧万梨子 重岡 漠 島田桃依
星野拓也 緑川史絵 由 かほる ブライアリー・ロング


【Bチーム】
秋山建一 井上三奈子 熊谷祐子 村井まどか 二反田幸平 村田牧子
山本裕子 森内美由紀 石松太一 伊藤 毅 井上みなみ 菊池佳南
島田桃依 菅原直樹 富田真喜 本田けい 水野 拓 緑川史絵
森山貴邦 森岡 望 由 かほる ブライアリー・ロング



■公演日程
2011年3月18日(金)〜28日(月)

18(金) 19:30 A
19(土) 14:00 B/18:00 A
20(日) 14:00◎ A/18:00 B
21(月) 14:00 B
22(火) 休演日
23(水) 15:00 A/19:30 B
24(木) 15:00 B/19:30 A
25(金) 19:30 B
26(土) 14:00◎ B/18:00 A
27(日) 14:00 A/18:00 B
28(月) 13:00 A


※受付開始は開演の40分前、開場は開演の20分前です。
※Aチーム、Bチームによるダブルキャスト公演です。

◎=託児サービスあり(イベント託児・マザーズ0120-788-222へ要予約)


■チケット料金
一般:2,000円
学生:1,500円(要学生証)


■会場
こまばアゴラ劇場 http://www.komaba-agora.com
〒153-0041 目黒区駒場1-11-13 TEL.03-3467-2743
京王井の頭線駒場東大前」駅東口より徒歩3分


■公演の詳細は、青年団HPをご覧ください。http://www.seinendan.org

9月5日

11月に岡崎藝術座に出演します! 稽古もはじまってますし、チケットも発売しましたー。

岡崎藝術座
古いクーラー
Old Air-Conditioner


■あらすじ

あるとき見たことのない顔の人間がやってきて、
これがいいと持っていった
某ビルの、某部屋のクーラーは古い、もうずっと昔設置したまま
みんな、燃費悪い冷え冷え寒いと出ていってしまった、
省エネの適温の空間に行った仕事したり談笑したり
誰もいなくなった部屋で、クーラーはでも壊れていない、でも燃費悪い冷え冷え全力で

初冬なのにクーラーのはなし


■作・演出
神里雄大


■出演
武谷公雄
召田実子
宇田川千珠子(青年団)
菅原直樹(青年団)
中林舞(快快)
NIWA(ワニモール)
菊川恵里佳
森本華


■日程:2010年11月19日(金)〜11月28日(日)

2010年11月
19日(金)   19:30
20日(土)   19:30
21日(日)  ◎15:00 日本語字幕つき
22日(月)   19:30
23日(火・祝) 15:00 英語字幕つき
24日(水)   15:00
25日(木)   19:30
26日(金)   19:30
27日(土)   19:30
28日(日)   15:00

※受付・当日券販売は開演の60分前より。

※入場は開演の30分前より。

◎21日(日)18:00〜20:00
トークイベントを開催します。※入場無料・途中退場可

(ゲストは、劇団Webサイトにて発表いたします。)

《日本語字幕・英語字幕》
聴覚障害者の方や外国人の方にも国内の舞台芸術を楽しんでもらうために、字幕の回を設置いたしました。


■チケット
【チケット販売/予約受付】
・2010年9月5日(日)10:00開始
【チケット料金】(※全席自由)
・一般券/前売・予約 2,500円/当日 3,000円
・ペア券/4,600円(前売・予約のみ)
・高校生以下/予約・当日とも 無料
(※枚数制限あり/要学生証提示)


■予約:こちらからご予約下さい。
http://ticket.corich.jp/apply/22298/007/


■会場
シアターグリーン
BIG TREE THEATER

URL:http://www.theater-green.com/


■プレビュー公演開催
本公演に先駆けて、10月7日(木)早稲田大学にてプレビュー公演(試演)を上演いたします。

《日時》10月7日(木) 18:30開演(受付・入場開始:18:00)
※終演後にトークイベントあり(1時間程度)
ゲスト:松井周(劇団サンプル主宰/作家・演出家)

《会場》早稲田大学 小野記念講堂(小野梓記念館(27号館)地下2階)
《入場方法》ローソンチケットにてチケット購入者のみ入場可(枚数制限あり)
http://l-tike.com/  Lコード:39866
0570-084-003 (24時間/オートアンサー/関東甲信越)
0570-000-407 (オペレータ予約10:00〜20:00)
店頭の「Loppi」でも24時間お買い求め頂けます。
※「高校生以下」のお取り扱いはございません。
※「予約ページ」からローソンチケットはご購入できません。予めご了承ください。


■劇団へのお問い合わせ
TEL:090-6476-9799(10時〜20時)
E-Mail:okazaki.info@gmail.com
WEBSITEhttp://okazaki.nobody.jp/

5月16日〜6月17日

久々に日記を書きます。

■5月16日〜6月17日 集団創作

4月から7月まで青年団の新人ワークショップを受けている。課題として、グループに分かれて集団創作をしているんだけど、最近はこの稽古が本格的にはじまった。オリザさんの『演劇入門』(講談社現代新書)にある劇作法の通り、まず「場所・問題・背景」を決めて、グループになって登場人物、プロット、エピソードを話し合って決めていく。稽古の進め方はプロットとエピソードをもとに、ジャズのセッション俳優が即興で演技をして、何度か繰り返していくうちにシーンを固めていく、というもの。この作業は思った以上に疲れて、いまさらながら劇作家が戯曲を書く理由がわかった。あまりにも疲れて途方に暮れたときは、部分的に演出部の方々に戯曲を書いてもらったりしている。芝居の作り方を模索しながら作っている。
ちなみに、芝居は不治の病を患った父親がブッダになって三姉妹を困らせるというものになりそう。

■5月31日 演劇WS「いまここにいるというスリル〜演技と空気〜」1日目

今回の桜美林でのWSは、前回の高校生を対象にした「場の空気」を題材にしたWSをヴァージョンアップさせたものだけど、一日目は導入ということで「場の空気」とは関係のないプログラムをやった。最初に、演劇WSでは王道ともいえるいくつかのシアターゲームをやって、これまた王道の「他己紹介」をやる。2人組になって相手をインタビューしてみんなの前で発表するというもの。次に、この「他己紹介」の形式を演劇的に発展させたオリジナルプログラムをやった。
まず2人組になって、子供の頃の思い出深い友だちと、その友だちとの一番の思い出をそれぞれ語ってもらう。そして発表では、聞き手となった方が話し手が語った「友だち」を演じ、その思い出を友だちの視点で語る。つまり、ワークショップで出会った初対面に近い他人がいけしゃあしゃあと親友を演じ、自分の知らない親友視点の大切な思い出を語り始める。
ちなみに発表の形式は、一昨年、ぼくが出演した『ラ・マレア』という舞台を真似してみた。『ラ・マレア』は横浜の商店街で行なわれた市街劇で、ぼくは実際のバーでコーヒーを飲んだり新聞を読んだりという、つまり人の人生の大半を占めている「一人の時間」を演じたわけだけど、今回のワークショップでも、話し手となったひとには「一人の時間」を演じてもらった。たとえば、会場が教室だったので、机に座ってぼーっとしてもらった。たぶん授業に早く来すぎたのかもしれない。『ラ・マレア』の場合は、そこに字幕が表れて「彼は1983年に栃木県で生まれた」みたいな登場人物の背景や意識の流れが語られるんだろうけど、このワークショップの場合は、聞き手となったひとが彼の友人を演じ、舞台をうろうろしながら観客に向かって「彼の名前は菅原直樹って言って、あだ名はスガナオで、ぼくは小学5年まで彼と同じクラスでした。ぼくは小学5年の三学期に引っ越してしまったので、それ以来会ってないです。引っ越す直前に彼といっしょに『ドラえもん』の映画を観に行ったことがあって……」と思い出のエピソードを語り出す。
これはとても不思議な感覚だった。見ようによっては、どっか遠くにいる友人が、目の前にいる人物のことをふと思い出して、その意識の流れというか声がなぜかこの空間に届いてしまったようにも見えなくもない。もしかしたら、目の前でぼーっとしている人物もその友人を思い出しているのかもしれない。さらに不思議なことに、この別の次元にいるように見える二人はたまに目を合わせたり、言葉を交わしたりする……。
参加者のみなさんはいじめっ子のクラスメイトとか、ケンカ別れした友人とか、好きだった先輩とかさまざまな思い出の人物を語り、そして、それらを演じることになったわけだけど、現実ではありえないコミュニケーションが舞台上で成り立っていて、なんだかあたたかい気持ちになった。ここにはいない大切な友人に対する思いを語り、居合わせなかった他人の思い出を自分のこととして語る。見せ物としても十分いけるんじゃないかと思った。
このプログラムは機会があれば別の場所で別のバリエーションでやってみたい。演技のハードルも低いので普段演劇をやったことがないひとに気軽に演劇を楽しんでもらうワークショップとしていいと思うし。

■6月2日 演劇WS「いまここにいるというスリル〜演技と空気〜」3日目

3日目は「場の空気」を題材にした集団創作の発表。前回の高校生を対象にしたものより時間がたっぷりとあったので、とてもクオリティーが高いものができたと思う。まぁ、参加者のみなさんとしては「もっと時間くれよ」って感じだろうけど……。考えてみれば、これも戯曲を渡すのではなくプロットだけを渡して、あとは参加者の方々が即興の演技で固めていくというスタイル。シチュエーションが会社の送別会と、高校の修学旅行とあったので、学生組と社会人組に分かれて創作をしたんだけど、演技のスタイルが学制組と社会人組でまったく異なっていたので興味深かった。
さらに、単なる集団創作で芝居を作り上げただけでなく、それぞれ異なる演劇的な仕掛けがかいま見れたので、すごいと思った。社会人組は、本当に空気を読んで面倒くさいことを避けているような脱力系の男性陣、そして、その優柔不断な男性陣たちにしびれを切らして白黒をはっきりさせようとする女性陣を好演していた。学生組は、空気が壊れてからのさばっていた連中がいなくなると、まったく別の芝居がはじまったかのように、それまで影をひそめていた生徒たちがまったく関係のない話をしはじめるさまは、「現実ってこういうもんだ」という説得力があってとてもリアルだった。
参加されたみなさん、この場を借りて、ご参加いただきどうもありがとうございました。また劇場でお会いできるのを楽しみにしております!

4月27日


演劇ワークショップの情報です。よろしくお願いします!


GALA Obirin2010 ワークショップ企画 演劇ワークショップ
いまここにいるというスリル 〜演技と空気〜


「いまここにいる」と意識したとたん、何気ない日常はスリルに満ちあふれる。


現代人にとって身近な現象である「場の空気」を題材にした演劇WSです。
みなさんで丁寧に空気を作って、爽快に壊しましょう!



■日時: 5月31日(月)  遊ぶ
     6月 1日(火)  演じる
        2日(水)  創る    ※各回18時から開始


■講師:菅原直樹(青年団


■対象:演劇に興味がある人(経験・年齢不問)


■定員:25名ほど


■参加費:一般 1,500円 高校生以下 1,000円


■会場:桜美林大学プラネット淵野辺キャンパス教室(予定)
淵野辺駅北口から徒歩1分 *町田キャンパスからバス約7分


■ご予約・お問い合わせ:

gala_sugawara@yahoo.co.jp  (担当 五十嵐)
※ご予約の際は、件名を「演劇WS予約」にしていただき、


1.氏名(ふりがな)
2.在籍学校等
3.年齢
4.連絡先


以上を明記のうえ、上記アドレスに送信してください。
こちらからの返信を以ってご予約完了とさせていただきます。