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関谷ゼミブログ

2018-03-22

熊谷守一  東京国立近代美術館  漱石

キンビに行ったというタミルさんから以下のメールが届いたので、ボクの代りに報告してもらいましょう、よくまとめてくれているので。

実は新年早々だったか、都心に行ったついでに観たのだけれど、本命じゃなかったせいかブログには書かないまま展示が終るナ、と考えていたところ。

でもむかし記したと思うけど、常設展がウソみたいに充実してるので、それを目的に行く価値がある美術館だと思っている。

ボクが行った時には、期待していた関根正二萬鉄五郎などが展示されてなくて残念だったけど、いずれ模様替えされれば展示されるものと期待している。

とにかく1度は観に行きなされ!


関谷先生

こんばんは

ひさしぶりに近美に行ってきました。熊谷守一展の最終日でした。

前売りを買っておいたのを忘れてました。

こんな雪の降る寒い日でなくても…ですよね(苦笑)。

晩年の素朴な素材の絵が明るくてよかったです。

初期の熊谷の作品「轢死」(この作品は列車に飛び込んで

死んだ女性を描いたもの)から熊谷が「闇」を探求していたと解説板に

あったのは(もちろん、その対として「光」があるのですが)おもしろい解釈でした。

その事故は漱石の「三四郎」にも書かれていると解説に書かれていました。

同時代なので、多分同じ事故のことだろう、ということでした。

私は熊谷が美校で青木繁と同期とは知りませんでした。

常設展、相変わらず、良かったです。

久しぶりに朝倉文夫の「墓守」とか萩原守衛の「女」とか高村光太郎の「手」を

ロダンのちっちゃなトルソーと一緒に見られました。

日本画では川合玉堂「行く春」がとてもよかったです。桜の季節だからかもしれませんね。

岸田劉生などから猪熊弦一郎藤田嗣治戦争画から…草間弥生のペニスを模した作品まで、

3フロア、まったくもって近代美術って…体系的なんですかね、幅広すぎです。

自分の好きな古賀春江の小品がパウル・クレーと並んでいたのは教育的配慮でしょうか(笑)。

ミュージアムショップで並んでいた本でバシュラールの「空間の詩学」がおもしろそうでした。

熊谷がいろいろと計算をして絵を描いていている、と解説板に書いてあったかもしれません。

なにはともあれ、美術館に行くエネルギーが少しでも残っていてよかったです。

絵を見ると、小説を読みたくなりますね。

(以上)


轢死」を観た時に、こりゃ「三四郎」だと思ったら、解説にもそう書いてあった。

三四郎」にこの場面が必要なのか疑問に思ったせいか、よく覚えているのだナ。

志賀直哉「出来事」も電車の事故を書いていて、直哉は飛行機事故も書いていて何なのだろネ?)

だけど「闇」と「光」の対という説明は分かりやすすぎて、却って同感しにくい。

美校(今の芸大)で青木繁と同期だったという意外な事実は、以前テレビで知って驚いたことがある。

自家に閉じこもって、庭の小動物(アリなど)や水滴ばかり描いていた守一と、むやみと高いプライドと自信の塊りのような繁が、同期生と一緒(8人くらいだったか)に写真に納まっているのは意外だよネ。

「それから」の冒頭辺に出てくる青木繁(作品名は出てこないけど「わだつみのいろこのみや」を指す)だけど、付き合いにくいヤツだったと思われるので、守一がカワイソーな感じがする。

最近注目されている木島桜谷(このしまおうこく、「桜」は正字)を評価できなかった漱石(明らかに誤解)だけど、青木繁はお気に入りだったようだネ。


常設展でタミルさんが観た藤田嗣治の作品は「アッツ島玉砕」で一見の価値がある戦争画、すべすべの裸体や猫の作家がこんな迫力のある暗い作品を描くのか、と驚くだろう。

劉生の数ある「麗子像」も飛びぬけてイイ作品だけど、草間弥生は何を見てもイイとは思えない、なんであんなに騒がれるのか皆目分からない。

古賀春江は川端の「末期の眼」に取り上げられている画家で、その代表作も展示されていて、当時のモダニスム絵画の実物を観ることができる。

圧倒される「墓守」は碌山(萩原守衛)以上に感動するヨ、娘は先年亡くなった舞台美術の朝倉セツさんだと思う。

ミュージアムには寄ることないけど、何でバシュラールが置いてあったのかな? 「火の精神分析」が代表作の思想家

余談ながら、むかし安曇野碌山美術館に行った帰りに、近所のソバ屋で白ワインをボトルで注文したのだけれど、冷えてなかったせいだけじゃなくて不味くて半分も呑めずに残してきたものだ(高価だったのに)。

当時に比べると日本のワイン(特に白)も飛躍的に美味になったようで、嬉しいかぎり!