【近況】仲間と《つながる》ことで孤絶(悩み)を解決しよう!

 釣り部で実に久しぶりに会うことができた2人のお蔭で、心中に湧いてくる嬉しさを噛みしめたネ。期待した稚鮎は釣れなかったけど、釣り場を内房から変更して良かったヨ。釣りを止めて釣り場に座り込んでダンちゃんの悩みを聞いたので、目の前の生徒を中心にやっていくように助言したのは釣り部報告に記したとおり。その後ヤセエビが合流したものの2人は直接話す余裕と機会がなかったというので、ダンちゃんの相談相手としてこの上ないヤセエビに連絡するように手はずを整えた。結果は大成功でダンちゃんから以下のメールがきてボクも大喜び(もちろん個人が特定できないように伏字にしてある)。引用したのはボクがくり返し強調してきた「つながり」が、ダンちゃんのカッパ口から自然と出てきたからだネ。これが最後の仕上げの喜びだ!

 独りで悩んでないで、遠慮なく仲間に相談するのが解決への道だネ。

 

関谷先生、こんばんは。 
〇〇のカッパこと、〇〇です。 
おかげさまで、〇〇先生と連絡がとれ、いろいろ相談に親身になって暖かい言葉やアドバイスをいたたけました。 
ありがとうございました。 
自分の信じた道をゆく、子供たちのためになるかどうかで、判断して進みたいと改めて思いました。何かあったら、〇〇先輩かいる!と思えるのは心づよい限りです。つなげていただき、ありがとうございました。 
暦より暑い日々が続きます、ご自愛ください。 

【状況への失言】最首悟(さいしゅ・さとる)さんは尊敬できる稀な人  新刊『能力で人を分けなくなる日』(創元社)

 ブログにも何度か書いてきた人だけど、最首悟さんが先日の「東京新聞」に新著紹介をかねて取り上げられていた。写真を見ると最首さんもだいぶ好々爺(こうこうや)の雰囲気を出すようになったナ、と思ったら87歳とのこと。それでもお元気そうで何より。そもそもこのトシで新刊を出すのだから老人呼ばわりはできない。その新刊も中高生3人と車座になって語り合ったものだというのだから、精神の若さはハンパナイ! 

 《頼り頼られるのはひとつのことです。一方が自立したり、一方に依存していたり、ということはありません。》

という深い言葉が中高生に簡単に伝わるとも思えないけれど、記事には《「私」という存在がまずあるのではなく、「あなた」との関係がまずあって、「私」ができていく。最首さんが提唱する「二者性」の概念だ。》という解説が付されているのを読んだら、学部生の頃に同級生の故・木邨雅文が教えてくれたマルティン・ブーバー「我と汝」の考え方との共通性を感じたネ(岩波文庫にもあるから絶対おススメ!)。

 ブーバーの思想はユダヤ教に根付いているとのことだけど、最首さんの場合はダウン症の三女(47歳)との暮らしの中から得られた知恵だそうだ。この娘が幼い頃に一緒に撮った新聞掲載の写真を見た時の感銘は未だ忘れられない。娘がサイコーの笑顔で抱かれているのだけど、最首さんの表情もこの上なく嬉しそうで信じがたかった。障害のある娘を抱いてこれほどの喜びを表していることが、素直に受け止めることができなかったのだネ。その逆に不幸な子を強いられたと暗い表情で生きている親を少なからず見てきたからネ。

 

 全共闘運動のさ中、駒場の第八本館をバリケード封鎖をしていてボク等のクラスが与えられた部屋は、駒場全共闘の精神的支柱だった最首さん(当時は助手という教員の立場)の隣りの部屋だった。大工道具を借りに訪れたこともあったりで、親しく口をきいてくれた最首さんが今や何をやっても及び難い存在になっているのだから、吾ながらジンセイの奥行きの深さを感じるネ。ダウン症の娘さんのことを知ったのは、だいぶ経ってからの新聞の記事だったけど、それ以来は畏敬の念が深まるばかりだった。

 今回の記事で初めて知ったのだけど、東大助手時代には石牟礼道子本人から懇願されて水俣病の学術調査団に加わったのだそうだ。さらに驚いたのは津久井やまゆり園事件の被告から手紙がきて以来、今もやり取りをしているとのこと。最首さんがダウン症の娘の人格を認めて共棲しているのを知って、知的障害者ら45人を殺傷した被告が最首さんに論争を挑(いど)んだのだろネ。ボクからすると被告は(新興宗教信者や杉田水脈と同じく)話しても通じる相手ではないと思うけど、最首さんは見捨てないのだネ。

 新刊のみならず、最首さんの著書を漁ってみるつもり。

【読む】大橋毅彦『神戸文芸文化の航路』には圧倒される

 大橋毅彦さんといえば、むやみと上海に詳しい人というイメージが強いけれど、本書は地元の神戸を舞台にした副題の「画と文から辿る港街のひろがり」を論じた興味深い研究書だ。琥珀書房から2800円+税というのだから安価なのは、関西学院大学からの助成金のお蔭かな。「画と文」だけに限らず目次を見たらマン・レイコクトーなどの名前が出てくるのみならず、バレエやら朝比奈隆まで並んでいるので大橋さんの守備範囲に圧倒される思いだ。朝比奈隆といえば日本のブルックナー演奏を支え続けた指揮者で、その道のファンからすれば神様のような御仁で、ボクも何曲か録音・録画してあるヨ。

 テーマが狭い時空間に限られている印象のとおり、無名あるいはそれに近い名前が取り上げられている中に、有名どころでは小田実陳舜臣の名があるのは極端な対照で苦笑が洩れる。個人的にはこの小田実についての論に関心があるが、詩の研究者には必読の文献なのでおススメ! 「あとがきに代えての雑信」を読んでいたらむかし愛読した木原孝一が、日中戦争下の中国に兵士として赴いた少年詩人の頃は「木原」ではなく「樹原」だったというのは初耳だったけど、樹原孝一を調べる過程で浅原清隆という画家の存在に出遭ったという。

 こんな具合に実際に足を使って調べるうちに貴重な発見・出会いに遭遇するというのが、大橋さんの研究がブッキッシュではない信頼すべきものだという確かな手応えだ。末尾に奥様である大橋秀美女史が研究を支えてくれた老をねぎらうのみならず、装丁画まで手掛けてくれたことに謝意を付しているのは思わず微笑みが洩れるネ。

 大橋さんもいよいよ定年退職と聞いたけれど、研究者としては現役であり続けていることにも圧倒される。こちらが先般「後期高齢者」になった身で、研究からいっさい「足を洗」って久しいのでいっそう頭が下がるネ。

【釣り部】次回は6月22・23日

 まだ先のことながら、次回の釣り部の予定を報せておくヨ。6月は定時制の同窓会や学大の学会があるのでそれ等を避けて日にちを選んでもらったヨ。

 6月22・23日(土日)

 宿は北見で釣り場は金谷や保田の漁港を攻める予定。

 参加希望の人は連絡ください。

【読む】『論樹』第23号  大江健三郎・岩野泡鳴・倉橋由美子・藤枝静男・柏葉幸子

 毎号贈っていただく都立大大学院編集・発行の『論樹』の最新号をありがたく落掌した。今号は今までになく論者が多くて5名の論文が収録されている。

 教員の大杉重男さんが大江健三郎と岩野泡鳴との対照を論じているのが好もしい。他は表題からすると倉橋由美子の「少女」を、あるいは藤枝静男天皇(制)を論じていて手堅さが感じられる。長い巻頭論文は「蛇足の文学史ことはじめ」という表題で、副題の「性・風呂場・温泉」を語っているようながら、一時流行った(安智史さんが書いていたのを覚えている)温泉への言及に新味があるのか関心のある人は一読しなければなるまい。もう1本はファンタジー柏葉幸子「帰命寺横丁の夏」論とのこと。

 できれば最初の3本は読みたいけれど、今はあいにくそこまでの余裕が無い。先般後期高齢者の仲間入りしたので、ジンセイの残り時間も気になっているしネ。ともあれ若い研究者に、優れた同人研究誌の最新号を紹介するだけはしておきたい。

 ヒグラシゼミ等の仲間で読みたい論があれば連絡ください、コピーを送ります。

【近況】鍼(はり)と灸(きゅう)は素晴らしい!  豊泉堂(松波太郎)は名医!

 昭和ゼミの卒業生だとボッキマンと言わなければ通じないかもしれないけど、本名・松波太郎芥川賞を3度は逃したボッキマンは今や小説家よりも鍼灸医としての活躍の方がスゴイと思ったネ。北浦和鍼灸医院「豊泉堂」を始めたという案内をもらったのは、コロナ禍が始まった頃だったか。すぐに治療を受けに行きたかったものの、大事をとってコロナ禍が過ぎてからと約束したまま今日になった(1・2ケ月遅れたけれどネ)。

 治療を受けると心の底からビックリするゾ! 最初横になって両手の手首を触られ、脈をとるにしては変だナと思っていたら、まさかの心臓はじめ肺やらジン(腎という漢字でいいのかな?)やら身体のあちこちの診断を出すので驚きの連続だヨ。何故そんなことが解るのか? と訊くのもヤボだと自制したけど、感嘆するばかり! ボクがゼンソク(の薬)の吸入をしているのは告げてあったものの、肺が弱っていると指摘されると東洋医学の絶妙さに感心するネ。心臓も自覚症状はないものの、健康診断で時々心電図に乱れがあると言われてきたので指摘にはビックリだヨ。

 その後は鍼を打たれながらあちこち触られるけど、痛みはほとんどなく首の張りをしてきされたり・心臓の左側の勢いが落ちていると言われたり・目の衰えまで指摘されるのだから身体中を透明にされて見られて(診られて)いる気分だネ。頭のも鍼を打たれたけれど、幸い認知症とは言われなかったヨ(認知症まで分かるとは!)。驚きの絶頂はアトピー性皮膚炎やうつ病まで治療できると聞いた時で、すでに学大卒生がアトピーの治療を受けたそうだ。他県にいるアトピーで悩んでいる卒業生や、周囲にも少なからずいるウツで苦しんでいる仲間にも受診を勧めるつもり。

 初診料2000円で治療費は5000円、それでこの上なく気持よくなるのだから安いものだ。何の自覚症状がない人も、受診するといくつもの弱った臓器を指摘されることうけ合いだ。北浦和はチョと遠い感じだけど、武蔵野線を利用すると意外に近いネ。興味や受診の気持がある人は、連絡くれれば紹介するヨ。もちろんボクの名を出しても出さなくても、直接治療を受けることおススメだネ。さらに詳しいことはググってみるとイイよ。

【呑み部】(高級な)ビールとワインと日本酒を満喫  釣り部の補遺

 釣りの話になるけど、釣果は別にして今回一番感心したのはパンサーの執着心だネ。独りで攻め続けた稚鮎にしても、釣れる可能性を信じてずっとあちこち釣り歩いていたヨ。釣り場を阿字ヶ浦近くの港に移動してからも、テトラポットに沿ってシロギスを探り続けていたと思ったら、いつの間にか内湾でも探っていたネ。この執念があれば釣果は必ず現れるだろネ。

 「釣りは足で釣れ」と言われるとおり、ジッと1ケ所に留まって釣るよりはあちこち歩き回って攻める方が結果が出るものながら、アマッチは昔からジッとして攻めるタイプだネ。釣りに対する執心がパンサーとは異なって現れているということかな。

 今回2日でシロギス総計5尾の中の3尾を釣りあげたカネシローにしても、意外に(?)釣りに執着する姿勢があるからこその釣果だったのだと思う。パンサーは時によってはスマホに熱中していることがあるけど、カネシローが釣り以外に没頭している姿を見たことはないネ。ともあれ毎回必ず昼寝をして夜の呑み部に備えているボクからすると、この3人の姿勢には及び難さを感じるヨ。

 呑み部の前振りとして釣り部の補遺を記していたら眠くなったので、呑み部の詳細はまた後でネ。