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占魚亭残日録

2011-02-07 購入メモと作品リスト更新

「宮原龍雄作品リスト」更新

| 21:42

宮原龍雄探偵小説選』刊行に伴い、作品リストに情報を追加しました。

2009-03-19 「三つの樽」を読む(再読)

宮原龍雄「三つの樽」

| 21:45

二つの樽を積んだオート三輪とトラックが追突事故を起こし、樽の一つから裸の女の死体(被害者はモデルの若杉陽子と判明)が見つかる。運転手の証言によると、その樽には須田画伯の製作になる石膏の裸像が入っているはずで(運転手が積み込みを手伝い、石膏像を目撃している)、アトリエから樽を運び出したときには被害者は生きており、樽の出発を須田と二人で見送っていたというのだ。また、出発から事故までの五分間、オート三輪は一度も停車しておらず、樽の擦り替えは不可能だということがトラック運転手の証言により判明する。混乱する初動捜査の最中、三つ目の樽が出現し、その中から石膏像が出てくる。樽の魔術ともいえるこの難事件に、三原検事と満城警部補が挑む――。

宮原龍雄のデビュー作(旧『宝石』の「100万円コンクールC級」に三席入選)で、宮原作品の中で再録回数が一番多い作品(代表作としてよく挙げられるが、それはどうかと個人的には思う)。

提示される不可能興味が魅力的な非常に良く出来たパズル小説(当時の本格短篇としては申し分ないでしょう)だが、詰め込みすぎたため謎解きが駆け足になってしまったのが残念。また、(当時の選考会で指摘されていますが)大きな欠陥があるのも残念。なお、作中でF・W・クロフツ『樽』の犯人とトリックを明かしているので、未読の方は要注意。

(初出=『別冊宝石』6号(新鋭三十六人集)[S24.12])

「宮原龍雄作品リスト」を更新(「三つの樽」の再録情報を追加)。

2009-03-10 宮原龍雄作品リスト

宮原龍雄作品リスト

| 00:35

下記のリストは、8年前に宮原作品を集めた際に作ったリストの改訂版です。

宮原龍雄作品リスト(Ver.3)》

 +は三原検事&満城警部補(警部)コンビ、−は満城警部補(警部)のみ登場

01.「三つの樽」(初出=『別冊宝石』S24.12)

 <再録>

 1.『増刊宝石』S37.9

 2.『宝石推理小説傑作選1』(いんなあとりっぷ社)

 3.『幻影城』No.3[S50.4]

 4.鮎川哲也=編『密室探求 第二集』(講談社文庫)

 5.鮎川哲也・島田荘司=編『ミステリーの愉しみ3 パズルの王国』(立風書房)

 6.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

 7.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社

02.「首吊り道成寺」(初出=『宝石』S25.8)

 <再録>

 1.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

03.「五つの紐」(初出=『宝石』S26.1)

 <再録>

 1.鮎川哲也=監修/山前譲=編『本格推理展覧会4 迷宮の旅行者』(青樹社文庫)

 2.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

04.「新納の棺」(初出=『別冊宝石』S26.12)

 <再録>

 1.鮎川哲也=編『殺意のトリック』(双葉社)

 2.山口雅也=編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫)

 3.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

05.「不知火」(初出=『別冊宝石』S27.2)

 <再録>

 1.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

 2.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

06.「知盛」(初出=『宝石』S27.4)

 <再録>

 1.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

07.「灰色の犬」(初出=『別冊宝石』S27.6)

08.「ニッポン・海鷹」(初出=『増刊宝石』S28.7)

 <再録>

 1.鮎川哲也=監修/芦辺拓=編『絢爛たる殺人 本格推理マガジン 特集・知られざる探偵たち』(光文社文庫)

 2.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

09.「“五段目”の殺人」(初出=『宝石』S29.3)

10.「むかで横丁 発端篇」(初出=『密室』S29.5)※連作

 <再録>

 1.『新むかで横丁』(甲影会)

 2.鮎川哲也=監修/芦辺拓=編『絢爛たる殺人 本格推理マガジン 特集・知られざる探偵たち』(光文社文庫)

 3.『別冊シャレード86号 山沢晴雄特集9』(甲影会)

11.「南泉斬猫」(初出=『宝石』S29.12)

 <再録>

 1.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

12.「凧師」(初出=S30.7)

 <再録>

 1.日本推理作家協会=編『探偵くらぶ(中)本格編』(光文社カッパ・ノベルス)

13.「景子と二人の男」(初出=『増刊宝石』S30.11)

14.「霧雨の山峡」(初出=『宝石』S31.3)

15.「午前二時の裸婦」(初出=『宝石』S31.4)

16.「乾三九郎の犯罪」(初出=『宝石』S31.9)

17.「真昼の十字路」(初出=『宝石』S31.10)

18.「灰色の柩」(初出=『宝石』S32.1)

19.「赤い手袋に殺された」(初出=『増刊宝石』S32.4)

20.「瓢と鯰」(初出=『宝石』S32.6)

 <再録>

 1.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

21.「鈍魚の歌」(初出=『宝石』S33.3)

22.「鬚のある自画像」(初出=『宝石』S33.6)

 <再録>

 1.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

23.「死体に触れるな」(初出=『宝石』S33.12)

24.「雪のなかの標的」(初出=『宝石』S34.3)

 <再録>

 1.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

 2.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

25.「湯壺の中の死体」(初出=『推理教室』S34)−

 <再録>

 1.江戸川乱歩=編『推理教室』(河出文庫)

 2.ミステリー文学資料館=編『江戸川乱歩の推理試験』(光文社文庫)

26.「消えた井原老人」(初出=『推理教室』S34)

 <再録>

 1.江戸川乱歩=編『推理教室』(河出文庫)

 2.ミステリー文学資料館=編『江戸川乱歩の推理教室』(光文社文庫)

27.「世木氏・最後の旅」(初出=『宝石』S34.8)

<再録>

 1.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

 2.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

28.「昼さがりの情婦」(初出=『増刊宝石』S34.12)

29.「十号室の裸婦」(初出=『週刊アサヒ芸能』S35.3.20)

 <再録>

 1.『エロティック・ミステリー』S36.1

30.「ある密室の設定」(初出=『宝石』S35.11)

 <再録>

 1.鮎川哲也=編『幻のテン・カウント』(講談社文庫)

 2.『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)

31.「車に乗った裸婦」(初出不明)

 <再録>

 1.『エロチック・ミステリー』S36.8

32.「葦のなかの犯罪」(初出=『エロチック・ミステリー』S37.7)

 <再録>

 1.ミステリー文学資料館=編『「エロティック・ミステリー」傑作選 甦る推理雑誌8』(光文社文庫)

33.「マクベス殺人事件」(初出=『幻影城』No.25[S51.12])

 <再録>

 1.『甦る「幻影城」II』(カドカワ・エンタテインメント)

 2.『別冊シャレード87号 宮原龍雄特集』(甲影会)

※09/3/19 「三つの樽」再録情報を追加。(Ver.2.01)

※11/2/7 『宮原龍雄探偵小説選』刊行に伴い、再録情報を追加。

2009-03-09 佐賀のクロフツ、逝く

宮原龍雄、逝去

| 23:45

日本推理作家協会のサイトで会報をチェックし、宮原龍雄が亡くなったことを知る。

宮原は『宝石』の100万円コンクールC級に投じた「三つの樽」でデビュー。「五つの紐」「新納の棺」「ニッポン・海鷹」などの短・中篇を30篇余発表し、伝説のリレー小説「むかで横丁」では発端篇を担当。ペダントリーと佐賀の風土に溢れた作品が多く、(当時としては不運にも)中篇で本領を発揮するタイプのミステリー作家だった。

作品集は一冊も刊行されておらず(河出文庫の〈本格ミステリコレクション〉が続いていれば……)、再評価してほしい作家のひとりでした。

私的ベスト5は(発表順に)「三つの樽」「新納の棺」「ニッポン・海鷹」「瓢と鯰」「世木氏・最後の旅」。

合掌。

(追記:2011年1月、遂に待望の選集が刊行されました。)

↓宮原作品を収録した選集とアンソロジー(の一部)。

宮原龍雄探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

宮原龍雄探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

パズルの王国 (ミステリーの愉しみ)

パズルの王国 (ミステリーの愉しみ)

山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

江戸川乱歩の推理教室 (光文社文庫)

江戸川乱歩の推理教室 (光文社文庫)

江戸川乱歩の推理試験 (光文社文庫)

江戸川乱歩の推理試験 (光文社文庫)