Hatena::ブログ(Diary)

潜む狸の日記

2015-07-20

リュックサッカー〜人としてあるべき姿、豚としてあらがう姿〜

| 10:19

【1.リュックサック万歳】

 最近の流行は、A4どころかB5の紙すらもまともに入らないボディバッグ。

 そりゃあ持ち歩く物が大型化し、スマホの充電器やタブレットまで加わるのだからダメだと思う。やっぱりリュックサックの出番だ。

 なにより身体に密着できるから通勤ラッシュではぐれないし、前に回せばリュックが確保してくれた自分のスペースで本を広げる事が出来る。

 両手が空けば片手で吊り革を握り、もう片方の手はご自由にスマホも本でもなんでもござれだ。

 リュックサック・イズ・ビューティフル!


【2.中見るの? え? え?】

 まあ、おいらもリュックサックの中に何が入っているのか聞かれる事はある。自転車通勤の今は読む本もなく、折り畳み傘と1〜2リットルのペットボトル、そして弁当箱だ。数は少ないが意外とスペースと重量を取るので肩掛けの鞄でなくて助かっている。

 そんなリュックサッカーライフを送っておりましたが、この記事でびっくりしたのは、他人のリュックの中身をぶちまけてネット上で公開した事ですな。

 いや、たしかに無駄があるとは思った。ノートPCがタブレットだったら手帳も書籍やマンガもいらないかもしれない。加えて仕事の書類と、フリーペーパーや謎の紙まで一緒なのは文書管理能力に不安がある。著者の言いたいことは、よく分かる。

 ただ、何が良くないって水商売の女が見たって事だ。多分おだてたり、周りを盛り上げるためにノセて御開帳させたのだろう。

 そうでなければ、いつ入れたか分からない紙切れや、まして社外秘にもなるような仕事の書類を出したりすまい。

 百歩譲って、見たのは良い。千歩譲って犠牲者の名前や特徴をリュックサック以外さらさなかった事を誉めてやってもいい。ただ、本人や読者に有益なアドバイスはしてやれなかったのか。それでドキュメント管理がデキる男に変わったならばめでたしめでたしじゃないか。

 読んでいて不愉快なのは、こうして彼の弱点を全世界に配信し、笑い者にした事だ。多分女子会のネタにして自分たちの女子力の高さをなんとなく誇ってそれで終わりにした事ですな。


【3.イケてるリュックw】

 リュックサッカーの男子の怒りを買ったかもしれないと書いた著者は、イケてるリュックとしてハードシェルのリュックを挙げている。

 そうだねシェルが固いと繊維がほつれないしね。光沢のある仕上げとかは確かに素敵だ。

 でも、硬いリュックは通勤ラッシュでぶつかると迷惑になるという原則を考えて欲しい。仕事の書類をリュックに入れた彼らは、業後の息抜きに水商売の店に行ってひと時疲れをいやすのではないのか。

 イケてないリュックサッカー――わしのようなぶにせ(薩摩弁でキモメンの意味)――が良くて金づるや単なる自分の食糧――薩摩黒豚や観音池ポークとかMの国黒豚(本当にそんなブランド豚が宮崎県に存在する。宮崎と都城ダブルミーニングだろうな。BHYYYYY)――に見えたとしても、それを品評して断じるだけのコラムはいただけない。


【4.人としてあるべき姿、豚としてあらがう姿】

 整理整頓をした方が毎日疲れないし、仕事も捗って楽しいよ! みたいな普通の事がなぜ言えないのか。

 ダサいとかモテるとかそんなことじゃなくてさ、リュックサッカーが心配性に見えるならば心配を取り除くことを一緒に考えるのが人としてのあるべき姿じゃないか。

 衣食足りて礼節足るという言葉がある。

 心配事が減ってダサイのダサくないのを人は考えられる。

 翻って、著者が思いやりがないのも、衣食が足りないからかもしれない。

 水商売でも一流の方は、祇園の芸妓のようにきちんと人に教訓を与えてくれるものだ。

 ネタにされたA氏が心配だ。彼はいつまでこんなフィールドに居るつもりだろう。

 人は人の間で生きる以上、社会とつながらざるを得ない。凡人は常にキョロ充を目指して頑張るしかない。

 だからこそ、せめてキョロ充をして得る物が社会とのつながりや給料や慰めだけではなく、自分自身の技芸を磨くものでなければならない。

 そうでない世界や人々には、ためらいもなく手を振って後にしたい物だ。

プリウスは「良い車」ではないのか

| 09:30

【1.はじめに】

 さて、私はホンダ党である。

 けれど、プリウスが悪い車と言われるとそうとは思えないのだ。

 まずは3ナンバー。最近は5ナンバーとの維持費差はそんなにないと言われている。けれど、3ナンバーのボディに裏打ちされるサイズは自動車重量税に跳ね返るし、1800Cの排気量は自動車税にかかってくるものだ。結論、燃費でEco(logyかnomyはさておき)と言われるが、やはりある程度お金があってのプリウスだ。だからアクアが一番売れる。

 加えて、あの空力に優れたボディ。リアのクーペ風のなだらかなラインは、スピーディなイメージを受ける。二代目プリウスは全体的に丸みが強くて垢抜けないけど、二代目インサイトと三代目プリウス幾何学と流線型をミックスしたデザインは何度見てもいい。ちなみにあのリアのデザインは初代インサイトの方が二代目プリウスに先んじて採用したものだという事は言っておいても罰は当たるまい。

 そしてどうにも解せないのは、こうした見栄っ張りな女性が大好きだろうハリウッドのスターたちだってプリウスを愛用している事だ。ディカプリオとか。


【2.ここではないどこか〜より良きものを求めて】

 もっと良い車って何なのか。

 第一の可能性として、もっと高額な自動車に乗れと言っている可能性がある。

 ただ、大学生にレクサスベンツBMWアウディはや二次元で留めてほしい。自費で車を買える学生はなかなかいない。

 多くの大学生が乗る車は、親の金で買ったか、親の車そのものだろう。ここで文句を言う彼女は、財産目当ての付き合いかと勘繰りたくなるものだ。

 第二の可能性は、良い車のイメージや目標もなく、巷に溢れているからというのがプリウスを忌避する理由かもしれない。

 やっぱりこの『彼女』は、仕事のストレスで禿げたり、デスクワークや飲み会でお腹が出て来たお父さんのパンツと私のパンツを一緒に洗わないでとか言ったりするんじゃないか。

 自分を育てるのにどれだけの苦労やコストが掛かっているのか想像できずに。

 可愛い女の子たちは時として残酷だ。広瀬すずが『どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう』と言ったように、自分たちを支えてくれる人たちや、人並みに生きるために皆どれだけ頑張っているのかを知らない。

 ま、この場合は得体のしれない中古セダンをシャコタンしてピカピカのアルミホイール、そして法令違反の鬼キャンを付けた『非凡な』DQNと付き合って満足するんじゃないか。そしてそれから後悔するか、実家にお小遣いを無心し続けるのだろう。

 上昇意欲は大切だが、身に余る自己イメージは身を滅ぼす。足るを知らなければ今のギリシャのような財政破綻が待っているのではないか。

 第三に、『彼女』がネット中毒の可能性がある。Twitterの「今日のプリウス」とか2ちゃんでのプリウス叩きに毒されているのかもしれない。

 IDを見る限りだと、『彼女』の発言がアンチプリウスなだけなので、表題みたいな服や部屋まで示しているのかは今一分からないからだ。

 最後に、あまり考えたくない事だけど、『彼女』はプリウスを生理的にかっこいいと考えていないのではないか。

 今までだってかっこ悪いって話しだけど、そうじゃない。事前情報や文化的な背景のない、メカデザインに対する生理的な印象の話だ。


【3.対決! 大二病プリウス!!】

 私がプリウスのデザインをかっこよく感じるのは、エアロボディだ。空気の抵抗をスムーズに流す流線型。ほかの乗り物で言うと新幹線が一番デザイン的な思想が近い。ただ、流れに逆らわない受け身なデザインはオタク的に見えるのだろう。

 例えばスバルみたいにボンネットにも吸気口があったり、エスクァイアみたいにもっとグリルが輝く貪欲なデザインとか、ワイルドなSUVに乗る男性を求めているのかもしれない。大二病で恋愛脳の女子は。


【4.ここにあるかなにか〜未来は救われるのか】

 差し当たっては第三のパターンの『彼女』ならまだオタク的だ。プリウスが嫌なだけで、インサイトやグレイスハイブリッドの出番になればホンダ党としては嬉しい。

 ただ、ネット中毒ならばFIT3のリコールとかタカタ問題とか突っ込んできそうではある。

 その場合は新型デミオを推して5ナンバーの維持費と取り回し、そしてSkyActiveエンジンのもたらすロングドライブの燃費の良さで割と幸せな気分になれるだろう。

 それ以外の1、2、4のパターンの彼女の場合は、今後のライフステージ次第かなあ。

 社会人になって経済観念を身に付けるか(それが成長でなくてただの変化のレベルならば付き合う男は苦労する)、それでも親から小遣いをもってセレブ指向を強めるのか。専業主婦の家計費をママ友とのお茶代に沢山費やすか、パート代から家計費を出さないのかもしれない。

 そしていつの間にかプリウスミニバンに取り替えられているだろう。

 この『彼女』との未来は余り平坦とはいえそうにない。

 プリウスハイブリッドカーデファクトスタンダードとして街の風景に溶け込んだ。

 そのおかげで、様々な人生の縮図が見えてくる。

 差し当たっての人生は、いかに金を稼ぎ、その中で最適解を探る事だと思う。ギリシャの借金問題や、この国の国債や抜本的な対策がない年金問題を見るにつけ、強く思う。

 地球の事を考える自動車は、人間の営みについて教えてくれるものであるなあ。

2015-07-12

スマホの速度とジレンマ

| 00:54

【1.三年前から現代人】

 AndoroidスマホのSHL21を使うようになり、気付くと2年と8か月くらいの期間が経過していた。

 最初は流行りのLINEもできる! イロイロな情報にすぐアクセスできる! とヒャッハーな感じで、家計簿アプリも使って高い通信費に対抗するように財政を引き締めていた。

 課金サービスもGPSも使わず、ひたすら慎ましく節制をしてきた、つもりだった。が、気が付くと2年目になろうかという昨年10月から急に動作が重くなり、そこから長い戦いが始まった。


【2.メモリとの戦い】

 まずはメモリ占有率。

 これは様々なアプリがあるけれど、スマホ内部を漁っていると、ウィルスバスターモバイルバッテリーやメモリの最適化ができると分かった。

 見ると、プレインストールされている使わないアプリがちょこちょことメモリを食っていたので、「設定」⇒「アプリ」画面でデータ削除と無効化の作業をしてみた。

 PCだったら管理者権限で一気にアンインストールできる(root化って奴ですな)ものだけど、スマホアプリが個別でどんな動きをするかもわからないし、いつ落すリスクがあるとも言えないのでそれはさすがにしたくなかったのだ。まあ、ついでに言うとroot化して戻す作業で失敗して何かあっても嫌だったというのもある。

 これでフリーズは多少改善された……はずだった。

 喜んでネットサーフィンをしたり、無料アプリの恩恵にあずかっていると思いもよらぬ事態が発生した。


【3.ストレージさんも参戦!】

 今度はストレージの容量が足りないというのだ。

 んな馬鹿な。

 今となってはそんなに大容量ではないかもしれないが、買った時は大枚をはたいて32GBのSDカード(これを大枚と表現するわたくしのお財布事情を察していただけると大変助かる)を使っているのだ。

 スマホUSB接続してSDカードプロパティをPCで見ても容量は半分も使っていない。いぶかしみながらまた「設定」の「アプリ」画面を見てみるとよからぬことが発生していた。

 SDカード側にアプリインストールするようにしたのは容量問題が発覚する前だったのだが、既存のアプリが度重なるアップデートや、家計簿ソフトか何かで容量を食っていたのだ。また、移せる物をSDカードに移して、アプリインストール先をSDカードにしてもどうもいけない。これ以上インストールできなくなった。

 しかし、本体のROM容量16GBのうち、4GB程度しかアプリって使えないんだね。

 唸りながら、しかし新しいスマホにホイホイ買い替える程のお金はない。

 第一、ROM16GBって当時('14年秋)も、現在('15年初夏)も、ハイスペックではない安めのスマホの容量だ。

 しかも、メモリ。2GBのメモリでこんな有様だから、少なくとも3GBの機種は欲しい。結論、やはり買い換えるならばハイスペックスマホ

 使い方が悪いのかもしれないけれど、悲しいかなそれはある程度見直す機会があった。この晩春、スマホが勝手に再起動してついには電源が入らない悲劇から、サポートプランで機種はそのままに本体を一度取り替えているんだな。

 一度リセットをかけたような状態で、初めからいらないアプリを削り、家計簿アプリはローカル保存ではなくクラウド化し……それでもほっとくとメモリの使用率は89%に到達する。


【4.スマホとの距離】

 結局、今に至るまでうまい解決方法は見つかっていない。

 強いて言えば、買ってからずぶずぶスマホ泥沼にはまっていったので、使うのを自粛するくらいだ。

 まあ、それもいい。

 家には未読本やプラモがだいぶ積みあがってきた。

 消化しながら、いらない物はBoook-OFFに持って行こう。まあ、買取の待ち時間で目にする物は結局スマホになるのだけど。

2015-06-22

宝暦治水の日向松

05:13

 江戸時代の宝暦4年から5年(1754〜1755)、薩摩藩江戸幕府の命令で濃尾平野を流れる木曽川長良川揖斐川木曽三川の分流工事を行いました。

 工事中に多くの薩摩藩士が自害、病死をし、総指揮を執った家老の平田靭負も自害をし、薩摩藩はその後工事費用の返済のため領内に重税を課すことになった工事でもあります。

 この工事で設けられた分流提に松が植えられ、千本松原と呼ばれています。

 ただ、この松が不思議な事に『日向松』と呼ばれているのでありました。

 昨年くらいに鹿児島県歴史資料センター黎明館で宝暦治水について学んだ時、不思議に思ったものでした。宝暦治水に動員された人々の中には、薩摩大隅の武士だけではなく都城盆地や宮崎市高岡町の外城士や私領の家中士がいたのではないか。

 当時の薩摩藩領を考えると不思議ではない話です。

 最近手にした古写真のパンフレットで気になる物がありました。

都城・小林・えびのの昭和」と題された戦前や昭和のモノクロ写真を中心とした本の広告なのですが、以下は昭和13年の写真のキャプションです。


宮崎県日向地方で伐採されるアカマツは、「霧島松」とも呼ばれ、床柱や造作材、将棋盤などに用いられた。写真は、伐採した日向産の松の丸太(長さ約7メートル、直径約1メートル)を高原駅前へ運ぶトロッコ

 

 材木店のページを見ると、霧島松は日向松とも呼ばれているらしいのです。

ウッドショップ 関口

 ただし、宮崎県日向地方という記述がどうも引っかかるものです。

 日向というのは宮崎の旧国名でもありますが、現在は県北に市町村合併で出来た日向市がありますので、県北部を指していると思われます。

 別の材木店のページでは、霧島あか松と日向松は別だと表記されています。

森のかけら

 混同されるケースもあるようですが、その場合でも日向松のグループの中で霧島あか松・霧島松は分けて考えてもいいでしょう。

 だとすると、薩摩藩士にちなんだ松なのに千本松原で霧島松と呼ばれないのはなぜなのか、疑問が残ります。

 そんな中で検索を進めていくと、次のページにヒットしました。

千本松原〜日向松の由来

薩摩藩士たちが、油島背割堤に植えた松は、日向松(ひゅうがまつ)でした。日向松は文字通り、宮崎県産の松です。 1,000km 以上隔てた岐阜南九州を行き来するには当時の交通手段では、片道25日間、往復50日ぐらいの日時を要したと思われます。

 

松苗なら美濃地方でも調達できたはずなのに、資金が底を突き一両の余裕も無かった中で、わざわざ駄賃を使って何ゆえ遠方から松の苗を運んだのか。小説『霧の木曽三川淵』の著者・瀬戸口良弘氏は、幕府の役人が『薩摩より松苗を持参致して植林を致せ』と下命したのに違いないと推測しています。そして、なぜ日向松なのか?

 

美濃から薩摩に行くには、陸路を徒歩で関ヶ原滋賀京都を経て大阪に行き、大阪からは船(帆船)で細島港(現在の宮崎県日向市)着、細島から再び陸路を徒歩で、西都都城〜国分〜鹿児島着の道順がありました。

 

瀬戸口氏は、以下のように推測します。松苗を採取しに国許に向った小奉行ら一行は、大阪から細島港に到着すると、佐土原藩(現宮崎市)国家老の屋敷に宿泊することになり、思い切って松苗のことを相談しました。

 

島津藩とは親戚筋に当る佐土原藩は、今回の美濃の治水工事の下命を気の毒に思っている矢先でもありました。すでに時間的余裕はない、しかも資金も底を突いている状況を察した佐土原藩家老は、佐土原藩士に命じて細島港までの道中の道端に自生している山苗を採取させ、細島港より桑名城下の『七里の渡』に直接積で運ばせたというのです。薩摩藩士たちは、届いた松をホロホロと泣きながら植林しました。


 推測とされていますが、佐土原藩士が採取した松苗だったとされています。佐土原―細島間に自生していた松は霧島松・霧島あか松ではなく、日向松でしょう。

 日向の薩摩藩士が参加していたかどうかは分かりませんが、日向松について少し謎が解けてすっきりしました。

都城でエロマンガ先生になる

| 03:53

 6月に梅雨入りしてから、宮崎は毎日のように雨が降っていた。

 久しぶりに晴れ間がのぞいたこの週末、私は都城島津邸の常設展を見学し、帰りに国道10号線沿いにあるチェーンの書店に立ち寄った。

 みやざき文庫のコーナーで地方史や民俗学の本をしばし楽しみ、店内を一巡すると、成年コミックのコーナーで私は足を止めた。

 新刊があるじゃないか!

 食指をそそられる本は何冊もあった。スマホメモ帳機能にタイトルをリストアップすると、13冊あった。

 ここはセルフ作戦会議だ!

 一旦マイトライドロンに戻ると、雨が降ってきた。

 南九州の大きな雨粒は、のぼせた頭を冷やせ考え直せとバラバラとルーフを叩く。

 通り雨がやむまで沈思黙考をした私は、5冊に絞り込んで書店に舞い戻った。

 入り口のドアを推した時、二人の少女があとにいた。後ろ手にドアを開けておいてありがとうと言われる善行を積んで、目的のコーナーへ。

 迷わず5冊。指折り数えて数の一致を確認。

 レジに向かうと、店員は花澤香菜みたいな細い色白美人ではないか。

 しかし幸運なことに、私の思春期は終わっていた。

 迷わずバーコード面を上向きにしてカウンターへ5冊の本を積み上げた。

「お買い上げありがとうございます!」

 言われた。清々しい表情で。

 その笑顔が、銭の種へ向ける営業スマイルか、エロマンガの在庫管理から解放される喜びからか、私は分からなかった。

 今からして思えば、成年コミックコーナーでほぼ全巻表紙を見ていた不審人物が万引き候補生ではなく、上客だった事への安堵かもしれない。

 満点になったポイントカードと、重いビニール袋を助手席に私はトライドロンのイグニッションボタンを押したのであった。

 霧島酒造の最寄りの書店だけあってなぜか焼酎の紙パックが入り口のコーナーに詰まれ、酒臭い書店での出来事じゃった。

 翌日会社の先輩に話したら、

「その人会社に転職して来なければいいですね。あ、エロマンガ先生! て呼ばれますよ」

 と言われたけど、まあ来んじゃろう。

 ちなみに博物館日本文化に触れた後だけあって、5冊の表紙のうち、2冊はヒロインが和服だった事を補足しておこう。

 向学心も欲も満たせる、パーフェクトサタデーだったぜ。

2015-02-08

2015年ライフハック中間報告〜意識低い系、あるいはアッパープアークラスの戦い

| 23:31

【1.三日坊主? この冬に坊主頭にしたらどうなると思ってるんだ?】

 一年の計は元旦にあり。

 そんな訳で、年末年始出勤で遅れた元旦を過ごしたわたくしは、実家の便利さからライフハックとして家事の軽減を考えた。

 その一、炊飯器の拡大。

 その二、食器洗い機の導入。

 第一の矢は通販クリックで早速果たされた。

 さて、第二の矢は放てるのか――。


【2.生活のための生活生活する】

 いきなりだが、食器洗い機の導入は難敵だった。

 何しろ我が家にはスペースがない。

 大量の書籍やCDやプラモを収めた棚が壁を占拠し、お蔭で食器洗い機を載せるステンレス天板の棚を置くスペースを作れないのだ。

 棚一つ分のスペース。それを等価交換すればいいわけだが、問題は中身だ。愛着もあるし、安からざるお金をつぎ込んだ物だ。なんとか納得いく方法で捌きたい。

 そんなわけでここしばらく帰宅後の自由時間は、キャリアアップのためのお勉強とか仕事の振り返りとか社会人としてやるべき事を全てスルーして、不用品を古本屋ハードオフに売却するための仕分けに明け暮れた。

 この作業のおかげで今まで閉まらなかった箪笥が閉まるようになったり値段が付かないだろうと思っていた古い恐竜博の目録や映画のパンフなどバーコードのない商品すら売る事が出来ると知ったのは大きな収穫だった。

 片付けついでに、アマゾンなどの通販で不用品になる段ボールを切ってカーテンレールの上に載せる覆いを作った。これは、カーテンで断熱されるはずの外の冷気がカーテンレールの隙間を通って室内に伝導する事を防ぐとともに、シフト勤務で遅い時間に起きればいい日に隙間の光の眩しさから無駄に早く目が覚める事を抑止する効果があるはずだ。

 こうして物を引っ掻き回している内に新しい事に気が付いた。

 棚一つ破棄しなくてもよくね?

 コロンブスの卵、いや身も蓋もない話しだ。が、今まで床置きしていた物を食器洗い機設置予定の棚の中に引っ越しさせられれば、フリーの床面積を変えずになんとかできるんじゃないかとどんぶり勘定か悪魔の誘惑が頭を掠めてきた。

 んじゃ、設置費用を見積もるか!

 頭の悪い発想に屋上屋を重ねたテンションで設置用の棚の値段を見ると目の玉が飛び出した。4-5万はするのだ。

 食器洗い機は借金しても買うべきだと思っていた。

 4-5万くらいは払える貯金はある。だが、現実にその金額を動かすとなると二の足を踏むもの。

 よく人の勇気を例えるのに、畳の上でする死ぬ覚悟と、いざ戦場でする覚悟の質は全く別物だという言葉がある。

 うむ、この言葉を考え出した昔の人は偉い。

 折しも、今年の大型支出の第一弾の帰郷は過ぎ去ったが、第二弾の出水ツル紀行が待っていた。

 この勝負、待った!

 実に弱くズルい発想だが、しかし食器洗い機を買いさえすれば故障するまで私の勝ちは約束されるので、問題をいったん棚上げした。もう置く棚ないのに、こういう時心の荷物ってどこにでも仕舞えるから便利だよね。


【3.クオリティ・オブ・ライフへの逃避と戦い】

 そんな意識低い系、あるいはアッパープアークラス特有の意志薄弱さで現実逃避を果たしたわたくしは、逃避先として新しい問題に取り組んだ。

 一つは、缶切りの購入。

 実家で食べたお汁粉のおいしさに、ふとストレスでプリンやケーキを買う生活に疑問を感じたのだ。

 お汁粉は餅も入っており、四国のある地域では雑煮の代わりに食卓のメインを飾る事もある。つまり、ストレススイーツを食べたい時にお汁粉をメイン食事にすれば不要な体脂肪を溜め込むこともなく、食費も圧縮、日本の伝統文化を一つ守れるという三兎追う策略を立てたのだ。

 延びる餅をかみしめ、小豆の甘みに脳内物質を喚起されたわたくしは、もう一つの問題に気付いた。

 お盆がない。

 この事はさして問題にならないように今まで頑張ってきた。

 食器洗いがそもそもめんどくさかったわたくしは、なるべく食器を使わない食事として鍋物とご飯という組み合わせを黄金コンビにしてきたのだ。

 ただ、去年の夏あたりから炒め物に嵌ると、ご飯とみそ汁と炒め物という最低3品が机に並ぶことになる。

 不器用者なので、一度に運べる品目は1-2品目。キッチンと机の移動が多いのはロスタイムだ。実家に比べて狭いアパートだが、たまに惣菜とかで食器やドレッシングをたくさん運ぶ時はストレスになっていたし、実家で家族4人の食器を片付けるのにはやっぱりお盆を使っていたではないか。

 これは……時短になるかもしれない。

 アマゾンで調べると意外と高く、2000円くらいするのだけど、大戸屋の定食みたいにお盆の上で食事が完結すれば出すのも片付けるのも楽だし、仮に汁物の滴をこぼしてもお盆だけ拭けばいいのだから汚れる範囲を狭められる。

 これはいい!


【4.人生という冒険は続く】

 そんな訳で、結局現状はこんな感じになる。

第一の矢:炊飯器の大型化 〇(古い炊飯器売却済み)

第二の矢:食器洗い機の導入 △(スペース作成中、関連機器の調査中)

第三の矢:カーテンレールの覆い 〇(作成完了、運用中)

第四の矢:缶切りの導入、スイーツと食事のクロスオーバー化(導入完了、運用中)

第五の矢:お盆の導入による食事関連時間の短縮化 △(仕掛かり中)

 意外と精力的に頑張ってるなあ。負けるもんか。

 意識低い系、アッパープアークラスのこれからをご期待あれ!

2015-01-16

N-BOX Slashは、意外性と付加価値で勝負か!?

| 17:40

今週のお題「今だから言えること」

【1.はじめに】

 N-BOX Slashも発売から1か月近く経ち、道々ホンダディーラーの近くを通りかかると特徴的なツートンカラークーペ風ボディが目に付くようになってきた。

 さて、発売前にN-BOX Slashについていくつか予想の日記を書いた。

2014年11月15日 N-BOX/(スラッシュ)の事前情報が!

2014年11月29日 N-BOX Slashティザーサイト公開!

2014年12月12日 N-BOX Slash発売間近! 軽ハイトールワゴンの境界って?

2014年12月13日 N-BOX Slashは『お買い得モデル』なのか?

 諸元も公開され、ある程度報道も出そろってきたので、答え合わせでもしてみようかと思いますです。

 これもまた『今だから言える事』って奴ですね!


【2.室内サイズやもろもろ】

 さて、早速室内サイズから。

 室内長/室内幅/室内高は、それぞれ2180/1335/1290ミリメートル。

 長さは在来のN-BOX通り。幅は通常のN-BOX(1350)、N-WGN(1355)よりも少し狭い。高さは在来のN-BOXと同様、全高から380mm短縮した1290mmのようだ。幅が狭くなっている理由はきちんとあるようなので後述する。

 在来の規格を当てはめて考えるような車種ではないだろうけれど、他社の軽トールワゴンよりも室内のサイズは大きいので、軽ハイトールワゴンのカテゴリに入らなくもないぎりぎりのアイデンティティを保てる作りになっている。ここらは予想がほぼ当たっていたようだ。

 予想が外れた部分というと、リアシートのスライド機能だ。

 シートのデザインや裁断面がN-WGNよりもN-BOXやN-ONEに近いためおそらくスライド機能はないと思っていたが、ウルトラシートだそうで、N-WGNでは省いたチップアップ機能(座面を跳ね上げて床面を広く使う機能)や、荷室と面一になるダイブダウン(背もたれを前に倒して荷室を広げる)機能まで保持している。

 相当な使い勝手があるし、N-BOXと同様に確保した前後幅を有効に活用できる素晴らしい機能だと思う。

 もう一つの予想として、防音のための装備が追加されるのではないかと書いた。

 ここに関してはデフォルトでの防音について公式ページに記載はないが、日経トレンディネットの記載によるとサウンドシステム搭載車には遮音材が追加され、デッドニングキット(ドアの共鳴を抑える装備)まで用意されているという。

激戦の軽市場にファッション性と音楽で勝負!? ホンダ「N-BOXスラッシュ」

【試乗】ホンダ N-BOXスラッシュ 試乗レポート/今井優杏

 日経トレンディネットをそのまま読むのならば、遮音材はデフォルトで付き、『用意されたデッドニングキット』が、オプションのピュアサウンドブースなのだろうか。

 ピュアサウンドブースの解説図を見ると、ドア内部に制振シート、吸音シートを設置するようなので、このスペースから室内幅を狭めているのだろう。

 試乗レポートで提供された個体デフォルト装備のままかピュアサウンドブースが装備されたのかは分からない。が、室内の広さを快適さのためと捉えるならば、乗り心地も快適さであり、品質をうまくシフトさせたと捉えるべきなのだろう。


【3.新装備、新技術!】

 予想的中でどやぁ、ばっかりだと面白くないし、わし本人もそんな奴のブログは読んでいて不愉快なので、きっちり予想外なところも書くぞ。

 まずはツートンカラーの改善。

 N-BOX+以来、そしてN-ONEでブレイクしたNシリーズのツートンカラーだけど、N-BOX Slashはきっちりと進化していた。

 N-ONEはリリース当初ツートンカラーの納車は7〜4か月くらいと言われていた。これはおそらくツートンの主体をルーフが黒い物にしていたため、工数が掛かっていたのだろう。

 発色の鮮やかな本体色の塗装をして、ルーフを残してマスキングしてルーフに黒の塗装をするのは、マスキング面積の多さから大変なものだと考えられる。

 だからこそ、変更や追加のあったカラーは基本的にルーフを銀色や白を主体にしている。これならば、色を塗られたルーフをマスキングして、隠ぺい力に劣る本体色を塗っても問題はないのだろう。価格面でもその工数の差は明らかで、N-ONEも、N-BOX Slashもルーフが白や銀のツートンは59400円高だが、黒いものは75000円高になっている。

 これは、軽のツートンで一日の長があるスズキも同様であり、例えば、ラパンスペーシアでもツートンは白いルーフが主体となっている。

 また、ルーフのガーニッシュ(銀色のラインですな)や一部を別パーツにする事で、作業工数を1/4にする事が出来たという。単純に計算はできないが、N-BOX Slashや今のN-ONEなら、ツートンカラーの納期はもっと早くなっているだろう。

N-BOXスラッシュは2トーンルーフを前提に設計されていた!

 視点を内部に移すと、装備が豪華である事に気付く。一番廉価なGパッケージでもプラズマクラスター内蔵式のエアコンが付き、Xパッケージ以上は在来のNシリーズならばSS(鈴鹿スペシャル)しか付かないようなシートヒーターが付き、ステアリングヒーターまで付くという。

 予想外に加えて新技術・新装備に関する事を書いたので、肝心のスピーカーの機能に触れたいところだ。が、ここに関しては音楽の成績が2だったので、わしは何も言えんとです。

 まあ、詳しい人を満足させそうな記事があったので、そちらをご参照ください。

【ホンダ N-BOXスラッシュ 発表】専用オーディオに日本の価値観が潜む


【4.付加価値とこれからと】

 いち消費者としてはいい物が安くなるに越したことはない。

 だが、安いものが当たり前になれば、社会人としての自分の仕事も法律違反のサービス残業偽装請負二重派遣により、買いたたかれる構図が見えてくる。物の価値に見合った値段を当たり前に設定できなければ、近代的な消費経済シュリンクしていく。 

 ニューモデルマガジン X2015年2月号によると、軽自動車コンパクトカーは利幅が少なく、コーティンングやメンテナンスのサービスなどでディーラーは利益を上げるゼロ円ケータイのような商売をしているのだという。

 軽自動車としては高いが、装備や機能は多くの物を持つN-BOX Slashは、それを必要だとか欲しいとか考えればお得である。スズキアルトマツダのSkyActiveのように純粋に車としての機能を高めるべきだという声も分かる。だが、ヘビーユーザー以外の声や、実用品としては今の性能で満足しているのでよりも嗜好品としての側面が欲しいユーザーが気持ちよくお金を払える一つの解を示している。

 ベストカー2015年1月26日のホンダ執行役員へのインタビューによると、N-BOX Slashで初代Nシリーズは完結し、次回はN-BOXのモデルチェンジだそうだ。

 その前の1月10日号の地獄耳コーナーだと、N-BOXの改良は'15年の2月ではないかとの事だが、それがこのモデルチェンジなのだろうか。

 これからもNシリーズがワクワクさせてくれることを願って筆を置きたい。