第49回つけたし

  • かつてこんなにドラマの最終回を楽しみに、同時に戦々恐々と待ったことがあったでしょうか。前者の理由は言わずもがなとして、後者はまあ大きな声じゃ言えないが喀血で花びらキラキラ〜とか、日本刀で弾丸カキーンとか、そういったことでな。
  • で、結論は一応、台無しにはならなくてよかったなーと。失礼極まりない物言いだが一年見続けた者の声ということで大目に見ていただきたい。それと実は今回、それ系の演出でかなりぐっと来たところが二つあった。
  • 一つは処刑の朝、暗い部屋で静かに座す近藤と、眩しい朝日の中で勢いよく打たれる杭の対比。この人は生者の世界からこんな眩しく明るい力で切り離されていくんだな、と怖くなった。もう一つは最後の最後、「とし」と呟く前に一瞬翻った誠の旗。その鮮やかさ。あの色がどうももう、この世の者が見る色ではなかったあね。(←微妙に中也風)
  • 刑場での場面といえば、川を眺め、そして空を見上げる近藤。あのとき、眉がみるみる開いていって「局長」から「かっちゃん」に戻った。死を覚悟してからもうだいぶ穏やかな顔になった気がしていたけれど、それでも実はまだいろいろ背負ってたんだ。最後にとうとう全部落ちた。
  • …で、残ったものは静かな悟りなんかではなくて「なんだかわかんないけど、なんかしよう!」という熱っぽさだったか。ばかめ。もう、どうしてくれよう。
  • 話は飛ぶが、大村達尾のエピソードが回収されたことにびっくり。彼がすっかり渡世人の振舞いになっていたことにまたびっくり(話的にも役者的にも。演技うまかったんだなあの人)。そして彼の頭がざんぎりになっていたことに、この大河には珍しいほどの(失礼)「時代の流れ」を感じた。ざんぎりに着流しの渡世人ってさ、もうすっかり「ガス灯」とか「乗合馬車」とかに馴染む姿じゃないか。もう、明治がそこまで来ているんだ。
  • 相変わらずとりとめもなく、気の利いた〆の気配もない我が感想。え?だって〆ったって、今回の最後見なかったの? 10話のラストだったでしょ? だからさー、来週はNHK、11話やるんだよ('▽')そんで再来週は……ごめんなさい、現実を直視します。まあしばらくは落穂拾いが続いたりすると思います。