民家の見方、調べ方

 先週、所用で九州1300キロの旅を、25年前の車で走ってきたが、古い車を乗り続けていくほうが、「地球にやさしい」はずなのに、13年経ったら、税金が高くなるなんて、この日本はやっぱりおかしいな、と思う今日この頃です。
 さて、用事の本題とは別にせっかく行くんだからと、行く前に九州の重文民家の下調べをした甲斐あって、いくつかの建物も見ることができた。古い建物を見るというのは、先人のお知恵を拝借する行為であって、「ほほう、昔の人はスゴいねえ」「昔の家って粗末ねえ」などと観光客的な視点ではなく、また隅々まで調べ上げる学者的な見方ではなくて、「未発達な道具に寄って粗末で簡素に作られた」住宅から、現代の住宅に転用できる素晴らしいお知恵を敬意を払って頂戴する行為なのである。18世紀、19世紀、20世紀、21世紀、それぞれの建物を見たが、それぞれに素敵で、魅力あるものだった。またいつかの仕事で使わせて頂こうと思うものもあり、無理して車を走らせた甲斐がありました。