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2009-07-30

同人ゲームの入口から出口まで

| 同人ゲームの入口から出口までを含むブックマーク 同人ゲームの入口から出口までのブックマークコメント

 id:o_megaさんのところから、以下のまとめサイトと資料を一応一通り眺めた。

http://d.hatena.ne.jp/ccsws2k/20090712/1247401768

http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=76

 内容としては示唆に富んでおり、面白かったので今後のゲーム制作、およびその関連の活動のために、目的と問題、提示された対策について、入口、過程、出口に分けて整理してみることにした。


入口

 目的としては、より多くの人がゲーム制作者になって欲しいと言うところだろう。この辺は同士を求めるという意味で、同人の方が商業よりも強い側面があると思う。


 現状はどの程度制作にタッチしているのかというと、資料としてアンケート結果があげられていたが、より詳しい情報があるので以下の記事も参考にした。

http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000024072009


 記事によると、ゲームの制作経験者については、他のコンテンツと比べて以下の特徴がある。

  • 小説や漫画には及ばないが、映像コンテンツくらいには制作経験者が居る
  • 現在も定期的に制作している人の割合は他のコンテンツより低い
  • 他のコンテンツより同人活動をするプロが多い

 制作経験者の意外な多さより、現在も制作中の人の割合が低いのは気になる。なぜやめてしまったのかという点を知りたいところだが、他のコンテンツよりプロが多いということから考えても、記事中にある、小山氏の「創作のための技術の習得が必要であること、機材や装置が比較的高価であることなどが理由ではないか」という見解は一因を示しているだろう。


 上記よりわかる問題は、今後定期的に制作するゲーム制作者がさらに減っていくのではないかということだ。裾野が広いほど、市場が大きくなり、良いものも出回りやすくなるというのは大抵の場合、当てはまる。その逆も。

 10代20代の人口減、ゲーム以外のコンテンツのさらなる発展を考えると、放って置いて良い方向に進むとは思えない。


 記事では、人材育成の環境整備を重要視しているが、より多くの人にゲーム制作に着手してもらうため、他のコンテンツ制作者が容易に入ってこれる間口も必要なのではないか。

 他のコンテンツのことを考慮すると、ゲームしか作らないという人を増やすよりも、ゲームにも手を出したい、という人を増やす方が無理がないし、ゲームを制作しなくなった人々が他のコンテンツを制作している可能性もあり、戻ってもらうためには、純粋なゲーム制作者向けの環境だけでは不足に思える。


 で、プレゼンを見ると、画像から制作というのは割と良いアピールだと思う。

 もう少し、画像からどう動かしていくか、という点について具体的なツールを交えた話があると、これもゲームにできるかも、と思う人が着手してくれる可能性も生じるだろう。


 テストプレイヤーに関しては、入口としてはあまり関連が無さそうに見えるが、実は結構重要なのではないかと感じた。

 誰かに楽しんでもらうというのは制作の動機になりやすい。テストプレイヤーが技術者であれば、技術的な見解ももらうことができる。


 しかし、ゲームはプレイするまでがどうしても敷居が高い。

 したがってテストプレイヤーの確保が容易になるような仕組みは入口を広げる意味でも有益に違いない。

 具体的には、東京ゲームショウにあったような試遊会や、即時性の高いFlashゲームサイトなどだろう。

 携帯電話向けゲームも今後、さらに遊んでもらいやすくなっていくと思うが、フィードバックをもらいやすくなるかは微妙なところだ。


過程

 ゲーム制作を始めた人が当面目指すのは、「誰にとって」は個別としても、面白いものを作ることだろう。

 この点も、同人の方が商業より強いことが多い。比較的売れ線を追わなくていいからだ。


 しかし、制作の過程に置いては協力関係の問題や、技術的な問題が多々生じるために、例え金銭的、時間的余裕があっても完成まで至らない、ということは未だよく耳にする。

 なので、面白いが、しかし作りきれない、といったケースの方が多いと見なして、面白さの追求よりは、完成までの道筋の方をより支援すべきではないか。


 この点について、プログラマーが開発を主導するというプレゼンで挙げられていた主張は経験的にも同意だけど、でもプログラマーに協力してもらえるケースはそんなに多くないだろうし、主導してもらうなら尚更だ。


 テストプレイヤーに関しては面白さの追求には有効に作用すると思う。

 テストプレイヤーがプログラマーの場合、完成を助けることにもなるが、未完成に終わりそうな場合はテストプレイヤーに使うくらいなら初めから参加してもらう方がいい。


 いずれにしても、制作過程については、プログラマーの参加を促すのが一番手っとり早い。各種の交流サイトはこのあたりを支えていることになるか。

 ディスカッションで話があったようだけど、ツクール系も悪くない。プログラミングよりは遥かに着手しやすい。


 プログラミング技術のレクチャーも含めたイベントもおそらく有効だが、ある程度習熟するまでやらないとあまり効果は期待できない。プログラマーの技術向上についてはプログラマー同士で交流すれば済む話で、既によく行われているから、それほど意識する必要は無いと思う。


出口

 ゲームを作った後は、たくさんの人に遊んで欲しいし、高い評価を受け、可能ならお金も欲しい。


 とはいえ、ゲームはプレイしてもらうまで敷居の高い娯楽だ。ブラウザ上で遊べるものでなければ、ゲーム本体をダウンロード・インストールして起動してようやく遊べる。

 時には、プラットフォームのダウンロード・インストールが必要になったり、実行環境が必要水準に満たなかったり、よけいな手間を食ったあげく遊べないというリスクもある。有償の場合は大抵、単価も高い。


 また、先に挙げたアンケートの記事で、『一方、アマチュアの制作者についても、ゲームはマンガや小説と比べ、「他の人に見せたい」という欲求が強いという特徴がある。』ということから、『プロの制作者をめざそうとする潜在層の厚さ』という解釈をしているが、遊んでもらうための敷居が高いから、意識せざるを得ないとも受け取れる。


 遊んでもらう、という点についてはFlashゲームが敷居を下げており、元々ネット接続環境が前提なので、評価もしてもらいやすく、比較的人気を博しやすいが、反面、収益についてはそうでもない。


 収益性については、完全に趣味の世界で時間をかけて制作する場合はほとんど関係ないが、面白さと完成度のために、外部の人に協力を求める際には重要だ。


 即売会はじっくり遊ぶ作品ならわかりにくいし、すぐ遊べる作品は試遊の段階で終わってしまうという点で、ゲームには非常に不利だ。パネリストからの市場規模が小さいというコメントも見受けられた通り、あまり有力とは言えない。


 コンテスト開催は一定の効果は見込めると思うが、大抵の場合、上位以外は何の評価もしてもらえないし、特定の開発環境などの技術的制約を受けやすい。

 どちらかというと、上澄みだけをすくう方式で、市場規模が小さい現状には向かない。


 今回はデザインとメイキングがテーマだったので、プレゼンにはあまり配布に関する話しが無いが、ディスカッションのQ&Aで本業にするには市場規模が小さいのが不安という回答が見受けられた。ある程度有名になっても、配布数は安定しないようだ。


 また、テストプレイヤーについては即売会で配布してフィードバックをもらう話が出ているけど、実体験として10%どころか1%ももらったことないなあ。面白いから反応も多くなるということだろう。出口の話にはしづらい。


 とりあえず、地域ごとに試遊会を開いて、面白さや完成度に厳しい基準を設けずに参加を募ることで、わかりやすい出口を用意することが対策としては有効なはずだ。


結び

 制作過程の話は有益なものばかりだったのだけど、あえてこんな形にまとめてみた。

 問題は多々あるが、何だかんだとゲーム制作者には優秀な人が多いので、面白いゲームが供給され続けることだろう。自分もあわよくばその列に加わりたいところだ。