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2000-05-03

『詩集 にんげんをかえせ』峠三吉/増岡敏和編


 借りた金を返さなかった場合に失うものは何だろう? 信用・立場・友情・面子(めんつ)などなど。先方は貸した金額を失う。金額の多寡にもよるだろうが、こういうのは食い物の恨みに似てスッキリしないところに特徴がある。


 景気が悪くって踏んだり蹴ったりってえ時に、アメリカは景気好くイラクで爆弾を落っことしていやがる。指示を出しているロボットみたいな将校や、実際に爆撃している連中は、「人間を殺そうとしている」ことに自覚があるのか無いのか?


 ちょいと、戦争によって失われるものをお考え頂きたい――


 ちちをかえせ ははをかえせ

 としよりをかえせ

 こどもをかえせ


 わたしをかえせ わたしにつながる

 にんげんをかえせ


 にんげんの にんげんのよのあるかぎり

 くずれぬへいわを

 へいわをかえせ


 峠三吉が謳い上げた『原爆詩集』の序より。(※初出は、新日本文学会広島支部われらの詩の会、1951年9月)

 直接、被爆した恐怖が怒りに転じられ、人と人とが殺し合うことを断じて拒絶する言葉だ。


「わたしにつながる にんげん」の中には、戦争を支持し、遂行する全ての人までもが含まれることだろう。


詩集 にんげんをかえせ

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