いつの時代にあってもジェネレーション・ギャップは存在した。古代エジプトで造られたピラミッド内の壁にも、「最近の若い者は――」とため息交じりの嘆き節が刻印されているそうだ。私の世代がうら若き頃、巷間では、「5年違えば異邦人、10年違えば宇宙人」などとまことしやかに囁かれたものだ。世代間の価値観の違いは、時に亀裂を生み、断絶へと発展することも珍しくはない。だが、こんな楽しいやりとりもある――
「非売品」 鹿田知暉(ともき)/長野県上山田町・上山田小2年
(そんなにゲームばっかり
やってる子はどこかに
売ってしまうぞ)
何言ってんだばあちゃん
おれはこの家の大事な
非売品だぜ
【読売新聞 2002-11-16付 「こどもの詩」より】
「まあ、こまっしゃくれたガキだこと」と思う前に、飛び出す笑い声を抑えることができない。ゲーム脳を補って余りあるユーモアの精神と、すばしっこいボキャブラリーの応酬によって、お孫さんに軍配が上がった(笑)。舌打ちしながらも微笑を禁じ得ないおばあちゃんの顔が目に浮かぶ。