古本屋の覚え書き このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2006-05-30

各位


「各位」が敬称だとは知らなかった。言葉ってえのあ、奥が深いもんだねえ(笑)。するってえと、「各位殿」「各位様」は、いずれも誤りということだ。

2006-05-27

お巡りさん


 パソコンの辞書は差別用語が変換できないよう、設定されている。変換できない事実から、差別用語だと知ることも多い。


 しかし、だ。まだまだ、日本語は奥が深く、辞書ソフトもまだまだ甘いよ(ニヤリ)。例えば、「未亡人」。ほら、変換できた(笑)。これは、女性にしか使用しないので明らかな差別用語の一つだ。大体、「夫と共に死ぬべきなのに、まだ死なない人」って意味なんだから、失礼しちゃうよね。


 反対の意味に置き換える言葉がないものは、全て差別用語と認定される。テレビに登場する人々は大体、常識がないと相場は決まってるが、いまだに直らないものに、「外人」という言葉がある。「内人」という表現がないので、これもアウト。「外国人」というのが正しい。


 まあ、そんなこんなで、「看護婦」という言葉も殺されてしまったわけだ。差別用語の大半は、女性蔑視の風潮から生まれたもの。


目撃された人々 18」を書いていて、初めて知ったんだが、「お巡(まわ)りさん」は「さん」を付けないと変換できない。するってえと、「お巡り」は差別用語なのかね?

2006-05-25

「絆」の形容


 突然、「絆」の形容の仕方に戸惑った。で、念の為、調べてみた。


き‐ずな〔‐づな〕【×絆・×紲】

 1.人と人との断つことのできないつながり。離れがたい結びつき。「夫婦の―」

 2.馬などの動物をつないでおく綱。

大辞泉


 絆とは、断つことのできない人と人との結びつき。ほだし。「紲」とも書く。


絆の語源・由来

 絆は犬や馬などの動物を繋ぎとめておく綱のことをいい、平安中期の辞書『和名抄』にもその意味で使用例が見られる。

 絆は離れないよう繋ぎとめる綱の意味から、家族や友人など人と人を離れがたくしている結びつきを言うようになった。

 絆の語源は諸説あり、「頸綱(くびつな)」「騎綱(きづな)」「繋綱(つなぎつな)」の意味、「引綱(ひきつな)」の上略など、いずれも動物を繋ぎとめる綱という点で共通している。

語源由来辞典


 するってえと、「固い絆」「強い絆」はオッケーだが、「深い絆」ってのは、おかしくないか? 気になりだすと、止まらなくなってくるよ(笑)。「美しい絆」もピンと来なくなるね。


 どなたか、ご存じの方がいらっしゃいましたら、fuitsuアットマーク104.netまで、ご連絡下され。

2006-05-23

『お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい』向野幾世


 ごめんなさいね おかあさん

 ごめんなさいね おかあさん

 ぼくが生まれて ごめんなさい

 ぼくを背負う かあさんの

 細いうなじに ぼくはいう

 ぼくさえ 生まれなかったら

 かあさんの しらがもなかったろうね

 大きくなった このぼくを

 背負って歩く 悲しさも

「かたわな子だね」とふりかえる

 つめたい視線に 泣くことも

 ぼくさえ 生まれなかったら


 ありがとう おかあさん

 ありがとう おかあさん

 おかあさんが いるかぎり

 ぼくは生きていくのです

 脳性マヒを 生きていく

 やさしさこそが 大切で

 悲しさこそが 美しい

 そんな 人の生き方を

 教えてくれた おかあさん

 おかあさん

 あなたがそこに いるかぎり


(※詩の中に不適切ととられかねない用語がありますが、障害児本人の作品であり、原文を尊重しました)


 身体も言葉も不自由な少年が紡ぎ出した一片の詩。その言葉の重みに私は耐えられない。


お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい

2006-05-22

目撃された人々 18


 もう数ヶ月前のことだ。私は自転車にまたがって、赤信号を睨(にら)んでいた。交通安全週間のようで、交差点内で警官が笛をピーピー鳴らしていた。ぐるりと目をやると、私の真後ろに派出所があった。


 自動車の右折信号が表示された。先頭車両がゆっくりと動き出したその時である。対向車線からセミの鳴き声みたいなエンジン音が鳴り響いた。信号が変わってから既に3秒は経過していた。初老の男性が運転する車が交差点で凍りついた。ヤンキー少年が跨(またが)るミニバイクが車に突っ込んだ。ブレーキ音は聞こえなかった。初老の夫妻は呆気にとられていた。ヤンキーは、もんどりうって道路に投げ出された。が、彼は直後に早歩きで、私のいる歩道に向かった。きっと、痛みよりも羞恥心の方が大きかったのだろう。警官が「大丈夫か?」と声をかけると、少年は「痛ったたた……」と腰の辺りを押さえていた。


 彼はスピードという自由を手に入れて、ハンドル操作の自由を失った。自由には責任という名のリスクがあることを学べただろうか? それとも、更なる自由を求めて、“死”に向かってスロットルを握り直すのだろうか? 少年には自由な選択肢が二つの用意されている。二つでも多過ぎるぐらいだ。あの程度の事故であれば、自業自得の3割引程度だ。


 交差点の端に携帯電話が落ちていた。「お巡りさん、電話を拾ってやんなよ」と私が声をかけると、緊張感あふれる態度でサッと拾い上げた。相変わらず車の中では、初老の夫妻が呆然としていた。私はゆっくりとペダルを踏みしめた。

2006-05-20

大垂水峠を制覇


 甲州街道を山梨方向へ進み、高尾山口を越えてゆくと大垂水(おおたるみ)峠がある。東京都と神奈川県の県境だ。つづら折れの坂道を上り切れば、後は下り道。体力の衰えが目立つ中年にとっては、まさしく天国と地獄(笑)。


 相模湖町の千木良で左折し、国道412号に出た。ここで雨が降ってきた。しばし雨宿り。


 小雨の中を走ると、タイヤが跳ね上げる泥水が顔に当たって困った。私の自転車は泥除けが付いてないのだ。こっちはヘトヘトになっていたが、草木は生き生きと雨の恩恵にひたっていた。自宅まで、あと少しというところで空が晴れ渡る。濡れたアスファルトが空を映して青く鈍い色を放っていた。


 私の体力だと、打ってつけのコースだ。次は相模湖まで足を伸ばしてみたい。

2006-05-07

「Catch The Wave」Def Tech


 Def Techよ、やってくれたな! とハマりまくってる最中(笑)。こりゃあ名曲だ。映画『キャッチ ア ウェーブ』の主題歌。


 もうねプロモーションビデオを100回以上見たよ(笑)。普通はさ、一曲ヒットが出た後は、アップテンポのナンバーで目立とうとするもんなのよ。ところがどっこい、前作よりも抑制された曲で勝負に打って出た。彼等の音楽に対する真摯さと、自信が窺える。


 出だしのウクレレでノックアウト。中年は哀愁の旋律に弱いんだ。スパニッシュギター風でありながらも、微妙に中島美嘉の「雪の華」にも似ている。シャープ気味に弦が弾かれた瞬間、わたしゃ卒倒しそうになったね。


「My Way」にも書いた通り、彼等のリズムは波の音が基調なっているので、中高年の耳に優しい。この曲はところどころにシャープ気味(半音高い)の音が出てくるが、それがタイトルと見事にマッチしている。「波をつかまえろ、チャンスの女神には前髪しかないぜ」って感じ。「♪小鳥とアコギ」の後の半拍置いたウクレレの音は、たまらないね。途切れそうになった若者の心が、再びつながる様まで描いてみせる。


 言葉のもつリズム感が非常に強調されていて、「Catch The Wave」「合致して」などと韻を踏まれると、「悩んで」が「night and day」に聞こえ、「寝ても覚めても悩んでいる」という意味合いに受け止めてしまう。


 Catch The Wave

 感じて

 その手を合わせて

 合致して

 負けないで

 みんなだって悩んで


 何てこたあない言葉なんだが、私が感じるのは――


 波をつかまえろ

 自然の摂理に生かされていることを感じろ

 感謝の心をもって大宇宙のリズムと一体化せよ

 欲望に負けるな

 悩み苦しむのが人生だ

 誰もが同じだ

 だからこそ、もがきながら波と一体になれ


 という深遠な哲学性である。それを20代の言葉に翻訳したところに彼等の魅力がある。「波をつかまえる」のに、立場や年齢は関係ない。大自然と対峙した時、人間は丸裸にされる。有名や財産も通用しない。時に悩み、社会の荒波に揉まれ、挫折を繰り返しながらも、一人の人間として誠実に生きてゆこう。そんな呼びかけが、彼等の歌詞の基調になっている。


「so let's paddle away」からのコーラス部分が白眉。往年のビージーズやアース・ウィンド&ファイアーを思わせるほど。もう、世界で通用する域に達したといっていいだろう。

 アルバムを試聴すると、CMにも起用された「Get Real」などのヘビーファンクや、囁くように歌う「ありがとうの詩」(フジ系列「めざましテレビ」のテーマ曲)もあって、実に幅広い曲作りにチャレンジしている。しかも、そのいずれもが極めて完成度の高いものだ。


 そろそろ、SMAPあたりからもオファーが来るんじゃないか?


 その独創性と確かな音楽性は、サザンオールスターズMr.Childrenの後に連なるポジションを獲得すること間違いなし。

Catch The Wave

2006-05-05

「My Way」Def Tech


 昨年の音楽シーンを席巻したボーカル・ユニット。2005年1月22日にインディーズからアルバムデビューを果たし、6月29日にはミニ・アルバム『Lokahi Lani』を発表。あれよあれよという間に、2枚のアルバムが270万枚のセールスを記録した(デビュー・アルバムがミリオンセラーになったのはインディーズで初めてのこと)。


 インディーズ(メジャーの反意語)とは広告がないことを意味する。ファースト・アルバム発売後のオリコンチャート入りは253位。その後、3月20日に1位まで登りつめた。FMでオンエアされ、じわりじわりと人気に火がつき、ヨコハマタイヤのテレビCMに起用され、一気にブレイク。


 Def Tech(デフテック)は、中国生まれでハワイ育ちのShen(シェン)と、東京生まれのMicro(マイクロ)のコンビ。彼等は自分達の音楽を「ジャワイアン・レゲエ」と称している。ジャパン+ハワイ+ジャマイカってこと。Charの倅(せがれ/Jesse)が二人を引き合わせたらしい。名付け親でもあり、「Def Tech」とは、“テクニックをひけらかさない”と、「Def=超カッコイイ」とのスラングを掛け合わせたネーミング。


 私はヨコハマタイヤのCMでこの曲は耳にしていたが、気にも留めなかった。しかし、紅白歌合戦を見て、異様に惹きつけられてしまった。録画した映像を軽く100回以上は見た(笑)。


 ここ数年、視聴率が落ち込む紅白歌合戦に何とかテコ入れをしようと、みのもんたを司会に抜擢。更に周到な戦略を立て、初出場のDef Techを後半の23時台に持ってゆき、視聴者を最後まで引っ張る作戦に打って出た。若者の絶大なる支持はNHKをも動かす(笑)。


 それにしても、「My Way」である。さほど好きな曲ではないんだ(笑)。そもそも、個人的に日本のヒップホップが、わたしゃ大嫌いなの。黒人の振り付けの物真似をする日本人を見ていると、何だか植民地にさせられているような気になるからだ。


 Def Techを見て、まず感じるのは「何か異質なもの」。そもそも、日本人と白人の組み合わせが異質だ。しかも、日本人のMicroの方がダンステクニックが上。Shenは長身でありながら、首の長さと猫背が致命的。歌は二人とも上手い。Shenは日本人には出せない、しなやかさと伸びのある声。一方、Microは、抑制した分、ワビサビを感じさせる珍しい響きがある。デュオの場合、極端に違うタイプの組み合わせが多いが、彼等の声は妙にマッチしている。


 次に、軽さも見逃すわけにいかない。風を思わせるフワリとした軽さだ。それでいて、歌詞はメッセージ性が強い。これは、ハワイの海(Shen)と、サーフィン(Micro)の影響だろう。平和を志向する主張も、母なる海から生まれたものに違いない。


 紅白で見せた彼等のパフォーマンスは完璧なものだ。プロモーション・ビデオと比較すると一目瞭然だ。そして、ここで初めて気づくのは、“曲の強さ”である。PVは、バックにアコースティックギター一本しかない。紅白だって、リズムボックスが増えている程度。普通だったらこの手の音楽は、ベースやドラムなど、強烈なビートを利かせて誤魔化すもんだ(笑)。声だけで勝負するとは見上げた根性だ。


 それにしても、Microはダンスが巧い。もうね、目が離せないって感じになるね。紅白の舞台では、金扇を手に士気を鼓舞してみせた。私は何度も繰り返し見ている内に、彼の類い稀な運動神経に気づいた。金扇を後ろに放る際、フリスビーを投げるのと全く逆の動きをしているのだ。これは、やろうったって、できるもんじゃないよ。球技の得意な私でも無理だね。

Def Tech