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2007-09-24

『香月泰男のおもちゃ箱』香月泰男、谷川俊太郎


 画家・香月泰男〈かづき・やすお〉が“余技”で作ったブリキ作品の数々。ところどころに谷川俊太郎の詩が添えられていて、何とも優しい心地になってくる。


 これは傑作である。どこにでも転がっている材料で、誰にも真似のできない世界をつくり上げてみせた。ブリキや木の単純なラインが、信じ難い豊かさを表している。


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 どのページを開いても楽しい。多分、香月氏本人が楽しみながら作ったのだろう。人も動物も躍動している。


 婦美子夫人の手記によれば、最初に作ったのは十字架に磔(はりつけ)となったキリスト像だった。84ページには、「ピエタ像」とおぼしき作品がある。ブリキの放つ光は、高価な純銀にも劣らぬものだ。


 最後に、谷川俊太郎の名調子を紹介しておこう――


 象は自分が大きすぎるとは

 思っていない

 ペンギンは自分が飛べないのを

 嘆かない


 ヒトだけだ

 不平に不満に不安に不幸

 自分を不の字で飾りたてるのは


 だが生きとし生けるものの

 それぞれの姿が

 それぞれに美しいと

 知っている人は


 畏れとともに

 喜びとともに

 神のわざを

 真似る


 香月泰男という“神”が創り出した世界は、実に楽しく、愉快だ。石井美千子以来の衝撃を受けた。

香月泰男のおもちゃ箱

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