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2008-05-02

ガソリン税の一般財源化は、「道路利権」という思考停止が支えている


 現在、道路特定財源として徴収している税率分を一般財源化すると福田首相は明言した。新聞各紙はこぞって賛成している。

 政治家とメディアは「道路族から利権を取り上げる」ことに重きを置いて、国民生活を無視している格好だ。


 既に、ガソリン税の一部は一般財源化されている。「道路整備をするために、カーユーザーが負担している税金」が他のことに使われているのだ。これは、「参考書を買うからお金をちょうだい」と言った子供が、そのお金でゲームソフトを買っているようなものだろう。しかしながら、誰も問題にしていない。


 それにも増しておかしいのは、マスコミから自民党議員までが当たり前のように言うところの「道路族利権」という言葉である。利権構造がどうなっているのか、はたまたどこからどこへいくらの金が動いているのかなど、全く調べるつもりがないようだ。


 その道路族のボスが自民党の古賀誠氏(自民党選対委員長)。現政権は郵政解散によってできたものだが、古賀氏は「土壇場の衆議院本会議採決では採決直前に退席し、棄権」した。今頃でかい顔をしているのが不思議でならない。小沢一郎氏同様、爬虫類タイプの顔つきは信用できない。


 道路族の頭目、古賀誠はおそらく財界のドンでさえ震え上がらせる力を持っているのだろう。今井敬は古賀の凄まじい圧力に耐えかね、「自民党の人たちの勢いを見たら、とても止められない。彼らはどんなことがあっても道路をつくりたいのです」と委員会のメンバーにこぼしたという。

クレイジーパパ


「誠大橋」に続き「誠ロード」が29日開通


 古賀誠の地元・福岡で、29日、国交省所管の地域高規格道路「有明海沿岸道路」(総延長55キロ)が部分開通した。福岡県大川市大牟田市を結び、古賀の選挙区のど真ん中を貫く自動車専用道路だ。総事業費は2380億円。案の定、古賀の利権にまみれていて、地元では“誠ロード”と呼ばれている。

 01年以降の3000万円以上の入札結果を情報公開請求したところ、この道路工事の受注額は計425億円。そのうち、着工前年の99年以降に古賀に献金した業者の受注額は185億円、全体の44%も占めていた。しかも、献金業者の落札率が平均96%と異常に高いのである。

 古賀の利権道路はまだある。通称“誠橋”こと「朧大橋」。民主党菅代表代行に「ムダの象徴」とされた橋だが、最も金額が大きい27億円の工事の落札率は99.86%だ。

 古賀の威光といわれる福岡県所管の道路建設は14カ所、トータルの事業費は3312億円に上る。道路特定財源は50〜55%つぎ込まれているが、やはり、これらの道路を受注した業者のうち、古賀に献金している業者は49社、9000万円に達していた。

 百歩譲って、地元の役に立っているならともかく、この“誠ロード”は悪評フンプンだ。ある地元住民がこう嘆く。

「地元の人は自動車専用道路なんて使いませんよ。下道を走っても、それほど時間は変わらんけんね。むしろ町に下りてくる人が減って、商店街がさびれるかもしれないと、みんな心配しているくらいですよ」

 それでも、誠ロードは2023年まで工事が続く。自民党の道路族が福田提案を歯牙にもかけないのも当然だ。

日刊ゲンダイ 2008-04-01】

『セブン-イレブンおでん部会 ヒット商品開発の裏側』吉岡秀子


 セブン-イレブンの礼賛本。褒めるからにはそれなりの理由がある。


 1974年、江東区の豊洲に第1号店をオープン。6年後の1980年に1000店舗を達成し、2003年には遂に1万店舗を突破したというのだから凄い。破竹の快進撃だ。


 小売業で業績がいい会社は、必ず緻密なマーケティングを行っている。貪欲(どんよく)なまでに消費者と向き合う。そしてマーケティングの成否が売り上げにそのまま現れる。


 今では当たり前のように売られているが、当初、おにぎりがヒットするとは誰も予想してなかった。では、どのような商品開発が行われていたのか。いい素材を使用するのは当然だが、名人に握ってもらったおにぎりの空気含有量、握る圧力まで調べた。手づくり感にこだわった製造機は、ご飯をクルクルと回して丸く整形し、直系1センチほどの棒で穴をあけて、そこに従業員が具を挿入する。手づくりと何ら変わりがない。この機械を開発したことで、初めて年間10億個を超える販売数を記録した。


 雑誌を読むような気楽さですいすい読める。取り上げられた商品は、おにぎり、メロンパン、調理めん、おでん、サンドイッチ、カップめん、アイスクリーム、お菓子&デザートの8品目。


 1998年に鈴木敏文会長が近所のセブン-イレブンで冷やし中華を買って食べた。役員試食会で味見はしているものの、おいしくない。


「今すぐやめろ!」


 販売中止が商品本部へ伝えられ、店頭から冷やし中華が消えた。その後、鈴木会長から11回のダメ出しを食らって、やっとの思いで新製品が完成した。現在では、スープの味も春は甘め、夏はさっぱり、秋はコクを深くして変化をつけている。


 そして白眉はタイトルにもなっている「おでん部会」だ。それぞれの具によって部会が存在するのだ。大根部会、豆腐部会、つゆ部会などなど。全国からベンダー(販売業者)や専門メーカーが毎週、ミーティングを行って、デビューさせる具を決定する。その上、2006年からは全国を6エリアに分けて、異なるつゆが使われている。確かにセブン-イレブンのおでんは美味しい。


 商品開発のためには高額の機械をつくり、工場まで建ててしまう。今では全体の6割が自社製品だという。そして、何と言っても見逃すことができないのは、同一地域に一気に店舗展開する「ドミナント出店戦略」だ(驚くべきことに青森・秋田・富山・石川・福井・鳥取・島根・香川・愛媛・徳島・高知・鹿児島・沖縄にはまだ出店してない)。これは配送時間を短縮して、食品の鮮度を保つのが目的で、工場からセブン-イレブンには1時間で届いている。


 最後に鈴木会長の痺れる言葉を――


(※競合店の視察は)しません。見る必要がないからです。もう30年以上、社員に言い続けていることですが、競合店がどうかなんてことはまったく関係ない。ぼくらが見なきゃいけないのはお客様です。お客様の立場に立って考える。そしてコンビニとは何かを正しく理解し、基本を押さえていかなくては、いい商品開発はできません。


セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側 (朝日新書 34) (朝日新書 34)