古本屋の覚え書き このページをアンテナに追加 RSSフィード


WWW を検索 古本屋の覚え書きを検索

2008-05-16

帰還兵の80%心にダメージ/元米大佐・外交官アン・ライトさん


「イラクやアフガニスタンからの帰還米兵の80%が精神的ダメージを受け、正常に判断できる状態ではない」。元米陸軍大佐・元外交官のアン・ライトさん(61)が11日、沖縄市のくすぬち平和文化館で講演し、米国帰還兵局の統計データなどを報告。「軍がカウンセリングしなければ、何をするか分からない兵士を放置することになる」と警告した。

 ライトさんは陸軍に29年間、外交官として16年間勤務。2003年に、ブッシュ政権のイラク戦争に反対して外交官を辞任し、平和を目指す活動を続けている。今回は九条世界会議の招きで来日、大阪や北海道、新潟などを回り沖縄入りした。

 講演では米国防総省の発表などから、「米軍内では女性兵士の3人に1人がレイプされている。イラクやバーレーンなどで39人の女性兵士が戦闘によらない死に方をし、15人は死因に疑惑があるが、5人は自殺と発表された。うち2人の両親は虐待されて死んだとして、3週間前に国会に申し立てた」とした。

 米兵の海外駐留中の性犯罪は、米国内の性犯罪者リストに乗らないと指摘。1995年、2000年に県内で暴行事件を起こした加害者がそれぞれ、米国内でも犯罪を起こしたとし、「日本の皆さんが米国領事館に、性犯罪者リストに載せるよう要求しほしい」と訴えた。

 参加者からの質問に答え「レイプは増えてきている。メディアや勇気ある発言で数は明らかになってきたが、米政府は積極的に公表したり警告はしていない。軍隊に女性を勧誘するならはっきり危ないと示すべきだ」などと訴えた。

 ライトさんは、13日午後6時から名護市労働福祉会館でも講演する。


沖縄タイムス 2008-05-12夕刊】

高村薫


 今、ミステリーも純文学も含め、すべての作家が直面している最大の問題は、私たちが共有している言葉の数の減少だ。ある時期まで、小説にひとつの言葉を書けば、大方の日本人が言語空間を共有できた。21世紀には確実にそれが減っていく。世界を、人間を表す言葉が単純になる。小説の持っている可能性が小さくなるだろう。「さあ、どうするか」というところに現代の物書きは追いつめられている。


読売新聞 2005-12-13

『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫の東大講義録』原田武夫


 最近の日米関係を通して綴る金融経済入門。右ページが全て用語解説となっていて初心者でもわかりやすい構成。著者は元外務官僚で、政治の舞台裏からアメリカの意図を読み解いている。尚、この講義は正規単位として認められている。アメリカの巧妙な手口は、最終的に狙った国を「焼畑農業」状態にする。日本の近現代史にも触れており、目が行き届いている。原田氏は1971年生まれというのだから、大したものだ。


 実は、日本人以上に日本における教育に関心を持っている国が米国である。教育史の本を読むと、明治期の近代教育システムの立ち上げから始まって、大正期、そして敗戦後の「アメリカ教育使節団」の派遣、更には中曽根政権の下での「臨教審」の答申に至るまで、日本の教育史では重要な局面になると必ず米国が顔をのぞかせてきたのだ。日本人からすれば、「何も他国の教育にまで首を突っ込まなくても」と思えるだろうが、米国からすれば事情は全く異なる。日本が米国以外の国をモデルにしないように仕向け、同様に優秀な日本人は皆、米国の教育システムへと吸収するシステムを作り上げること。――これが米国の対日統治政策の根幹にあるのである。


 小泉政権によっても成し遂げられなかった憲法改正ではあるが、各政党はそれぞれ、改憲草案を作り上げ、既に発表してきている。大手メディアはこれらの草案の中でも平和主義をうたった「第9条」だけを取り上げてきた。しかし、実際にはもっと大きな問題が、とりわけ自民党の「新憲法草案」にあるのだ。

 国の予算は、毎年の会計年度が始まる4月1日より前に国会の承認を得なければならない。ところが「新憲法草案」第86条第2項によれば、「仮に前年度中に承認が得られなければ、内閣が当分の間、必要な支出をして良い」ということいなっているのだ。これに国会は事後的に承認をすれば良いという。

 大手メディアや憲法学者たちは、表立ってこのことについて全く問題視していない。しかし、この規程によって内閣は予算による縛りを国会からは事実上受けなくなる。なぜなら、国会が予算を認めなくても、内閣は必要経費を振り出すことができるからだ。これで、内閣、そしてこれを仕切る内閣総理大臣の力は絶大なものとなる。


仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 ~マネーの時代を生きる君たちへ~  -原田武夫の東大講義録-