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2008-05-17

『議論のウソ』小笠原喜康


 文章がやや生硬なのは大学教授のせいか。メディア・リテラシーの手引きといった内容。私としては少々物足りなかった。「権威のウソ」と題して、『ゲーム脳の恐怖』というベストセラーを俎上(そじょう)に乗せて、バッサバッサと切りまくっている。ゲームをする人と痴呆の人との脳波が似ているからといって、テレビゲームをすることが「よくない脳波特性」を作り上げると推断するのは、「典型的な『軽率な概括』である」と。また、「時間が作るウソ」では、本当に携帯電話が心臓のペースメーカーを誤作動させるのかどうかを検証している。結論は、満員電車の中で抱き合っていない限りは、殆ど影響はないとのこと。昨今の環境問題もこれと似てますな。


 実際のところ、メディアに流される言説の嘘とマコトを見分けるのは、いうほど簡単ではない。その理由は、そうした言説が巧妙だからというばかりではない。マスメディアに流される言説は、私たち自身が望むような形で流される傾向があるからである。


 わかるということは、単に字面を追い、それを記憶に留めることではない。それを自分自身の問題として受け止め、かかわってみることである。「わかる」というのは、「かかわる」ことである。


議論のウソ (講談社現代新書)

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