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2008-10-04

川合光、リチャード・ドーキンス、養老孟司


 2冊挫折、1冊読了。


はじめての“超ひも理論” 宇宙・力・時間の謎を解く』川合光/50ページで断念。専門用語に付いて行けず。


利己的な遺伝子リチャード・ドーキンス/満を持して読んだつもりだったが、小見出しがなく、一つの章が長過ぎる。文章のリズムも合わない。時折、盛り込まれる砕けた調子が、酔っ払いのようで気持ち悪い。この本は、気力・体力が充実している時に再読する予定。


カミとヒトの解剖学養老孟司/これは面白かった。季刊『仏教』の連載記事。脳からアプローチする生と死といったテーマが大半だが、文学論もある。視点が斬新。ただこの人の悪い癖で、文章が紛らわしくてスッキリしない。死体を相手に仕事をしているせいだと思われるが、鼻につく独白調があちこちに散見される。養老氏の著作はいずれも「閉じた世界」に映る。

統治形態は王政、貴族政、民主政/『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう』薬師院仁志

 現代日本の我々が考える貴族政とは、「貴族としての身分」を保障された面々による政治ということになる。だが、これがそもそもの間違い。


 古代のアテナイでは、統治形態を三つに分類して考えるのが一般的であった。すなわち、王政、貴族政、民主政の三つである。この分類法自体は、それほど違和感を与えるものではあるまい。むしろ、問題は、この分類が何を第一の基準にしていたのかという点にある。

 その解答を極めて単純に言うならば、意志決定者の数だということになろう。具体的には、それが一人なのか、一部なのか、全員なのかということである。王政には一人の支配者がおり、貴族政には一部の支配者がいる。それに対して、全員参加の民主政が、「人民による支配」なのだというわけである。


【『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう』薬師院仁志〈やくしいん・ひとし〉(PHP研究所、2008年)】


 言われなければ一生気づかないまま人生を終えていたことだろう。つまり、選挙制度と民主主義の間には何の関係もないってことだ。「へぇボタン」があったら、ぶっ壊れるまで叩いてやるところだ。多分、政治家の連中も気づいていないだろーね。あな、恐ろしや。

民主主義という錯覚

株式会社サンビクトリー

 先ほどテレアポがあった。三菱エコキュートの代理店。新卒で入社した若い野郎だったため、詳細を聞く前にやっつけてしまった。最近は堪え性がなくっていけませんな。よくある「案内業務」を騙(かた)った営業だ。誘導の仕方が子供じみていて、まったく話にならない。検索したところ、「エコキュートをつけると月々5000円で水が使い放題になる」という悪質な売り文句も使っているようだ。


 エコキュートや太陽光発電を好むのは、社会的関心の程度が高く、金回りのいいオバサンと相場は決まっている。ロハスとかスローライフとかね。そういった関心を馬鹿にするつもりはないが、企業の戦略に利用されていることを、ちったあ自覚すべきでしょーな。そもそも、家庭から排出されているCO2は20%に満たない。家庭が努力して解決できるよーな問題ではないのだ。

こんにゃく入りゼリーは本当に危ないのか?


 里奈子ちゃんから興味深い記事を教えてもらった。

 同記事から一覧をコピーしておこう。


1位もち(168例、「こんにゃく入りゼリー」の84倍危険)
2位パン(90例、「こんにゃく入りゼリー」の45倍危険)
3位ご飯(89例、「こんにゃく入りゼリー」の44.5倍危険)
4位すし(41例、「こんにゃく入りゼリー」の20.5倍危険)
5位あめ(28例、「こんにゃく入りゼリー」の14倍危険)
6位だんご(23例、「こんにゃく入りゼリー」の11.5倍危険)
7位おかゆ(22例、「こんにゃく入りゼリー」の11倍危険)
8位流動食(21例、「こんにゃく入りゼリー」の10.5倍危険)
9位カップ入りゼリー(11例、「こんにゃく入りゼリー」の5.5倍危険)
10位ゼリー&しらたき(それぞれ4例、「こんにゃく入りゼリー」の2倍危険)


 こんにゃく入りゼリーが、どうしても注目を浴びてしまうのは、「ゼリーを食べて死亡する」というコントラストがあまりにも鮮やかなためだろう。大体、1位は「もち」となっているが、製造業者の責任を問う声は一つもない。


 日垣隆が、『偽善系II 正義の味方に御用心!』で次のように指摘している。


 たとえば、階段から落ちて死んだ日本人は一年間に687人もいる(『平成10年 人口動態統計〈下巻〉』)。蛇口からの熱湯に接触してショック死した人は117人である。農薬や睡眠薬やガスなど「有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露」によって亡くなったのは合計559人いるが、この人数は、自然の高温や暴風雨など「自然の力への曝露」によって亡くなった982人よりも少ない。誤解を恐れず事実のみに即していえば、この年に限らずいかなる年の統計を見ても、サリンや砒素や麻薬で亡くなった人より、たとえばスズメ蜂に刺されて亡くなる人のほうが、ずっと多いのである。


 こうしたケースにおいても、業者責任を問う声はないだろう。


 私の考えはこうだ。一部の因果関係をもって、全体を判断してはならない。

  • こんにゃく入りゼリーで窒息死した場合→因果関係が認められる。
  • こんにゃく入りゼリーを食べている人全体における死亡率→相関関係は考えられるが、因果関係は認められない。

 単純な物差しで「被害があるから規制する」というのであれば、酸素濃度の薄い高山も登山禁止にする必要がある。


 真の自由とは、リスクを取る自由を意味する。要はリスクを自覚し、どう管理するかが問われているのだと思う。