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2008-10-23

オムツにしない工夫こそが介護/『老人介護 常識の誤り』三好春樹


 入力したテキストを見直していたところ、書き忘れていることに気づいた。ここのところ、読むペースが異様に速い。ちなみに私は、「」というテキスト編集ソフトを使用している。


 時間の概念を持つのは人間だけだとされている。果たして本当なのだろうか? 嘘だ。賢くなりたいのであれば、もっともらしい常識を疑うことから始めるべきだ。フランス・ドゥ・ヴァール著『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』によれば、類人猿にも時間の概念があることがわかる。


 するってえと、脳機能が高度になればなるほど、時間感覚が発達すると考えることが可能だろう。鶴が千年先まで見通して何らかの計画を練ることはないし、亀が万年の歴史における自分達の存在について何かを発表することもない。


 幼い頃を振り返ってみれば、もっとわかりやすい。小学生だった自分が、まさか本当に大人になるとは予想だにしなかったはずだ。蝶を追いかけ、マサコ(幼馴染みの女の子)の家の栗の木に登り、「やるな」と言われたことを追求し続けたあの頃、時間の概念は次の日曜日くらいまでしか存在しなかった。


 歳をとるにつれて、時間の概念は豊かになる。中年期を過ぎると、歴史をひも解いて人類の行く末に思いを馳せたりする。


 前置きが長くなり過ぎた。私が言いたいことはこうだ。「後先を考えない行為は愚かである」以上。あらゆる事態を想定して先の先まで読む。これが賢さである。羽生善治の如し(うわあ、『決断力』も紹介してなかったよ)。


 未来を志向できない人物は、やることなすことが“やっつけ仕事”となる。今さえよければいいってこったな。


 介護の現場ではこうだ――


 オムツにしない工夫こそが介護なのである。オムツに出た便を処理するのは、介護ではなく“後始末”にすぎない。


【『老人介護 常識の誤り』三好春樹(新潮社、2000年/新潮文庫、2006年)】


 わずかな言葉でありながら、介護に対する骨太の姿勢が光っている。介護というのは、言ってみれば「転ばぬ先の杖」のようなものだ。そこに求められているのは、「自分が杖になる覚悟」であろう。もちろん、「杖」は道具であり手段である。だからこそ、「無私」の人でなければ務まる仕事ではない。たとえ、ヘルパーであろうと、同居家族であろうともだ。


「介護」という言葉は美しい響きを伴っている。しかし実際は、他人のウンコを触れるかどうかという選択を強いられているのだ。


 三好春樹は常々、「“寝たきり”の多くは、“寝かせきり”」と言う。介護の難しさは、“家族の許容範囲”が家庭によって異なり、家族それぞれによっても異なる点にある。はたまた、知識や技術、工夫や知恵を知らない家族が多過ぎることも見逃せない。


 間もなく超高齢社会に突入する。あなたや私が介護される日も、やがて訪れるかも知れない。その時、「自分はどうされたい」であろうか? そんな想像力こそ、介護する側に求められているのだと思えてならない。

老人介護 常識の誤り (新潮文庫)

「IMFの父」はソ連のスパイだった/『秘密のファイル CIAの対日工作』春名幹男

    • 「IMFの父」はソ連のスパイだった

 いやあ、たまげた。だって、IMF(国際通貨基金)をつくった人物がソ連のスパイだったって言うんだもの。


 会議は(ハリー・デクスター・)ホワイト(米財務長官首席補佐官)とそのスタッフが牛耳った。詰めの交渉で突然、それまで論議されたこともない項目を協定の中に盛り込み、他国の代表を驚かせたりした。

 結局、IMF協定と国際復興開発銀行(世界銀行)協定を含めたブレトンウッズ協定が採択された。ホワイトの構想を基本にケインズ案の特色を加味した内容となった。まさにこれが、戦後の国際的な通貨・金融体制の出発点となった。ホワイトを「IMFの父」と呼んでもよいかもしれない。

 そのホワイトが実はソ連のスパイだったのである。


【『秘密のファイル CIAの対日工作』春名幹男共同通信社、2000年/新潮文庫、2003年)】


 しかしながら問題は、IMF設立に工作の意図があったか否かである。例えば、IMFが具体的にソ連を利した事実はあるのか? それについては何も書かれていない。ウウム、困ったものだ。スパイ合戦が何となく馬鹿げて見えるのは、諜報戦の最終形が「世界各国の大統領をスパイに仕立てる」ところまで行き着いてしまうためだ。


 尚、ハリー・デクスター・ホワイトについては、以下の情報も参照されよ。

秘密のファイル(上) CIAの対日工作 秘密のファイル(下) CIAの対日工作


秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫) 秘密のファイル〈下〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)

(※上が単行本、下が文庫本)

「ホロコースト=ユダヤ人大虐殺」という構図の嘘/『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン

 ホロコーストでは600万人の人々が虐殺された。で、この600万人を我々はユダヤ人だと完全に思い込んでいる。何を隠そう、この本を読む直前に私もそう書いた。

 で、その根拠は何かと言うと、『アンネの日記』だったり、『夜と霧』だったり、『ショアー』だったりするわけだ。


 では本当にユダヤ人だけがユダヤ人という理由だけで大量虐殺されたのか?


「ホロコースト時代について誰もが認める専門家」として判断を任されたヴィーゼルは、ユダヤ人が最初の犠牲者であると強調した上で、「そしていつものように、ユダヤ人だけでは済まなかった」と主張した。しかし、政治的に最初に犠牲となったのはユダヤ人ではなく共産主義者だったし、大量殺人の最初の犠牲者も、ユダヤ人ではなく障害者だった。

 またジプシーの大量殺人が突出していたことも、ホロコースト博物館としては認めがたいことだった。ナチは50万人のジプシーを組織的に殺害したが、これは比率で言えば、ユダヤ人虐殺にほぼ匹敵する犠牲者数である。


【『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン/ 立木勝訳(三交社、2004年)以下同】


 この事実だけでも、捏造された「ザ・ホロコースト」の巨大な影を垣間見ることができよう。「ザ・ホロコースト」は、歴史としての「ナチ・ホロコースト」を隠蔽する。そして再び目の前に出されると、姿を変えてゆくのだ。ユダヤ人に有利に働くよう、歴史は加工・修正されてゆく。


 で、現代のアメリカにおいて、ユダヤ人はどのような立場を占めるに至ったか?


 黒人、ラティーノ、ネイティヴ・アメリカン、女性、ゲイ、レズビアンも含めて、自分たちは犠牲者だという非難の声をあげるグループのうち、ユダヤ人だけは、アメリカ社会において不利な立場におかれていない。実際には、アイデンティティー・ポリティクスとザ・ホロコーストがアメリカのユダヤ人に根づいたのは、犠牲者としての彼らの立場が理由ではない。理由は、彼らが犠牲者ではなかったからだ。

 反ユダヤ主義の障壁は第二次世界大戦後、急速に崩れ去り、ユダヤ人は合衆国内の階層を上昇した。リプセットとラーブによれば、現在、ユダヤ人の年収は非ユダヤ人のほぼ2倍だ。もっとも富裕なアメリカ人40人のうち16人はユダヤ人だし、アメリカのノーベル賞受賞者(科学および経済分野)の40パーセント、主要大学教授の20パーセント、ニューヨークおよびワシントンの一流法律事務所の共同経営者の40パーセントもユダヤ人である(以下、リストは延々と続く)。ユダヤ人であることは、成功への障害になるどころか、その保障となっている。多くのユダヤ人は、イスラエルがお荷物だったときには距離をおき、資産になったら途端にシオニストに生まれ変わった。それとまったく同様に、彼らはユダヤの民族アイデンティティーが負担だったときにはこれを遠ざけておきながら、資産になったら急にユダヤ人に生まれ変わったのである。


 日本人が中々理解し難いのは、キリスト教を始めとする宗教勢力攻防の歴史を知らないことと、いまだに世界でまかり通っている人種差別の概念に乏しいためだ。こうした無知にこそ、操作された情報が忍び込む膨大な余地がある。


 歴史とはアイデンティティそのものと考えられる。つまり、歴史を操作することは人格改造に等しい。そして問題は「誰が得をするのか?」という一点に尽きる。

ホロコースト産業―同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち