古本屋の覚え書き このページをアンテナに追加 RSSフィード


WWW を検索 古本屋の覚え書きを検索

2008-11-01

相対性理論によれば飛行機に乗ると若返る/『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン

 アインシュタインの相対性理論も、書き手次第ではこんなに楽しく読める。


 要するに、相対性理論が示しているのは、空間と時間は絶対ではなく、観測者と観測されるものの両方と相対的な関係にあり、一方が高速で動くほど、その影響が顕著になるということだ。わたしたちはけっして高速度まで加速することはできず、努力するほど(そして速く動くほど)、外側にいる観測者たちに対してゆがんだ存在になっていく。(中略)

 この効果は、じつはあなたが動くたびに起こる。飛行機でアメリカ横断の旅をすれば、降りるときには、あとに残してきた人たちよりも数千億分の1秒程度若くなる。部屋を横切るだけでも、ほんのわずかではあるが、自身の時間と空間の経験を変化させていることになるのだ。時速160キロで投げられた野球のボールは、ホームプレートにたどり着くまでに0.000000000002グラム質量を増すと計算されている。つまり、相対性理論の効果は現実であり、計測することができる。問題は、そういう変化があまりにも小さいので、検出可能な最小の差異を作ることさえ困難である点だ。しかし、宇宙に存在するそのほかのもの――光、重力、そして宇宙そのもの――にとって、これらの変化はとても重要な意味を持つ。


【『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン/楡井浩一〈にれい・こういち〉訳(NHK出版、2006年)】


 確かに、イチローの打撃、ロナウジーニョのドリブル、マイケル・フェルペスの泳ぎを見ていると、別世界の出来事に感じることがある。ま、観測者である私は横になって腹を出しながらテレビの前にいるわけだが。


 きっと古代の人々にとって、瞬時の判断が生死を分かつ場面が多かったことと想像する。猛獣に襲われたり、毒草を吐き出したり、獲物をつかまえたり……。そして狩猟はいつしか、スポーツに取って代わった。ゲームがマクロであるとすれば、技はミクロの世界である。


 時空は瞬間において凝結する。うまくまとめることが出来なくなったので、これで誤魔化しておこう。

人類が知っていることすべての短い歴史(上) (新潮文庫) 人類が知っていることすべての短い歴史(下) (新潮文庫)

投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証