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2008-11-15

形態(ゲシュタルト)を把握せよ/『メービウスの環』ロバート・ラドラム


 昨日の出来事である。同乗者がコンビニに寄って欲しいというので、運転していた私は駐車場へ入るべくハンドルを左に切った。歩道の右方向から来た自転車をやり過ごし、左側からの歩行者が過ぎ去ったところで車を動かした。次の瞬間、同乗者二人が「危ないっ!」と叫んだ。右側から自転車に乗ったジイサンが車の横にぶつかる寸前だった。つまり、だ。私は最初の自転車を注視し過ぎたため、後の自転車を見失ったことになる。


 時代を超え、デマレストの教えが蘇る――一つの方法に捕われるな。考え方を変えろ。一羽の黒い鳥ではなく、二羽の白い鳥を見ろ。一切れがなくなったパイ全体ではなく、一切れのパイを見るんだ。ネッカーの立方体(透明な立方体の線画。見方によって向きが逆になる)の内側ではなく、外側を見てみろ。形態(ゲシュタルト)を把握するんだ。それで自由になれる。


【『メービウスの環』ロバート・ラドラム/山本光伸訳(新潮文庫、2004年)】


 これ、凄いよね。苫米地英人の『心の操縦術 真実のリーダーとマインドオペレーション』と全く同じ考えである。


 意識するという行為は焦点を絞る作業である。これによって、焦点以外は見えなくなるのだ。デマレストの教えは、無意識レベルで空間を認知せよというものである。


 実に味わい深いテキストで、知識がないと意味をつかめない。ラドラムは、読者に対する要求も高いことが窺える。

メービウスの環〈上〉 (新潮文庫) メービウスの環〈下〉 (新潮文庫)

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