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2008-12-06

世界史は中国世界と地中海世界から誕生した/『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』岡田英弘

 これまた、8月に読み終えていた。血沸き肉踊る学術書。学問は昂奮だ。「歴史を編む」という営みが人為的であることがよく理解できる。歴史とはパラダイムそのものだ。山村修の『〈狐〉が選んだ入門書』は名文ではあるものの、「選び抜かれた」とは言い難いラインナップだった。しかし、本書に関しては山村修の言う通りだった。


 必要なのは、筋道の通った世界史を新たに創り出すことである。

 そのためにはまず、歴史が最初から普遍的な性質のものではなく、東洋史を産み出した中国世界と、西洋史を産み出した地中海世界において、それぞれの地域に特有な文化であることを、はっきり認識しなければならない。この認識さえ受け入れれば、中央ユーラシアの草原から東と西へ押し出して来る力が、中国世界と地中海世界をともに創り出し、変形した結果、現在の世界が我々の見るような形を取るに至ったのであると考えて、この考えの筋道に沿って、単一の世界史を記述することも可能になる。


【『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』岡田英弘(ちくまライブラリー、1992年/ちくま文庫、1998年)】


 歴史が捏造されている事実は、ノーマン・G・フィンケルスタイン著『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』を読むまでもなく理解できよう。歴史は、いつの時代も勝者によって書き換えられてきた。つまり、第二次世界大戦以降の書き手はアメリカってわけだな。


 それにしても、この本は凄い。世界という概念と歴史という時間間隔が人類の中でどのように形成されてきたかを見事に俯瞰している。高校の教科書として採用するべきだ、と本気で思う。「世界史はチンギス・ハーンから始まった」というのが岡田英弘の鋭い持論だ。

世界史の誕生 (ちくま文庫)

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