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2009-03-17

真のゲリラは死ぬまで革命家であり続けた/『チェ・ゲバラ伝』三好徹


 これが冒頭の一文――


 人が革命家になるのは決して容易ではないが、必ずしも不可能ではない。しかし、革命家であり続けることは、歴史の上に革命家として現れながらも暴君として消えた多くの例に徴するまでもなく、きわめて困難なことであり、さらにいえば革命家として純粋に死ぬことはよりいっそう困難なことである。エルネスト・チェ・ゲバラの生涯は、このもっとも困難な主題に挑み、退くことをしらなかった稀有の例であった。革命家には勝利か死かしかないというおのれの、あえていうならばロマンティックな信条の命ずるままに自分の行動を律して生涯を終えた。革命にもしロマンティシズムがあるならば「チェ」は文字通りその体現者だったのである。


【『チェ・ゲバラ伝』三好徹(文藝春秋、1971年)】


 評伝の類いは往々にして人生をなぞることに重きが置かれ、内面的な世界をなおざりにしている作品が多い。本書も決して読み物としては面白いものではない。それでも、ゲバラの言葉と行動は読み手の心を動かさずにはおかない。


 チェ・ゲバラは“武装した天使”であった。南米を蹂躙(じゅうりん)するアメリカに徹底抗戦を挑んだ男であった。贅沢とは無縁な高潔なリーダーであった。労働者と一緒に働く政治家であった。そして、キューバ革命の先頭に立ったアルゼンチン人であった。


 世界のどこかに苦しみ喘(あえ)ぐ民がいる限り、ゲバラは戦い続けた。そして、自らが決めた使命に生き、使命に死んでいった。

チェ・ゲバラ伝

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