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2009-03-24

ジニ係数から見えてくる日本社会の格差/『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』北村慶


 ジニ係数という言葉は聞いたことがあったが、その意味を知ったのは金森重樹著『1年で10億つくる! 不動産投資の破壊的成功法』(ダイヤモンド社、2005年)を読んでからのこと。ただ、それ以降は大した気にも止めていなかった。


 本書では、更に詳細な解説があり、これには目を瞠(みは)った。一挙に紹介する――


 ところが、1984年の調査以降、ジニ係数は上昇に転じています。


【『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』北村慶〈きたむら・けい〉(PHP研究所、2006年)以下同】

 ただし、ジニ係数は、ローレンツ曲線の形には関係なく、面積で決まります。このため、ジニ係数が同じ値の国があったとしても社会構造が全く異なる、ということもありえます。

 例えば、7割の格差のない均質な市民層と3割の所得がゼロの貧困層からなるA国と、一人の王様が全体の3割の所得を保有し残り7割を国民が平等に保有するB国について、それぞれジニ係数を計算すると、いずれも0.3となるのです。

 このように、ジニ係数だけから社会構造や所得格差をイメージすることは難しいのですが、一つの方法として、その社会の階層が2つに分かれていて、その階層内では所得が均一である、と仮定する方法があります。

 こうした仮定を置けば、ジニ係数0.5とは、「上位4分の1の所得者が、全ての所得の4分の3を得ている社会」を意味することになります。

 地球上全体のジニ係数は0.707であり、この仮定の下では、「“宇宙船地球号”とは、人口の14.7%を占める集団がGNPの85.3%を保有しており、この集団と残りの集団の間には、34倍の所得格差がある社会である」と言えることになります。

 一方で、ジニ係数は低ければ低いほど良い、というものでもありません。

 所得の再分配を完全に平等な社会にしてしまうと、誰も努力しなくなる、いわゆるフリー・ライダー(タダ乗り)が増えることになるからです。

 これでは、社会に活力が失われ、経済発展も停滞することになります。

 一般には、ジニ係数で0.3前後の社会が、「適度に競争があり、かつ、格差が広がっていない」という意味で適度な格差水準の社会と言われています。

ジニ係数意味合い
〜0.1極めて平等な社会。現実には存在しがたい。
0.1〜0.2ほとんど格差がない社会。個々人の努力を阻害する懸念がある。
0.2〜0.3格差が少なく安定した社会。
0.3〜0.4格差がある社会。競争・活力という面からは好ましいこともある。
0.4〜0.5格差がきつく、社会を不安定にする要素がある。
0.5〜不平等な社会。さまざまな問題が生じやすい。


 OECD経済協力開発機構)では、「その国の所得の上位10%の人々が、所得の下位10%の人々の何倍の所得を得ているか?」についても試算しています。

 これによれば、日本においては「社会の上位10%の富裕層」が「下位10%の層」の実に4.9倍の所得を得ていることになっています。

 これは、「貧富の差が激しい社会」の代表例のように言われるアメリカの5.4倍とさほど差がない数字です。


 OECDのレポートには、さらにショッキングな分析があります。

 日本の「貧困率」の高さが、なんと第5位にランクされているのです。

(※「相対的貧困者」=社会の真ん中に位置する人が得ている可処分所得の50%以下しか可処分所得がない人、の人口比)

 で、気になる日本のジニ係数だが、2003年時点で何と「0.5」(「飛語宇理日記」による)。ということは、「格差がきつく、社会を不安定にする要素がある」と「不平等な社会。さまざまな問題が生じやすい」の中間に位置していることになる。


 富の偏在。ま、そりゃそうだよな。恒久減税である定率減税を廃止して、減額した法人税は据え置いているのだから。つまり、政治的不作為というよりも、政治が格差へ誘導したと言ってよかろう。極端な集中が国家を崩壊させる


 小泉政権が行った規制緩和こそ、富の偏在を生んだ最大の原因であろう。それにしても、富はどこに偏っているのだろう? 私の財布にないことは確かだ。多分、オリックスの宮内義彦のところだ。

貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵

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