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2009-04-29

傅山の書「老」/『一日一書』石川九楊


 京都新聞連載のコラム。一日一書(一文字)を解説。わずか150字足らずで「書の宇宙」に誘(いざな)うのだから凄い。古代から現代に至るまでの文字を紹介。百花繚乱の趣あり。石川九楊は、農耕を基とする「東アジア漢字言語圏」というパラダイムを主張し続けている。


 私が最も衝撃を受けた文字は以下のもの――



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 明末期、明朝の崩壊とともに、連綿狂草体のくずれつながる書が増えてくる。その一つ「老」。老病を口実に清朝出仕を拒んだ傅山(ふさん)の書。一字の途中で墨はつがないという禁じ手を破り、渇潤、痩肥の大胆な転調をもつ。

 今日、敬老の日。老人を労(ねぎら)う日。歴史と人生の証言を聞き、その知恵に学ぶ日である。


【『一日一書』石川九楊〈いしかわ・きゅうよう〉(二玄社、2002年)】


 墨を足して黒々となった「ヒ」の部分が、介護用具に見えて仕方がなかった。あたかも車椅子の如し。あるいは子におぶられた親の姿か。


 はたまた、人生の最終ステージはそれまでの人生と一線を画したものであるべきだ、という思いが込められているのかも知れない。


 それにしても、不思議な書である。じっと見入ると、様々な想念が呼び起こされる。

一日一書

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