古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体』ブライアン・グリーン/青木薫訳(草思社、2009年)


 ブライアン・グリーンの新著が出た。



宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 上 宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 下

 物理学によれば、私たちの時間と空間に関する常識的な感覚は、どうしようもないほど間違っている。たとえば、「時間は流れるもの」「歴史はひとつのはず」「空っぽの空間ではなにも起こらない」という常識的な考え方は、どれも間違っているというのだ。物理学は、いったいどのように私たちの「常識」をくつがえすのか? この世界の本当の姿は、私たちの「常識」から、どれほどかけ離れているのだろうか? 『エレガントな宇宙』の著者ブライアン・グリーンが、現代物理学のもたらす世界像を鮮やかに描き出した、待望の最新作。


「時間も空間も伸び縮みする」とは、いったいどういうことなのか? 「宇宙は膨張している」とは、宇宙の何が膨張しているのか? あるいは、「宇宙は一枚の膜かもしれない」「量子力学を使ったテレポーテーションが成功した」「ブラックホールを作る実験を行う」など、耳を疑うような物理学の主張は、いったい何を意味しているのか? そして最も重要なことだが、それらの物理学の成果は、私たちの時間と空間に対する見方をどう変えるのだろうか? 『エレガントな宇宙』の著者ブライアン・グリーンが、現代物理学による探究の成果を、一望のもとに描き出す。