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2009-12-12

ピタゴラスの定理

「自分だけがわかっている」ことを、どのようにして人々に伝え、理解させるか。ここに賢者の葛藤があった。悟りを開いたブッダも同様だ。梵天勧請から初転法輪へと至る物語は、ブッダ己心の葛藤を劇的に示したものだ。仏道における自行(じぎょう)と化他(けた)は、いかなる世界においても同様であり、開かれた思想はおのずと対話の地平へ進む。そして真理は対話によって普遍性と法則性を有するようになるのだろう。

 ここで重要なことを一つだけ述べておこう。この定理は今後ともピュタゴラスにちなむものとして語られるだろうが、実はピュタゴラスより1000年も前に、中国人やバビロニア人はこれを利用していたのである。しかし、この定理がすべての直角三角形で成り立つことは知られていなかった。具体的などれかの直角三角形ではたしかに成り立つのだが、すべての直角三角形で成り立つことを示す手段がなかったのだ。この定理を発見したのはピュタゴラスだと言われるのは、この定理が普遍的に成り立つことを初めて示したのが彼だったからである。


【『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』サイモン・シン青木薫訳(新潮社、2000年/新潮文庫、2006年)】

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

(※左が単行本、右が文庫本)

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