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2009-12-23

ジョルジュ・バタイユ、藤巻一保


 2冊挫折。


 挫折99『宗教の理論』ジョルジュ・バタイユ/湯浅博雄訳(人文書院、1985年/ちくま学芸文庫、2002年)/出だしはよかったのだが、直ぐに行き詰まる。30ページで挫ける。私は気が短いので、難解な言葉に遭遇すると「お前等だけで勝手にやってくれよ」と思ってしまう。難しい話は人に伝えることができない。それゆえ、人口に膾炙(かいしゃ)することなく本の中で突っ立っているだけのものとなる。西洋哲学は形而上に傾くきらいがあり、問いかけの連鎖が限りなく空転した挙げ句、神の肯定か否定という両極端な場所に着地する。だから、考えれば考えるほど分断を助長する方向へ行ってしまうのだ。バタイユさんよ、あんたと俺には縁がなかったよーだな。


 挫折100『真言立川流 謎の邪教と鬼神ダキニ崇拝』藤巻一保〈ふじまき・かずほ〉(学研、1999年)/男女交合による即身成仏、ドクロ本尊と聞いただけでワクワクしてくるが(笑)、エロエロ教団・真言立川流の実態と系譜が対話形式で綴られている。極めて真摯な読み物。私が期待していたのは密教に関する記述であったため、完全な肩透かしを食らった。120ページを超えたあたりでやめる。尚、稲荷(信仰)に関する詳しい解説があり、これは望外の収穫であった。

転落を演出する芸能リポーター〜みといせい子の場合


 思えば、20世紀の芸能界には、この種の、転落そのものが芸風であるみたいなタレントさんがもっとたくさん活動していた。彼らは、不倫、失言、三角関係、ドタキャンぐらいの軽微な逸脱行動を端緒に芸能人としての活動を展開しはじめ、じきに、当て逃げ、踏み倒し、プロダクション独立騒動みたいな中規模スキャンダルを引き起こす。で、最終的にはクスリ、恐喝、詐欺、傷害あたりで警察マターの三面記事人脈の仲間入りを果たす、と、そういう決まりになっていた。

 だから、「信じられません」「なんということでしょう」と、二言目にはびっくりしてみせていた昭和の時代の芸能リポーターは、その実、予想通りの展開に小躍りしながら仕事をしていた。

「華やかなスポットを浴びていた朋ちゃんがこんなことになるとは、あの当時、誰が想像できたでしょう」と、今回、みといせい子がしきりに嘆いてみせているのも、もちろん、華原朋美のタレント性を惜しんでいるからではない。転落の落差をデカく見せるためには、過去の栄光を強調するのが得策だと、そう考えているからに過ぎない。


【『テレビ救急箱』小田嶋隆中公新書ラクレ、2008年)】

テレビ救急箱 (中公新書ラクレ)