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2010-03-27

ガンジーはヒンズー教徒としてカースト制度を肯定


 不可触性の不当、不正義、不平等、非合理を真に憎んだガンジーは、一方であくまで敬虔無比なヒンズー教徒であり、カースト制を否定しなかった。いやむしろ、その存在をインド社会の中心的柱として肯定(こうてい)した。しかも彼は聖者として崇(あが)められ、近代独立国インドの生みの親といわれている。

 ガンジーと近代の相克(そうこく)はまた、インドの矛盾、不可解さを解く鍵であるかもしれない。

 インドにみなぎるアンビバレンツの世界、そこから発生しているにちがいない深い生命の躍動――ステージやスタジアムで演出される種類のものとは異質な――感は、インドの絶望的深みにまで達している様々の矛盾を同時に表現しているように思う。


【『不可触民 もうひとつのインド』山際素男〈やまぎわ・もとお〉(三一書房、1981年/光文社知恵の森文庫、2000年)】

不可触民 もうひとつのインド 不可触民―もうひとつのインド (知恵の森文庫)

(※左が単行本、右が文庫本)

逍花逍花 2010/03/28 10:39 はじめまして。
先日友人がインドに出張してきたのですが、カースト制度は、政治的には廃止されているけれど、貧しい社会で、食いっぱぐれることなく、最低限の生活を守るため、お互いに仕事を分け合うワークシェアリングシステムの精神として社会に生きているということでした。ただ、企業が雇用を拡大するなかで、教育を受けた人たちのあいだではかなり崩れているようです。
宗教的なバックボーンはもちろんあるでしょうけれど、ガンジーの時代は今と違ってインドも成長しておらず、雇用機会がなかったので、社会を混乱から守るという現実的な要素もあったのではないでしょうか。

sessendosessendo 2010/03/28 12:06 そんなに簡単に「崩れる」とは思えません。数千年にわたって続いている伝統なのですから。またインドだけの問題でもありません。世界中どこの国へ行ってもヒエラルキーは存在します。いずれにせよ、私はガンディーは極めて政治的な人物だったと見ています。時代に束縛されたリーダーの典型として、反面教師にするべきだと考えています。「社会を混乱から守る」とは政治家が治安目的でよく使用する言葉ですが、社会というものはいつの時代も混乱し、差別を助長し、暴力の温床となっている側面を見失ってはならないでしょう。

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