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2010-04-12

すべての数学的な真理を証明するシステムは永遠に存在しない


 このように、いかに難題であっても、数学の問題は、真か偽のどちらかに違いない。したがって、数学的真理は、いつかは必ず証明されるように思われる。

 ところが、実は、そうではないのである。不完全性定理の重要な帰結の一つは、数学の世界においても、「真理」と「証明」が完全には一致しないことを明確に示した点にある。しかも、ゲーデルは、ただ完全に一致しないという結論だけを示したわけではない。彼は、一般の数学システムSに対して、真であるにもかかわらず、そのシステムでは証明できない命題Gを、Sの内部に構成する方法を示したのである。

 つまり、命題Gは、真であることはわかっているが、数学システムSではとらえきれない。それでは、SにGを加えて、新たなシステムを作ればよいと思われるかもしれない。しかし、その新しい数学システムには、さらに別の証明不可能な命題を構成できるのである。これをいくら繰り返して新たな数学システムを作っても、ゲーデルの方法を用いて、そのシステム内部でとらえきれない命題を構成できる。したがって、すべての数学的な真理を証明するシステムは、永遠に存在しないのである。


【『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎〈たかはし・しょういちろう〉(講談社現代新書、1999年)】

ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論 (講談社現代新書)

歳をとるということ


 それにしても、歳をとるということはやっかいなことだ。なにしろ、おまわりや医者のような連中が自分より年下になってしまうのだから。


【『「ふへ」の国から ことばの解体新書』小田嶋隆徳間書店、1994年)】

「ふへ」の国から ことばの解体新書