1冊読了。
64冊目『現代思想の冒険』竹田青嗣〈たけだ・せいじ〉(毎日新聞社、1987年/ちくま学芸文庫、1992年)/デカルト、カント以降の哲学を俯瞰する内容。現代思想の変遷(へんせん)がわかりやすく紹介されている。どこを読んでも閉塞感が漂っている。哲学者とは巨大な触覚を持つタイプの人々で、感受性が敏感過ぎて一歩も動いていないように見受けられる。クリシュナムルティを知ってしまった後では退屈な議論にしか思えない。彼等は考えるよりも、飢餓や貧困に我が身をさらすべきだろう。竹田の思考もタコつぼにはまっているようにしか見えない。私にとって哲学とは過去の遺物であることがよくわかった。わかりにくい言葉、伝わらない言葉には力がない。真理があるとすれば、それはもっとシンプルで単純なものだろう。