古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ギャンブルと確率

 賭ける対象が馬であろうと、スポーツの試合であろうと、
 カジノのゲームであろうと、窓ガラスを伝い落ちる水滴であろうと、
 ギャンブラーとは不利な確率に賭ける人間である。
 それに対し、冷静な状況判断のできるポーカー・プレーヤーは、
 有利な確率に賭ける。
 ギャンブラーがロマンティストだとすれば、
 ポーカー・プレーヤーはリアリストだといえるだろう。
  ――アンソニーホールデン(ポーカー・プレーヤー)


 ギャンブルにのめりこんだ人間は、たいていの場合、
 勝負がどれだけあるかを考えられなくなってしまう。
 確率の計算法を生んだのはギャンブルであり……
 それゆえ、人はギャンブルを理解しようと努力すべきであるが、
 その理解は哲学的な意味においてなされるべきものであり、
 低劣な欲望とは無縁でなければならない。
  ――ルイ・バチャリエ(数学者)


数学的にありえない〈上〉 (文春文庫) 数学的にありえない〈下〉 (文春文庫)

溜飲の下がる味

「お前、溜飲の下がる味合を知ってるかえ、今の中(うち)、じっとして、思う存分、踏んだり蹴ったりされていなくちあその味合がねえじあねえか、なあに、なにをどうされたって、高々20年か30年の辛抱だ、今にこの勝麟太郎があ奴らの足許から、いやっという程引っくり返して泣きべそをかかせてやるよ」


【『勝海舟子母澤寛(日正書房、1946年/新潮文庫、1968年)】


勝海舟 (第1巻) (新潮文庫) 勝海舟〈第2巻〉咸臨丸渡米 (新潮文庫) 勝海舟 (第3巻) (新潮文庫)


勝海舟 (第4巻) (新潮文庫) 勝海舟〈第5巻〉江戸開城 (新潮文庫) 勝海舟〈第6巻〉明治新政 (新潮文庫)