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2010-07-04

日本が成立したのは7世紀か


 個人が個人として成立するのは自己と他者を区別したときであるのと同じで、日本という国が国として成立したのは日本と他国を区別したときである。そのような区別が生じたのは他国から圧迫を受けたからであろう。

 すなわち、大陸に隋・唐という強力な帝国が成立して脅威となり、それに対抗するに大化改新(645年)を遂行し、白村江で唐・新羅連合軍に戦いを挑んでみたが惨敗し(663年)、やはり先進文明の模倣をするしかないと壬申の乱(672年)を起こして公地公民、中央集権の律令制を強化し、唐の皇帝のまねをして天皇を絶対君主に仕立てあげたとき、日本が成立したと考えられる。


【『歴史を精神分析する』岸田秀〈きしだ・しゅう〉(中公文庫、2007年/新書館、1997年『官僚病の起源』を改題)以下同】


 たとえば、天孫降臨の神話は、日本が現実には大陸・半島と深く結びつき、つねにその影響のもとにあったにもかかわらず、その現実を否認して日本は天上から降りてきた神々が創った国、大陸・半島と無関係な独自の国であって、そして日本は大陸・半島の人たちと違って神である天皇の血を受けているという幻想を支えるための神話であった。

 この幻想は合理的に考えればまったく馬鹿げているが、日本人というアイデンティティを獲得するためにはこの幻想が必要だったのである。

官僚病の起源 歴史を精神分析する (中公文庫)

(※左が単行本、右が文庫本)

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