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2010-07-06

学、論、法、術


 学、論、法、と来て、さらにいっそう頭より手の方の比重が大きくなると、何になるか、というと、これが術、なんです。術、というのは、アートです。芸術もアート、でも芸術は昔はファイン・アートとファインがついて、美術でした。アートは、技術。フランス語でアルチザンといえば、職人さん。これは、手の比重の方が頭より大きい。そのことで少し頭を楽にしてあげる領域です。


【『言語表現法講義』加藤典洋岩波書店、1996年)】

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

人間生活は建築と密接につながっている


 公的生活であろうと私生活であろうと、人間生活のさまざまな出来事は、建築とごく密接につながっている。だから、たいていの観察家ならば、公共建造物の残骸にもとづいて国家を、あるいは家庭的遺物の調査によって個人を、ありし姿のままに復元しうるくらいだ。考古学が社会的自然界にたいする関係は、あたかも比較解剖学が有機的自然界にたいする関係のようなものである。魚竜の骨格が一つの世界の全容を無言のまま物語るように、一個のモザイクは一社会の全体をあらわに示す。すべては双方から由来し合い、相連絡する。それぞれの結果から原因にさかのぼることができるように、原因はおのずから結果を推察させる。学者はこうして古い時代を、微に入り細にわたって復活せしめるのである。


【『「絶対」の探求』バルザック/水野亮訳(岩波文庫、1939年)】

「絶対」の探求 (岩波文庫)