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2010-07-19

『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ/森島恒雄訳(岩波新書、1983年)


思想の自由の歴史


 今日、私たちは学問・信仰の自由など思想の自由を当然のことと考えている。だが、この市民的権利は長い歴史の中でごく最近になって獲得されたものであり、そのために数多くの血が流されてきている。本書は、近代民主主義社会を支える思想の自由がどのようにして闘いとられてきたかを、各時代の具体的な事例に即して明らかにした名著。

『科学と宗教との闘争』A・D・ホワイト/森島恒雄訳(岩波新書、1968年)


科学と宗教との闘争


 近世の初頭、自然科学の勃興に対して加えられた迫害の歴史は、今では遠い昔語りとなり、今日のめざましい科学の進歩が、宗教的権威や根強い偏見との果敢な闘争をとおして獲得された事実も、いつとはなく忘れ去られようとしている。本書は、これらの闘争の意味と科学の進歩に捧げられた先人たちの努力を現代に甦らせる。

峰島旭雄、和田靜香、苫米地英人、J・クリシュナムルティ


 2冊挫折、2冊読了。1週間以上前のこと。


 挫折58『西洋は仏教をどうとらえるか 比較思想の視座』峰島旭雄〈みねしま・ひでお〉(東京書籍、1987年)/全く歯が立たず。20ページほど読んで、後はパラパラとめくってみただけ。比較思想は結構なんだが、「比較の基準」が曖昧すぎるように感じた。テーマがいいだけに惜しまれる。


 挫折59『でたらめな病人×つかえない医者 明るい患者になるための11の処方箋』和田靜香(剛★出版、2001年/文春文庫『ワガママな病人VSつかえない医者』改題、2007年)/全編ゴシック体が馴染めず、放り出してしまった。和田さんとは一度会ったことがある。おばさんキャラが魅力的な人物。そこそこ健康そうに見えたんだがなあ(笑)。文庫本を入手して読んでみようかしら。


 95冊目『なぜ、脳は神を創ったのか?苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(フォレスト2345新書、2010年)/これは当たりだった。私が読んできた苫米地作品の中では最高峰に位置する。映像で見る苫米地は、言葉づかいも知らない大増上慢野郎だが、本書では全く別の顔を見せている。21世紀前後から科学の進展に宗教が後(おく)れを取る状況が露呈した。ただ惜しむらくは、仏教の知識が付け焼刃であるために中途半端な宗教否定論に堕してしまっている。活字には現れていないが、一度でも苫米地の話を聞くと、「オレ」の連発が耳に障(さわ)る。これほど我執の強い人物が宗教の何たるかを理解しているとは到底思えない。知的アプローチが素晴らしいだけであって、中身は幼稚な人物だと思うよ。


 96冊目『学びと英知の始まり』J・クリシュナムルティ/大野純一訳(春秋社、1991年)/これはよかった。イギリス、ブロックウッドのクリシュナムルティ・スクールでの討論が収められている。相手は生徒と教職員だ。クリシュナムルティの深い問いかけによって、眠っていた智慧が輝き出す。中には悪ふざけする生徒もいて、結構生々しい。教師と親に対する講話で締め括られている。脳味噌が激しく揺さぶられるのだが、それが実に心地いい。クリシュナムルティ本はこれで39冊目。

「Hallelujah!」A Soulful Celebration


 20歳前後で買ったレコードの一枚。この頃はお金がなかったので輸入盤ばかり買い漁っていた。ヘンデルの「ハレルヤ・コーラス」である。私が通っていた札幌の中学では、卒業生がこの曲をドイツ語で歌うのが恒例となっていた。これがまた信じられないくらい上手いんだ。

D


Handel’s Messiah: Soulful Celebration

法律など蜘蛛の巣のようなものだ


「法律など蜘蛛の巣のようなものだ――弱者は搦(から)め取られるが、強者は引っかからない」


【『メービウスの環』ロバート・ラドラム/山本光伸訳(新潮文庫、2004年)】

メービウスの環〈上〉 (新潮文庫) メービウスの環〈下〉 (新潮文庫)

気候の変動はゆっくりと穏やかに起こるわけではない


 われわれは小氷河期から二重の教訓を学ぶことができる。ひとつは、気候の変動はゆっくりと穏やかに起こるわけではないということだ。ある時代から別の時代に突如として変化する。その原因は不明であり、人間にはその進路を変えることはとうていできない。ふたつ目は、気候は人類の歴史を左右するということである。その影響力は大きく、ときにはそれが決定的な要因になることもある。


【『歴史を変えた気候大変動』ブライアン・フェイガン/東郷えりか、桃井緑美子〈ももい・るみこ〉訳(河出書房新社、2001年/河出文庫、2009年)】

歴史を変えた気候大変動 (河出文庫)