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2010-08-12

文字を読む脳


(スタニスラス・)デハーネ(※フランスの神経科学者)の見解をあえて膨らませてみると、文字を読む脳はどうも、本来、視覚専用としてではなく、視覚を概念形成機能および言語機能と結びつけるために設計された、古いニューロン経路を活用しているように思われる。ここで言う、視覚と概念形成機能や言語機能との接続は、たとえば、地面に残された足跡の形状を素早く認識して、これは危険を知らせるものだと即座に推論したり、認識した道具や捕食動物、敵を、それを表す単語の検索と結びつけたりすることである。したがって、読み書きや計算などの機能の発明という作業に取り組むことになった時、私たちの脳は、独創的な三つの設計原理、つまり、古くからある構造物間に新たな接続を形成する能力、情報のパターン認識を行うために精巧に特殊化された脳領域を形成する能力、そして、それらの脳領域から得られた情報を自動的に採用して関連づける能力を、意のままに使いこなした。読字の進化、発達および障害のいずれの根本にも、この三つの脳構造の原理が何らかの形で働いている。


【『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』メアリアン・ウルフ/小松淳子訳(インターシフト、2008年)】

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

le-couragele-courage 2010/08/12 15:49 視覚に関する記事は視覚を一日失った経験があり大変興味があります。
見えた物を人は認識しようと記憶にある類似したものに当てはめます。そして認識したものが実際のものと微妙に違う形で記憶されるために、錯覚や勘違いが生まれると考えていましたが、これを読んで了知できました。
ディスレクシアは文字を物と認識してしまった為に生じた障害ではないかと考えています。例えば、人間はネコの顔を識別するのは難しいが、人間の顔はかなり識別できるのと同じように、文字全体をネコの顔程度に幼少期に認識して定着してしまったものではないかないと思っています。

sessendosessendo 2010/08/13 06:58 そうするとディスレクシアは自閉症的傾向なのかもしれない。
自閉症患者は他人の顔に表れるサインを読むことができない。

sessendosessendo 2010/08/13 07:01 錯覚についてはこちら――
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100413/p4

le-couragele-courage 2010/08/13 14:51 錯覚については以前拝読しまして大変参考になりました。自閉症的傾向には同意です。自閉症やディスレクシアの傾向にはセンサーとセンサーによって得られた情報による反応ではないかと考えています。要は他者よりも敏感な何がありそれによって他のものが鈍感なってしまい極端に顕れた症状ではないでしょうか。眩しい光を感じたときに人は必ず光(刺激)のある方向を見ようとするのと同じでそれ以外の暗い部分は見ようとしないもしくは見えなくなります。彼らが感じているのは痛いほどの感覚と刺激の世界なのかもしれません。個性や癖なども程度は違いますが本質は同じだとおもいます。

sessendosessendo 2010/08/13 20:40 細かいものが見えることを「視力」というのは、明らかに問題があると思う。
失った機能がある以上、脳は必ず別の機能を補完しているはずだ。

le-couragele-courage 2010/08/14 10:25 たしかにそうですね。脳の「認識力」ですかね。私が視覚を失った時、特に音と触感で空間を把握しようとしました。「赤」という音の世界もあるということですね。
大変勉強になりました。ありがとうございます。

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