古本屋の覚え書き このページをアンテナに追加 RSSフィード


WWW を検索 古本屋の覚え書きを検索

2010-10-05

産学協同が進み過ぎると大学は企業の便利屋になり果てる


 産学協同が進み過ぎると、大学の理工農医歯などの大学院が、企業の安価な出先機関となりかねない。そうなった大学にどんな独創的研究を期待できるのだろうか。大学の本領は直接の応用を視野にいれない基礎研究にあり、それこそが国家の科学技術力の基盤なのである。

 基礎研究をないがいしろにしてなお卓抜な技術力を保持した、という国家は歴史上未だかつて存在したことがない。大学の弱味と卑しさに乗じた経済界からの口出しがこのまま続けば、日本のほとんどの大学で実学が幅を利かせ、それ以外の役に立たない学問は徐々に淘汰されることになろう。大学は企業の便利屋となり果てる。


【『祖国とは国語』藤原正彦(講談社、2003年/新潮文庫、2005年)】

祖国とは国語 (新潮文庫)

投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20101005/p2