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2010-11-12

部民、領民、臣民、国民


 文明の歴史から見ると、人間の社会のあり方はまず「部民」と「領民」であり、日本では平安時代に荘園制度があって、荘園という狭い領地で働く人は領民で、森鴎外が書いた『山椒大夫』は散所(さんじょ)の奴隷監督だし、安寿と厨子王は領民の象徴である。領民の時代は藩が支配する江戸時代まで続き、明治維新で日本は国民国家の仲間入りをし、「領民」は君主政の下では「臣民」になり、共和制の下の近代国家では「国民」になっている。

 しかし、国民国家が国家主義化して行き詰まり、近代社会は市民革命を体験することで、自由主義と民主主義の洗礼を受けたうえに、新たな形での市民が階層として登場した。

 ところが、戦後の日本には「市民」が登場せず、三井、三菱、大蔵、農協といった枠組みの中で、組織に所属する領民意識を助長したために、コミュニティと無関係になってしまい、「臣民」から「領民」に逆戻りしてしまった。21世紀に日本が再生するためには、日本人が落ち込んだ「領民」の境涯から脱して、真の自由と民主に根差すコミュニティの中で、「市民」にならなければいけないのである。(藤原肇


【『ジャパン・レボリューション 「日本再生」への処方箋』正慶孝〈しょうけい・たかし〉、藤原肇(清流出版、2003年)】

ジャパン・レボリューション―「日本再生」への処方箋

民兵が短剣で村人の喉をかき切っている

 民兵が短剣で村人の喉(のど)をかき切っている。短剣の刃が、炎に照らされてきらめいていた。あの晩、村を駆け抜けながら目にしたすべての出来事を語ることはできない。それは、決してだれの目にもさらすことのできない光景だった。


【『メンデ』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス/真喜志順子〈まきし・よりこ〉訳(ソニー・マガジンズ、2004年/ヴィレッジブックス、2006年)】

メンデ―奴隷にされた少女 (ヴィレッジブックス N ナ 1-1)

『複製技術時代の芸術』ヴァルター・ベンヤミン/佐々木基一編集解説(晶文社、1999年)


複製技術時代の芸術 (晶文社クラシックス)


 20世紀は映像の世紀である。映画や写真などの複製技術は、どんな可能性をはらんでいるのか……。20世紀ドイツを代表する巨大な思想家・ベンヤミンの刺激あふれる先駆的映像芸術論。再刊。

ミヒャエル・エンデが生まれた日


 今日はミヒャエル・エンデが生まれた日(1929年)。「千人の苦しみは、一人の苦しみよりも大きいのでしょうか?」「一平方キロメートルの赤い面は、一平方メートルの同じ色の面よりももっと赤いでしょうか?」「それを表す言葉がまだない、そのようなものを考えることができますか?」(『エンデのメモ箱』)

エンデのメモ箱 モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37) 鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫) エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」

ロラン・バルトが生まれた日


 今日はロラン・バルトが生まれた日(1915年)。もし私が作家で、死んだとしたら、私は自分の生涯が、友情に満ちたおおらかな伝記作者の配慮によって、あるいくつかの細部、あるいくつかの好み、あるいくつかの声の抑揚、つまり、あるいくつかの《伝記素》に還元されることを、どれほど望むことか。(みすず書房

表徴の帝国 (ちくま学芸文庫) エクリチュールの零(ゼロ)度 (ちくま学芸文庫) 明るい部屋―写真についての覚書 物語の構造分析

ロダンが生まれた日


 今日はロダンが生まれた日(1840年)。17歳でエコール・ボザール(グラン・エコール)に入学を志願するも、数年にわたって不合格となる。学業を断念し室内装飾の職人として働く。独学で彫刻の技法を修練。ミケランジェロの彫刻に衝撃を受ける。青銅時代で注目されたのは37歳の時であった。

ロダン―神の手を持つ男 (「知の再発見」双書) ロダン (ニューベーシック) (ニューベーシック・アート・シリーズ) ロダン事典 ロダンの言葉 (講談社文芸文庫)