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2010-11-21

『エスの系譜 沈黙の西洋思想史』互盛央(講談社、2010年)


エスの系譜  沈黙の西洋思想史 (学芸局Dピース)


「考える」「思う」の主語は何か。「思われること」は、本当に「私に思われ」ているのか。「私」を「捏造」したデカルトは、すでにこの問いを封印していた。しかし、近代以降、この沈黙の事象に対する哲学者たちの悪戦苦闘が始まった。リヒテンベルクに始まりフォイエルバッハニーチェフロイトへと続く第一の系譜。一方、フィヒテに分かれシェリングビスマルクに流れる第二の系譜。「人」とも「言語」とも「普遍的なもの」とも呼ばれながら、究極“それ”としか名づけようのない何ものかを巡って、人間存在の不思議を考え抜いた思想家たちの系譜を辿る。

『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー/高橋勇夫訳(ちくま学芸文庫、2003年)


暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)


 人間には、言語の背後にあって言語化されない知がある。「暗黙知」、それは人間の日常的な知覚・学習・行動を可能にするだけではない。暗黙知は生を更新し、知を更新する。それは創造性に溢れる科学的探求の源泉となり、新しい真実と倫理を探求するための原動力となる。隠された知のダイナミズム。潜在的可能性への投企。生きることがつねに新しい可能性に満ちているように、思考はつねに新しいポテンシャルに満ちている。暗黙知によって開かれる思考が、新しい社会と倫理を展望する。より高次の意味を志向する人間の隠された意志、そして社会への希望に貫かれた書。新訳。

『物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源』フランク・ウィルチェック/吉田三知世訳(早川書房、2009年)


物質のすべては光―現代物理学が明かす、力と質量の起源


 磁力や重力を思い出せばわかるとおり、物体のあいだに働く力はふつう、互いに離れるほど弱くなる。離れるほど引きあう力が強くなる、そんな作用を考えるなんて馬鹿げていると皆は言ったが、その「漸近的自由性」を実際に見つけた本書の著者は素粒子物理学を大きく前進させることとなった。素粒子物理学の最先端では、常識を超えた考え方が往々にして現実化する。その世界の第一人者であるウィルチェック博士が、物質の質量の起源などホットかつ根源的な話題をさまざまに盛り込んで語る本書を読むことは、理論物理学者の天才的な発想を垣間見つつ、宇宙のもっとも基礎的な階層の秘密に分け入ることにほかならない。彼が開いてみせるめくるめくヴィジョンは、「否定されたはずのエーテルに満たされ、物質と光の区別のない宇宙」だ……2004年度のノーベル物理学賞をはじめとしてさまざまな賞に輝く理論物理学者が、大胆かつユーモラスに先端科学を説く。

手話は独立した完全な言語


 手話というのは身振りやパントマイムの一種だろうと思っている人が多い。教育者が発明したとか、周囲の話し言葉を暗号化したものだとかいう思い込みもある。が、すべて間違っている。聴覚障害者の共同体があれば、必ず手話も存在する。手話はそれぞれ、独立した完全な言語であり、世界各地の話し言葉で使われるのと同様の文法的仕組みに則っている。


【『言語を生みだす本能』スティーブン・ピンカー/椋田直子〈むくだ・なおこ〉訳(NKKブックス、1995年)】

言語を生みだす本能〈上〉 (NHKブックス) 言語を生みだす本能〈下〉 (NHKブックス)

一人を喜ばせるよりも、皆を悲しませないように


(※引退の)発表を5時にしたのは訳があった。

 午前中に発表すると、夕刊の締切り時間に間に合ってしまい、朝刊だけの新聞は不利になる。父がいつも教えてくれた。

「ひとりの人を喜ばせるよりも、皆を悲しませないようにして上げるんだ。貞治、忘れないことだよ」

 みんな平等だという考え方が私の心の中にいつもあった。誰もが公平に、誰もが傷つかないような、そんな引退でありたい。そこで夕方の発表なら、誰かに出し抜かれて発表延期となるようなことはもうないだろう。そう考えたら、心を煩わすものはもう何もなかった。


【『回想』王貞治勁文社、1981年/ケイブンシャ文庫、1983年)】

回想

E=mc²の式が学術誌に掲載された日


 今日はE=mc²の式が載ったアルベルト・アインシュタイン特殊相対性理論の第2論文がドイツの学術誌『Annalen der Physik』(ドイツ語)に掲載された日(1905年)。アインシュタインは当時26歳。まだ無名の特許局員であった。質量とエネルギーの等価性を表す公式。



相対性理論 (岩波文庫) E=mc2――世界一有名な方程式の「伝記」 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) 「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫) アインシュタインは語る

ヴォルテールが生まれた日


 今日はヴォルテールが生まれた日(1964年)。「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」(または「…だがあなたがそれを主張する権利には賛成だ」)という言葉は、民主主義・自由主義のとりわけ表現の自由、言論の自由の原則を示した名文句として知られる。

カンディード 他五篇 (岩波文庫) 哲学書簡 (岩波文庫 赤 518-2) ヴォルテール回想録 「知」の革命家ヴォルテール―卑劣なやつを叩きつぶせ