古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『数の神話 永遠の円環を巡る英雄の旅』梅本龍夫(コスモス・ライブラリー、2009年)



数の神話―永遠の円環を巡る英雄の旅

「数」の扉を開くと、人類の太古の記憶が、「現代の神話」となって復活する


 神話は、「物語」「儀式」「シンボル」の3要素から成る。「物語」とは、共同体、国家、地球、さらには、宇宙全体の成り立ちと意味合いを説明する「元型的な物語」であり、一人ひとりが生きて体験している「小さな物語」を包摂する「最も大きな物語」である。「儀式」とは、この「最も大きな物語」に参入する方法論である。そして、「シンボル」とは、「物語」と「儀式」をひとつにつなぐ象徴的な記号を意味する。「シンボル」によって、「儀式」は内面化され、神話の「物語」は、日常の生活の中で生きて実感するものとなる。「シンボル」の中で、最も一貫性があり、体系化されたものが、「数」である。この神話的シンボルとしての「数」の法則を図像化したものが、エニアグラムである。今日のエニアグラムは、性格タイプ論(人格論)として隆盛をきわめているが、エニアグラムの根源にあるものは、「数」に秘められた神話的世界観(宇宙論)である。人格論としてのエニアグラムと、宇宙論としてのエニアグラムは、本質的に同一のものである。それゆえに、性格タイプの奥にあるエッセンスを理解し、それを良く生きるとき、神話は、架空の物語であることをやめ、宇宙を満たす無限の創造性そのものとなる。本書は、「数」を媒体とした宇宙論であると共に、神話の不滅の主人公たる英雄の冒険の旅を語る一大叙事詩でもある。神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、英雄神話の基本構造として、「出立」「通過儀礼」「帰還」があることを明らかにした。英雄が巡る神話の円環は、エニアグラムの図そのものである。英雄は、「1」から旅立ち、つぎつぎと通過儀礼に遭遇しながら、「9」までの自然数を経て、再び「1」に戻る。この旅を成就した英雄は、至宝を持ち帰る。それこそが、人類全体が共有できる「現代の神話」の扉を開く、秘蔵の鍵なのである。

割高とは保有コストが高くなること

 しかしほかの商品に比べて割高になってしまったということは、その商品を買い、保有することにコストがかかり始めているということです。資金の貸し手(株式や債券の購入者)が、発行体が倒産するかもしれないというクレジットリスクを負いながら、借り手の金利負担の肩代わりをしてやっているような、非常に不自然な状態が出現してしまっています。


【『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新〈やぐち・あらた〉(パンローリング、2001年)】


実践 生き残りのディーリング (現代の錬金術師シリーズ)

食わずには生きてゆけない

くらし


 食わずには生きてゆけない。
 メシを
 野菜を
 肉を
 空気を
 光を
 水を
 親を
 きょうだいを
 師を
 金もこころも
 食わずには生きてこれなかった。
 ふくれた腹をかかえ
 口をぬぐえば
 台所に散らばっている
 にんじんのしっぽ
 鳥の骨
 父のはらわた
 四十の日暮れ
 私の目にはじめてあふれる獣の涙。


【『石垣りん詩集』石垣りん(ハルキ文庫、1998年)】


石垣りん詩集 (ハルキ文庫)

トム・ウェイツが生まれた日


 今日はトム・ウェイツが生まれた日(1949年)。「酔いどれ詩人」という異名で知られ、特徴的な嗄れた歌声、ジャズ的なピアノ演奏、しがない人々の心情をユーモラスに描きながらも温かい視線で見つめる独特な歌詞世界、ステージ上での軽妙な語り口でカルト的人気を博した。





Closing Time The Heart of Saturday Night Small Change


Foreign Affair Blue Valentine Heart Attack & Vine



Swordfishtrombones Rain Dogs Frank's Wild Years


ROMEO BLEEDING : LIVE FROM AUSTIN [DVD] [Import] トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使

伊能忠敬が日本地図の作成を開始した日


 今日は伊能忠敬が日本地図の作成を開始した日(1800年)。隠居後50歳を過ぎてから江戸に出て、天文学・数学・暦学等を学ぶ。この時の師匠である高橋至時は19歳年下だった。幕府の命令で55歳から71歳まで17年間全国各地を測量し、国家的大事業である大日本沿海輿地全図を完成させた。


四千万歩の男(一) (講談社文庫) 四千万歩の男(二) (講談社文庫) 四千万歩の男(三) (講談社文庫)


四千万歩の男(四) (講談社文庫) 四千万歩の男(五) (講談社文庫) 四千万歩の男 忠敬の生き方 (講談社文庫)


伊能忠敬測量隊 伊能測量隊まかり通る―幕府天文方御用 図説 伊能忠敬の地図をよむ (ふくろうの本)