「神秘の国」の文化に心ひかれ、美しいチベット高原に魅了されたパリジェンヌが貧しい托鉢の巡礼者に扮し、たった二人で鎖国下のチベットに潜入した。心躍る冒険物語。全2巻完結。
皓星社社長・藤巻修一は多重ハンドル野郎で差別主義者のようだ。引用はいずれも谷地修三氏のサイトより──
皓星社社長・藤巻修一が社員・能登恵美子と共謀して開設したインターネットの掲示板http://www.annex-net.jp/cgi-bin/libro/light/light.cgi では、
(1)私の名前(谷内修三)をつかった発言が無断でおこなわれている。他に、私の名前に類似した名前(谷内修一、谷内修二)での発言もおこなわれている。
(2)私の詩や映画の批評が無断でコピー&ペーストが頻繁におこなわれている。
(3)谷内夫婦は「性感染症の夫婦」であるという侮蔑発言が繰り返しおこなわれている。
藤巻修一が書き込んでいるいくつかのサイトでハンセン病文学全集が話題になった。そのとき藤巻修一は
(1)ハンセン病文学全集はハンセン病を売り物にしている。
(2)ハンセン病文学全集はハンセン病という自己の病気にとらわれており、大我の境地に達していないから時代を超えることはない。
という意見を「傾聴に値する」と評価している。
(3)ハンセン病文学全集は皓星社が発掘してきたものを有名編集者(大岡信や加賀乙彦ら)の名前を借りて文学にでっちあげたもの。
という意見にも何の反論もしていない。その一方で、藤巻修一自身は
ハンセン病文学全集の印税は切手一枚くらいにしかならない
という差別的なことばを書き込んでいる。ハンセン病文学全集に作品を提供している筆者を侮辱している。
・相対化がハードボイルド文体の余韻を深める
・『キリング・フロアー』リー・チャイルド
・『反撃』リー・チャイルド
・『警鐘』リー・チャイルド
・『葬られた勲章』リー・チャイルド
内野手の間を抜けてゆく鮮やかなツーベースヒット。そんな印象だ。文章がいい。読み終えた瞬間、本のボリュームに驚く。それほどスイスイ読める。展開がやや冗長ではあるが、時折、警句の余韻を響かせる引き締まった文章が現れるので、あまり気にならない。
ジャック・リーチャー・シリーズは既に10冊以上出ている模様。本書は番外篇のようだ。軍人モノで、上層部の陰謀を暴くといった内容。ベルリンの壁が崩壊した頃が背景となっており、軍隊の構造が変化を余儀なくさせられる様相がよくわかる。
死に至る心臓発作とはどんなものなのか、だれも知らない。生きのびて教えてくれる者などいないからだ。
物語全体が生と死のモノトーンに包まれている。転属したばかりのリーチャーが、ある将軍の死を知らされる。事件性はないと伝えられていたが、明らかに不審な点があった。リーチャーは一人で密かに捜査を続けた。将軍の家を訪ねたところ、そこには夫人の遺体があった。
明らかに証拠が少なすぎた。将軍は会議に向かっていたにもかかわらず、書類一つ持参していなかった。
「会議にはいつだって議題がある。そしてその議題はいつだって書類にしたためられる。なんにでも書類はつきものなんだ。軍用犬(K-9)のドッグフードをべつのものに替えたいときだって、47回会議をやって、47枚の書類が作成される」
上手い。上層部の官僚主義を巧みに表現している。ニヤリとさせられるところにハードボイルドの真骨頂がある。
「感謝するよ」わたしは言った。「わたしの側についてくれて」
「わたしが少佐の側についたんじゃありません。少佐がわたしの側についたんです」
新しい上司が捜査を妨害する。そしてリーチャーを手助けしたのがスピード狂の黒人女性兵士だった。ま、軍人だからハチャメチャなキャラクター設定は難しかったことだろう。会話を反転することで相対化を図っている。こういったところがハードボイルド文体と絶妙にマッチしているのだ。もちろん生と死も相対化されている。
人間の体には全部で210本以上の骨があるが、ピクルズというこの男の骨はほとんど折れているようだった。彼ひとりでこの病院の放射線科の予算をそうとう使っていた。
これまた同様で、怪我と治療費を相対化することで事実を突き放している。ハードボイルドとはリアリズムを追求する文体のことであって、タフな生きざまを意味する言葉ではないのだ。リーチャーは怪我人を脅して情報を吐かせる。
「わたしはGRUで5年も訓練を受けた。人の殺し方はわかっている。殺さないやり方も」
GRU(グルー)とはロシア連邦軍参謀本部情報総局のこと。アメリカのCIAに該当する組織だ。旧ソ連時代から存続している。つまり血も涙もないってことだわな。ミステリの台詞ではあるが、ブッダの初期経典のような味わいがある。
コントロールされた意志から繰り出される計算済みの暴力。ここに軍隊の本質が浮かんでくる。
組織と政治という骨太のテーマを描いて秀逸。リーチャーと母親のやり取りも哲学的示唆に富んでいる。
「世の中ね、顔かお金かなのよ」ってのは凄い。
CMでは無料だと言っているのに、高額の情報料や利用料を請求されたという相談が全国各地の消費者生活センターに多く寄せられている。あまりのトラブルの多さに、同センターは注意を喚起した。その相談事例がスゴい。
「小学生の息子が、2カ月で9万円のパケット料(通信料)を請求された」「5歳の子供が10万円もの高額アイテムを購入した」など。通信料もさることながら、無料であるはずのゲームでなぜ、高額な利用料が発生するのか。
【痛いニュース】
これが本当の子供騙し。
「自分というものが壊れて、きりがない。いろんな物体で自分が消えないようにしてるけど、すぐ崩れちゃう。何でもいいんです。物体を見て、物に行って、自分が無くならないように試すんですけど、すぐ崩れちゃう。自分が居なくなって、自分が何者かわからない。精神っていうか体っていうか、何か大切なものが欠けている。自分自身をつなぎ止めるものが短いようで……時間ですね……ポツポツとちぎれて。
体がひとつひとつ壊れてゆく。固めるもの、時間がないから体が変に動いて……。現れですね。生が現れるだけですね。まる見えで素裸みたい。精神がもろいから全身の骨がもろくなって。
物に行く、いろんな物みつけて、ここだなと思って、ちょっとの間は大丈夫なんですけどね。(ここって?)外全部ですねえ、長続きしなくて崩れちゃう。それの繰り返しで。
世の中の芯にとらわれている。……自分が中心みたいで……」〔引用中の( )内は私の問いかけ〕(※朝雄)
今日はいわさきちひろが生まれた日(1918年)。52年頃から描き始めたヒゲタ醤油の広告の絵で注目される。雑誌『子どものしあわせ』の表紙絵を担当する際、油彩画から水彩画に専念。絵が軽んじられていた絵本の世界で道を拓いた。72年、ボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞。