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2011-03-09

映画『ゴッドファーザー PartIII』


 時代は1979年。マイケルは、ここで、ヨーロッパ最大の不動産会社インモビリアーレの買収を画策する。そのためには、この会社を支配しているバチカン銀行を動かさなければならない。不動産会社をねらったのは、石油や金融経済といっても、株や証券を操作するためには、実物経済を独占しなければならないからである。金融経済とは、要するに、すべての経済を金融のために再編したもののことであり、ここでは、石油も土地も工業生産品も、実際に使うためのものであるよりも、むしろ利潤操作のための「金融情報」となるのである。

 問題は、土地にせよ石油にせよ、それらを必要とする者に供給することではなく、価格を自由に操作して思い通りの利潤をえることである。ちなみに、アメリカがイラクのクウェート侵略にイラだったのは、石油をそうした操作の道具に出来なくなることを恐れたからであった。もしフセインがクウェートやサウジアラビアの石油を押さえたら、アメリカとその同盟国は石油価格を操作することによって世界の金融市場を自由に操ることが出来なくなるだろう。金融や情報の操作が中心を占めるシステムの時代には、「独占」は、所有のためにではなくて、操作のために行なわれるのである。


【『シネマ・ポリティカ 粉川哲夫映画批評集成』粉川哲夫〈こがわ・てつお〉(作品社、1993年)】

シネマ・ポリティカ 粉川哲夫映画批評集成

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