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2011-04-14

『世界制作の方法』ネルソン・グッドマン/菅野盾樹訳(ちくま学芸文庫、2008年)


世界制作の方法 (ちくま学芸文庫)


 本書が刊行されるや、アメリカ哲学会に大きな反響を惹き起こし、度重なるシンポジウムが開催されたアメリカ現代哲学の最重要著作。世界制作論とは、グッドマン独自の唯名論的論理を基礎とした、もろもろの哲学に関する哲学、メタ哲学、哲学とはいえない哲学、という逆説である。そこでは、藝術、科学、知覚、生活世界など、幅広い分野を考察し、思索の徹底性を示す。「われわれはヴァージョンを作ることによって世界を作る」。この洞察によって、言語中心主義に陥っている現代哲学の超克を目指し、人間の記号機能の発露としてのさまざまな世界を、平易な文体によって等しく考察する創造的試み。

『意識する心 脳と精神の根本理論を求めて』デイヴィッド・J・チャーマーズ/林一訳(白揚社、2001年)


意識する心―脳と精神の根本理論を求めて


 意識とは何か。理論らしい理論と呼べるようなもののない分野に挑み、一種の二元論である意識の理論を大胆に主張する。彗星のように現れた心脳問題の旗手が、世界中の脳科学・哲学・認知科学者を震撼させた渾身の論考。

川崎市に抗議2000件 ネットで誤情報広まる


 川崎市の阿部孝夫市長が、東日本大震災で大量に発生した倒壊家屋の木くずなど廃棄物の処分への協力を表明したことについて、「放射能で汚染されたごみが首都圏に持ち込まれる」などとする誤解がインターネット上で広まり、同市に計約2000件の抗議の電話やメールが殺到する事態に発展している。


毎日.jp 2011-04-14


 関東大震災の折に、「朝鮮人が暴徒化した」「井戸に毒を投げ入れ放火して回っている」と新聞が報じた。これを鵜呑みにした多くの日本人が朝鮮人に襲いかかった。吉野作造の調査では2613人が殺害されたとしている。根も葉もないデマを新聞記者に流したのは、時の警視庁官房主事・正力松太郎であった(後に読売新聞社主)。東電原発災害で同じ類いの流言蜚語(りゅうげんひご)が広まっている。正力はまた「原子力の父」でもあった。

東日本大震災:「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見


 南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。

 兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。

 福島県から県内に避難し、この家族をよく知る男性は「タクシーの乗車や病院での診察を拒否された知人もいるようだ。大人たちでもこうなのだから、子供たちの反応も仕方がない。でも、当事者の子供はつらいだろう」と話す。


毎日.jp 2011-04-13

弟のためバイト、定時制 「夢あきらめない」


 一生忘れられない光景がある。3月12日早朝、高台から見下ろすと、何もかも無くなった水浸しの町は、オレンジ色の朝日を反射してきらきらと輝いていた。「残酷なくらいきれいだった」


TOKYO Web 2011-04-12

中国・江西省の女性、占星術信じて孫殺害


 中国江西(Jiangxi)省南昌(Nanchang)に住む女性が、生後3か月の孫を井戸に放り込んで殺害した。占星術で、この孫が家族に破滅をもたらすと予言されたことが殺害の動機だという。江西省の国営メディアが11日に伝えた。

 同メディアによると、女性は、息子の妻がこの男の子を身ごもった際、流産させようとして別の孫に腹部をたたくよう仕向けたりもしたという。

 女性は警察に対し、孫が1月に生まれた時に殺害を決め、今月6日、母親がトイレに行ったすきに井戸に放り込んだと供述した。

 女性は殺害後、2日間行方をくらましていたが、警察に発見され、逮捕に至った。

 中国はここ30年で急速な近代化を遂げた。だが、年配者や、江西省のように貧しい農村部の住人など、多くの人々がいまだに古説や迷信を信じている。


AFP 2011-04-13


 我々は政府・メディア・法律という名の迷信を信じている。

生と死の光景


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教習所の自動車内を確認


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娘の遺体が確認される


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震災は生まれ来る命をも奪った


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鎮魂の祈りを捧げる若き僧侶


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我々は生と死の道をただ独り歩む


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その歩みの先に未来がある

ビンヤミン・ヴィルコミルスキーはユダヤ人ですらなかった

断片 幼少期の記憶から 1939-1948』(ビンヤミン・ヴィルコミルスキー著)はまったくのでっち上げではあるが、それでもホロコースト回想録の原型を踏まえている。最初の舞台は強制収容所で、そこではすべての看守が狂ったサディスティックな怪物で、ユダヤ人の新生児の頭蓋骨を楽しげに砕いていく。しかし、ナチの強制収容所を描いた古典的な回想録の記述は、どれを見ても、「サディストはほとんどいなかった。いてもせいぜい5〜10パーセントだった」というアウシュヴィッツの生還者エラ・リンゲンス=ライナー博士の言葉と一致している。ところがホロコースト文学では、ドイツ人サディストがまさに至る所に登場する。ホロコースト文学は、ザ・ホロコーストの唯一無二の非合理性とともに、ホロコースト実行者の狂熱的な反ユダヤ主義をも「証明する」という二重の役割を負っているのである。(中略)

 半ば狂人、半ばペテン師のヴィルコミルスキーは、戦争の間中スイスにいたことが分かっている。彼はユダヤ人ですらなかった。


【『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン/立木勝訳(三交社、2004年)】


『断片』は1996年度全米最優秀自叙伝賞、1997年度ブック・オブ・ザ・イヤー賞(ワシントン・ホロコースト博物館)を受賞している作品。

ホロコースト産業―同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち

「ケアの消費」という時代


 一方、経済あるいは消費の側からみると、(中略)今後もっとも拡大していくのは、医療・福祉を含む「対人社会サービス」すなわち「ケア産業」なのである。だとすれば、「生命」と「ケア」ということが、これからの経済社会の基本的な概念となるのであり、それはおそらく近代以降の経済発展の最終ステージと考えてよいと思われる。そして、消費あるいは経済という観点からみれば、いま私たちは「ケアの消費」という時代に入ろうとしている。つまり、


 モノの消費(食物など)

   ↓

 エネルギーの消費(電力・ガスなど)

   ↓

 情報の消費(デザイン、本、ブランド、各種メディアなど)

   ↓

 ケアの消費


 ということが、いわば重層的に積み重なった社会として、現代という時代をとらえることができるのではないだろうか。


【『ケアを問いなおす 〈深層の時間〉と高齢化社会』広井良典(ちくま新書、1997年)】

ケアを問いなおす―「深層の時間」と高齢化社会 (ちくま新書)