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2010-12-23

丸山健二が生まれた日


 今日は丸山健二が生まれた日(1943年)。23歳で芥川賞を受賞。賞や文壇のような文学界とはほとんど関わりを持たずに執筆を続けており、中央文壇とは離れたスタンスと現代都市文明への批判的視座にある力強い生き方から「孤高の作家」とも形容される。

夏の流れ (講談社文芸文庫) さすらう雨のかかし 水の家族 まだ見ぬ書き手へ (朝日文芸文庫) 

2010-06-18

丸山健二新刊『猿の詩集』(文藝春秋、2010年)


猿の詩集〈上〉 猿の詩集〈下〉


 時は第2次世界大戦中。南方の激戦地にて眉間を撃ちぬかれた男の魂が、1匹の猿に乗り移る――。あの戦争を超越的な視点から語りつつ、そこに生きる市民、権力者、そして天皇の在り方をも論じる異色の超大作です。文章を読点によって長く続けるという、特異な文体が放つ異様さもさることながら、日本の戦後と全身全霊で向き合い、批判していく本作は、まさに「圧倒的」の一言に尽きます。約2年ぶりとなる著者の長編小説は、丸山ファンだけでなく、「昭和」を生きた人たちに是非読んでほしい1冊です。

2010-05-08

地獄と痛み


 体内に地獄を感じない者には、魂の安息を求める資格がない。

 良心に痛みを覚えない者には、残りの生命を謳歌する権利がない。


【『鉛のバラ』丸山健二(新潮社、2004年)】


鉛のバラ

2009-08-17

『百と八つの流れ星』丸山健二(岩波書店、2009年)


千日の瑠璃』(文藝春秋、1992年/文春文庫、1996年)と似て非なるスタイルか? チト、食指が動く。それにしても、岩波書店からの刊行とは驚いた。

百と八つの流れ星〈上〉 百と八つの流れ星〈下〉


 どれほど凡庸な日常、懊悩に満ちた生活、不運に翻弄される生涯であろうとも、人生には闇を走る閃光にも似た煌めきの一瞬が訪れる。突然の啓示、突き上げる衝動、底なしの恍惚、天地との交感、絶望を転覆させる憧憬……。作家生活40年を越え、なおも創作の鉱脈を掘り続ける著者が、戦後から現在までのさまざまな日本を舞台に、老若男女、獣や鳥たちの、命輝く一瞬を百八の物語に凝縮する。書き下ろし短篇百八話を上下2巻に収録。