古本屋の覚え書き このページをアンテナに追加 RSSフィード


WWW を検索 古本屋の覚え書きを検索

2009-04-08

ツボは神経の交差点/『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本』加藤雅俊


 身内に障害者がおり、何かの役に立てばと思って読んでみた。私自身は生まれてからこのかた、ただの一度も肩凝りを経験したことがない。マッサージとも無縁で、床屋で肩を揉まれるのもくすぐったくて苦手だ。


 結論から言おう。少しは役に立った。肩凝りなどの不快な症状がある人にはもちろん有益だ。この本が親切なのは、骨の透過イラストが挿入されているため、わかりにくいとされるツボの場所を特定しやすいこと。上手い工夫だと思う。


 何よりも重要なのは、ツボは神経の交差点であり、多くは骨のキワに存在するということ。なぜなら、人間にとって大切な神経の多くは、骨に守られるようにして体内を走っているからです。つまり、ツボは体の表面ではなく、奥にあるのです。


【『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本』加藤雅俊(高橋書店、2008年)】


 つまり、ツボを揉む場合は「骨のキワ」にぐいっと指を押し込む必要があるということだ。ツボが刺激されると、鈍い痛みのような感覚を覚える。ズキーンとくる場所があれば、そこがツボなのだ。


 一つだけ難点があり、項目が症状別となっているためツボの重複が目立つ。探しやすいことは確かだが、三つも四つも同じ写真を掲載するのはどうかと思う。でもまあ、1000円以下の本だから許そう。


 そして大切なのは、ツボ刺激だけに頼ろうとするのではなく、適度な運動と、ストレッチや体操などもしっかりと行うことだ。その前に普段から、「姿勢を正す」ことも必要だろう。


一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本

2008-10-07

リスクから逃げることが最大のリスク/『1年で10億つくる! 不動産投資の破壊的成功法』金森重樹


 これは面白かった。「よーし、じゃあ一発、不動産で儲けるか!」って気になるよ。しかし、大事なところはそこじゃない。ものの見方を変えてくれる内容が随所にあるのだ。著者は1970年生まれというのだから大したものだ。もちろん、ゆくゆく不動産購入を考えている人にとっても有益である。


 日本のエリートと呼ばれる上場企業のホワイトカラーのサラリーマンなどは最も「リスクから逃げ回っている」部類の人間たちです。

 リスクから逃げ回る人生を送ってきた人たちが、終身雇用制、年功序列制賃金が崩壊した現在、いったん会社から放り出されると、もはやリスクに対処するすべがありません。どんなに立派な学歴があろうが、どんなに立派な上場企業に勤めていた経歴があろうが、そんなものは会社から放り出されてしまえば何の役にも立ちません。

 価値がないのです。

 逆説的ですが、リスクから逃げることが最大のリスクなんですね。


【『1年で10億つくる! 不動産投資の破壊的成功法』金森重樹〈かなもり・しげき〉(ダイヤモンド社、2005年)】


 気持ちのいい文章だが、既に成功を収めている人物が書いていることを忘れてはならない。リスクを取れば儲かるというわけではないからね。大事なのはリスクマネジメント。だから、「リスクから逃げることが最大のリスク」という言葉は、文学的な表現と心得るのが正しい読み方だ。文意は、「何もしない人間にチャンスは巡ってこない」というもの。金森氏が提唱するのは、「どうせ家を建てるなら、大家になれよ」ってこと。

改訂版 不動産投資の破壊的成功法

2008-07-30

「聞く」と「話す」/『プロカウンセラーの聞く技術』東山紘久


 人は話すのが好きだ。話すの語源は「放つ」。現在でも「言い放つ」と。身体の内側に溜まった何かを解き放ちたい欲求があるのだろう。中々面倒なのは、放った言葉をちゃんと受け止めてくれる人が必要なところ。独り言ではどうも満たされないようだ。


 また人間には、相手を動かしたがる性質がある。「話す」ことで動かそうとすると、意図的なコントロールになりがちだ。一方、「聞く」ことで動かす場合は、相手を自分の方へ手繰り寄せるような感覚がある。「身近」ってやつですな。


 雄弁は美徳である。しかしながら、一対一の会話で「雄弁」と相手を評価することは、まずない。どちらかといえば、「多弁」と嫌われるのが一般的だろう。雄弁とは演説であって、一方的な主張なんだろうね。


 神仏や聖人でないわれわれでも、話すことよりも聞くことをよしとするのは同じです。その証拠にわれわれは「しゃべりすぎた」という反省はよくしますが、「聞きすぎた」反省はほとんどしません。


【『プロカウンセラーの聞く技術』東山紘久〈ひがしやま・ひろひさ〉(創元社、2000年)以下同】


 確かにそう言われてみれば頷ける。ということは「話し上手」よりも「聞き上手」を我々は心掛けるべきなのだろう。続く文章は以下――


 これは情報の発信者と受信者の行動を考えるとわかりやすいでしょう。情報の発信者は、受信者の反応が返ってこないことには、相手が情報をどう思ったかわからないのです。受信者は、情報の受け取りも放棄も、自分の気持ちしだいです。情報がいらなければ捨てることさえできるのです。いらないダイレクトメールのように。その意味で発信者が情報をコントロールしているように見えますが、じつは本当にコントロールしているのは、受信者のほうだといえるでしょう。


 つまり、「話す自由」よりも「聞かない自由」が勝るという意味だ。確かに「耳を塞ぎたくなる」ような話は多い(笑)。「右耳から左耳に抜けてゆく」話も多いよね(笑)。


 社会全体がストレスまみれになってくると、「些細なことを責め立てる」風潮が強まる。見知らぬ他人に対して攻撃的な言論がまかり通る。自分が傷をつけられる前に、相手に切り掛かろうとする。親は子供を責め立て、子供は弱いクラスメートをいじめ、いじめられた子供は自分の心を切り刻む。


 眼は閉じることができるが、耳は常に開いている。そう、耳の穴は宇宙につながっているのだ。耳を傾けることは、心を傾けることである。耳を傾けることは、相手に寄り添う姿勢である。一人ひとりが耳を澄ませば、世の中は少しずつ確実に変わってゆくことだろう。

プロカウンセラーの聞く技術

2007-12-09

『自転車で痩せた人』高千穂遙


 以前から気になっていた本の一つ。実に読みやすく、読んだだけでも痩せた気になる(笑)。高千穂氏のSF作品は1冊も読んでないが、かなり真面目な性格が窺える。


 50歳を過ぎてから、2年で24kgの減量に成功したというのだから凄い。裏表紙の顔は精悍そのもの。


 私のことを見透かしたかのように、「土日にサイクリングをしているだけでは減量できない」と書かれていたよ(涙)。水曜日にも乗ることで解決できるそうだ。


 高千穂氏は調布界隈に住んでいるようで、私が走る大垂水峠や浅川沿いのサイクリングロードが出てきて、少しドギマギした(笑)。和田峠にも是非チャレンジしたいものだ。


 いつの日か、ルイガノにまたがることを夢見ながら、気持ちよく読み終えた。


自転車で痩せた人 (生活人新書)