何はなくともEQ:個々の楽器が占める周波数帯域から

んもう。だから言ったじゃないの!

EQは難しい、と思っている方がいるかもしれない。

確かに各楽器の音を明瞭且つ美しく響かせ、さらに全体にまとまりのある音を作るのは困難である。

その上、曲の雰囲気作りや各パートで強調される楽器の推移などを含めると、EQほどmixに影響してくる存在はない。

とうことは各楽器がどこからどこまでの音域を持ち、さらにはどのような周波数特性を持ち、どの周波数帯域をいじればウマく音を変える事ができるのかを知っておく事が大切になる。

これについては数多くの文献やサイトが解説しているので敢えて言及しないが、一応最低限の知識として二種の一覧表を上げておく。


楽器
中心周波数
備考
二次周波数
バスドラ
厚み 80-100Hz
暖かみ 200-300Hz
インパクト、残響 2.5-6kHz
スネア
パワー 800-1.2kHz
厚み 120-400Hz
鳴り、残響 2-4/4-8kHz
タム
厚み 100-300Hz
鳴り 1-3kHz
アタック 4-8kHz
シンバル
低音域 220-300Hz
鳴り 8-12kHz
シズル感 8-12k
ストリングス
厚み 200-300Hz
鳴り 中音域全般
弓音 7.5-10kHz
ブラス
厚み 200-300Hz
高音域 6-8kHz
メリハリ 8-11kHz
トランペットサックス
パワー 200-400Hz
鼻音 1-3kHz
メリハリ 8-11kHz
アコギ
低音強調時 120-300Hz
抜け 2-5kHz
シャリシャリ感 5-10kHz
エレキギター
低音強調 200-400Hz
高音の抜け 3-5kHz
シャリシャリ感 8-14kHz
エレキベース
厚み 80-100
抜け 200-500Hz
アタック 0.5-1.5kHz
ウッドベース
エレベに同じだが、 2kHzを強調すべし
ボーカル
厚み 120Hz、鼻音 1-3kHz、 ハリ 4-5kHz、緊張感 15-18kHz、呼吸 7-12kHz


オケ楽器 最低音 平均的上限
バイオリン G3 (196.0 Hz) E7 (2637.0 Hz)
ビオラ C3 (130.8 Hz) C6 (1046.5 Hz)
チェロ C2 (65.4 Hz) E5 (659.3 Hz)
コントラバス E1 (41.2 Hz) B3 (246.9 Hz)
フルート C4  (261.6 Hz) C7 (2093.0 Hz)
オーボエ Bb3 (233 Hz) F6 (1396.9 Hz)
イングリッシュホーン Eb3 (155.6 Hz) Bb5 (932.3 Hz)
Bbクラリネット D3 (146.8 Hz) Bb6 (1864.7 Hz)
ベースクラリネット D2 (73.4 Hz) F5 (698.5 Hz)
バスーン Bb1 (58.3 Hz) Bb5 (932.3Hz)
コントラバスーン Bb0 (29.1Hz) Eb3 (155.6 Hz)
B1 (61.7 Hz) F5 (698.5 Hz)
トランペット E3 (164.8 Hz) Bb5 (932.3Hz)
トロンボーン E2 (82.4 Hz) Bb4 (466.2 Hz)
ベーストロンボーン B1 (61.7 Hz) Bb4 (466.2 Hz)
ティンパニ F2 (87.3 Hz) F4 (349.2 Hz)
ハープ B0 (30.9 Hz) G#7 (3322.4 Hz)
ピアノ A0 (27.5 Hz) C8 (4186 Hz)


上記の様々な特性を持った楽器がひしめき合っているのが「楽曲」。これらをまとめるのは「難しい」というよりも煩雑で根気のいる仕事なのである。

音というものはエネルギーとして考えられるが、ある楽器を録音しその周波数特性を買える場合、ある部分を強調したら他のいらない部分を削るといい。このようにしてむやみにレベルを上げる事を避けるのだ。

EQを行なう際に、まずは「削る」ことから考えるとよい。他を削ればいじっていない周波数域はおのずと強調される。

レベルが足りなければフェーダーで補ってやるかエキスパンダーをかけてやる事もできるので、この方が無難。

各楽器のレベルを決定するときに

「こっち上げたらココが足りないのでこれも上げる。んでもってこっちも上げる」

を繰り返していると「レベル競争」が起こり、最終的にはフェーダーをあと2cmほど上にのばしたくなったり(無理だ)マスターレベルが

「ぎゃー!+19.72dB!!!」

になってしまう。

フェーダーについても同じ事が言えるのだが、EQは「削る」ことから始めよう。

ふう。

いかんいかん、努力してしまった。

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