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名もないテクノ手 このページをアンテナに追加 RSSフィード

EPUB版『InDesign者のための正規表現入門』

InDesignのTips一覧

2009-03-20

[][][]大阪DTPの勉強部屋サイトがオープン

大阪でえむさんなどが中心となって動きはじめた、「大阪DTPの勉強部屋」グループのサイトがオープンしました。

大阪DTPの勉強部屋

先日(3/18)には、第一回勉強会が行われました。レポートではとても盛況であったことが伺えます。

サイトはまだ未整備な部分も多いのですが、おおむね下記のようなコンテンツになっています。

  • DTPの勉強部屋(アプリケーション別Tips)
  • DTPの勉強会(勉強会の告知とレポート)
  • DTPの情報源(主に外部リンク)
  • 情報交換掲示板

また、アカウントを作成して登録すると、勉強会の告知や各種情報を配信されるようです(無料)。


「大阪DTPの勉強部屋」の母体は、えむさんらが定期的に行っていた勉強会のようです。地道な活動を経て、大きな前進をしたグループです。大きなコミュニティになればなるほど、しんどい部分もたくさんあるかもしれません。地域密着型コミュニティの強みを生かし、息の長い活動となりますようにエールを送らせていただきます。


次回第二回勉強会は、5月下旬〜6月初旬に開催予定。たけうちとおるさんによる「こんなスクリプトがあったら便利やから作って欲しいと言うリクエスト募集中です」という太っ腹企画もあるみたいです。わたしもお願いしてみようかしら...^^

2009-03-17

[]よい質問はよい答えよりも常によい

A good question is always better than a good answer.

  --ルイス・カーンとはだれか

建築家ルイス・カーンの言葉です。

この言葉は優れたアイデアに対する真摯な態度や、自省の大切さを教えてくれます。そして、そのままコミュニケーションの極意と捉えることもできるでしょう。さらに、コミュニティでの正しい振る舞いをわたしたちに教えてくれています。

よい質問は、コミュニティ全体に新たな気づきを与えます。問題さえ特定されれば、答えはいつもその隣にあります。よい解答は、つねに謙虚でなければなりません。

悪い質問は、コミュニティ全体をフレームの嵐と混乱に貶めます。問題が問題を引き起こし、答えは永久に見つかりません。悪い解答は、つねに傲慢です。

さて、あなたはよい質問者になりたいですか? それとも悪い質問者になりたいですか?


悪い質問者になるのは簡単

悪い質問者になるのは簡単なことです。問題を「丸投げ」すればよいのです。自分の仕事を誰かがタダで解決してくれるとさえ思っていればよいのです。典型的な特徴を挙げてみましょう。

  • 過去ログを読んでいない
  • 匿名さん
  • 環境を示さない
  • 再現手順を示さない
  • 用語が正しくない
  • 情報を小出しにする
  • マルチポスト

過去ログは貴重な情報源です。あなたの抱えた問題の多くは、おそらく誰かが過去に抱えたものと同じです。たとえば「InDesignのページを見開きで始めるにはどうすればいいですか?」という質問に、コミュニティは飽き飽きしています。過去ログを読めば、多くの問題は解決します。同時にコミュニティの雰囲気や作法を学ぶこともできるでしょう。

匿名で自由な発言ができるのは、インターネットの大きな利点です。しかし、質問者としての資格に欠ける可能性があることを自覚してください。本来、その質問は自力で解決するべきことなのです。あなたは得られた回答で金銭的な利益を得るかもしれないと思われています。具体的な会社名を書く必要はありませんが、出自を明らかにする上でHPやブログのURLなどが書き添えられていれば印象は大きく変わります。

動作環境を示さないのは、住所を告げないでピザを注文するようなものです。ピザは永遠に路地にさまよい、配達されないでしょう。

「なんかいつの間にか調子が悪くなって困っているんです。初心者なので助けてください」と助けを求めてもよいのは5歳11ヶ月までです。「なにをしたか」「どういう結果になったか」「どういう結果を得たいのか」を、ステップごとに書いてください。コミュニティには超能力者や、映画に登場するようなスーパーハッカーはいません。たとえば、プログラムに関する質問では、あなたの書いたすべてのコードを示しましょう。エラーメッセージが出たらすべてを書きましょう。また、初心者であることはなんの口実にもなりません。初心者だからこそ、調べて、努力して、学ぶべきではないでしょうか。あなたの努力の跡は、よい回答者への唯一の訴えになります。あなたの努力の程度に応じて、他人も努力してくれるのです。

MLや掲示板では文字を使ってコミュニケーションをします。もっというなら、文字でしかコミュニケーションはできません。目ヂカラや手振り身振りでは何も伝わりません。ですから、正しい日本語を使うように心がけましょう。文法がおかしかったり、誤字脱字が多いのは問題外です。少なくとも固有名詞は略したりすることなく正しく表記しましょう。たとえば、クオークといえば、一般的には素粒子か会社名を指します。QuarkXPressというソフトウエア名の意味ではありません(それはIllustratorをアドビと呼ぶようなものです)。また、InDesignには「テキストボックス」は存在しません。「テキストフレーム」ならありますけれど。

自分自身が問題を整理できていない時点でコミュニティへの質問をしてはいけません。「××という事情もありまして」「実は○○なんです」と、次から次へと新たなオーダーを入れられると、議論の基盤は崩壊して問題が変質していきます。こういう態度を取ってよいのは、金に糸目をつけないクライアントだけです。

迅速な問題解決を急ぐあまり、あちこちのコミュニティに聞いて回るのははしたないことです。情報収集に余念のない人は、たいていのコミュニティを同時に見ています。マルチポストが嫌われるのは、時間と労力の無駄であり、情報が散逸するからです。


よい質問者になるのも簡単

よい質問者になるのは難しいことでしょうか? いいえ、単純に悪い質問者の逆のことをすればよいだけです。とても簡単なことでしょ? 簡単なことだけれど、ぬかりのないように。問題を整理し、きちんと伝えられるように工夫が必要です。正しくモデル化された質問と解答は、単にあなたの問題を解決するだけでなく、貴重な過去ログの仲間入りをして未来の読者の利益にもなります。そう、スレッドのやりとりが将来の読者の利益にかなうかどうか、このポイントが、あなただけの利益だった質問をコミュニティ全体の利益に変換するための魔法です。

示された回答が問題を解決しなかった時、さらに重ねて質問をしてもかまいません。ただし、その時も「自分が何をしたのか」「どこまで調べたか」を明記する必要があります。問題が解決したのなら、「解決しました」と報告するのも重要な仕事です。その際、感謝の言葉を付け加えると、あなたの好感度は確実に3割増しになるでしょう。


よい回答者はよい利益を得る

吝嗇は美徳かもしれませんが、富を得る最適な方法ではありません。同様に、多くの情報を集めたければ、自分の持っている情報を出し惜しんじゃだめです。

よい質問には、よい回答が求められます。よい回答をするためには、よい質問と同等以上の努力が必要です。調べ、検証し、回答に弱点がないか可能性を探り、そして整理しなくてはいけません。このプロセスの中で、回答者はこの質問の「真の意味」を知るでしょう。誰よりも深く知るのです。回答者は質問者以上の利益を得るのです。まさに「情けは人のためならず」という諺どおりに。

また、別の回答者の視点は、あなたに深い意味を持つでしょう。自分では思いつかなかったこと、正解は裏側にも存在すること、自分の実力、世界の広さ... こうした経験は、スレッド中の登場人物内でのみ起こる「新たな発見」です。残念ながら、ROM傍観者はほとんど気がつきません。


炎上(フレーム)の納め方

最後に、コミュニティにはつきものである炎上の鎮火方法を書いておきます。悪い質問は悪い解答を呼び、次第に語気が荒くなり、やれ広辞苑を読めだの、住所を突き止めただのと穏やかでないムードが生まれます。みんなリアル厨房になってしまうのです。

傍観者にとって、フレームはネットの華かもしれませんが、当事者同士は単に疲弊するだけです。つかれるのです。不愉快なだけで楽しくありません。正しさなんて暴力でしかありません。

何もしないことです。しばらくそのコミュニティを見ないようにします。誰も「逃げた」などと思いませんよ。自分の書いたことに責任が持てて良心に恥じないのならば、ちゃんと見てくれている人はいます。黙っていても、ちゃんと見てくれている人がいます。大事なことなので2回言いましたよ。