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EPUB版『InDesign者のための正規表現入門』

InDesignのTips一覧

2011-11-19

[][]OTEditでちょっとしたOTF外字を作成する

SING亡き現在、ちょっとした外字を作成するのに使われるのが武蔵システムさんの「OTEdit」です。

OTEdit for Mac

たまにしか使わないので、備忘録のためのメモ^^ というか、マニュアル読み直したくない人のためのアンチョコ。


【準備】Illustratorで字母をつくる

OTEdit自体にも、パス編集機能が備わっていますが、手に馴染んだIllustratorを使った方が効率がよいでしょう。

1)1000px正方のドキュメントを新規作成します。

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※もし、英数字などのプロポーショナルなものを作成したい場合は、横幅を調整してください。


2)ドキュメント上に字母を描きます

1000px分のアートワークは最大ボディなので、少し小さめに描いてください。

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3)フォントや文字をアウトライン化します

位置などを微調整して、フォントをアウトライン化しておきます。太さをもった線があれば、オブジェクトメニューから「パスのアウトライン」を実行しておいてください。また、描画同士で重なっているパスは、パスファインダなどで修正しておくこと。

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4)SVGで保存します

SVGバージョンは1.1で保存します。あとは大抵デフォルトのままで。

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【作成】OTEditで新規フォントを作成する

1)フォント情報を入力する

OTEditを起動し、「ファイル」メニューから「新規作成...」を選ぶと、「フォント種類の選択」ダイアログが開きます。「Stdフォント」はAdobe-Japan1-3(9,354字)に対応しています。

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「次へ」ボタンをクリックすると、「フォントメトリクスの設定」ダイアログが開きます。アセントとディセントを設定してください。

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「次へ」ボタンをクリックすると、「書体名の設定」ダイアログが開きます。フォント名や著作者情報を記入しましょう。

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最後に「完了」ボタンをクリックします。OTEditの新規ドキュメントが開かれます。

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2)フォントメニューの表示用字形を取り込む

MS Office製品やIllustratorなどでは、フォントメニューのフォント名にリアルフォントが使われます。もしこの字形を持っていないと、メニューが空白になってしまうので、表示用に字形を取り込んでおきます。

「ツール」メニューから「書体名文字へのグリフ取り込み」を選択します。

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なんらかの日本語書体を選択して、OKボタンをクリックしてください。


【編集】文字の取り込み(インポート)

1)取り込みたい文字のコードポイントを合わせます

新規ドキュメントが開かれた状態では、コードポイントはUnicode 3042の「あ」を示しています。取り込む文字のコードポイントを指定するには、「表示」メニューから「他の文字...」を選択します。文字指定のためのダイアログが現れました。

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直接文字を入力してもかまいませんし、UnicodeまたはCIDのコードポイントをタイプしてもかまいません。コードが特定されると、ウィンドウ上部のコードが変わったのが確認できます。

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2)SVGのインポート

ここで最初に用意したIllustratorSVGを取り込みます。

「ファイル」メニューの「インポート」-「SVGファイル...」を選択し、Illustratorで作成したSVGを選択します。

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このように字形のパスが取り込まれました。

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ツールバーにある「塗りつぶしで表示/非表示」ボタンをクリックすると、塗りつぶしが正常であるかどうかが確認できます。

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この時、塗りつぶしが正確でないなら、パスの方向を修正してください。「編集」メニューから「巻き方向の修正」を選びます。


【保存・使用】保存と使用

OTEditはOTFを直接編集しますので、Fontographerのような中間ファイルはありません。「ファイル」メニューから「保存」を実行すると、直接OTFを書き出します。

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書き出したフォントは、所定のディレクトリに移動させ(Mac環境ならFont Bookから取り込んでも可)、システムに認識させてください。

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InDesignの中でもこのように使えます。

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注意事項

作成したフォントは必ず出力テストしてください。自宅にPSプリンタがなければ、出力先に必ず確認をすること。これはFontographerなどで作った場合も同じです。パス方向など、画面上では正常に見えていても実際の出力と異なる場合があります。ご注意あれ!

2011-01-19

[][][][][]InDesign電子書籍の中間ファイルたりうるか?

2011年、電子2年(あるいは何度目の元年なのか)などと言われている昨今、電子出版への取り組みを始められた出版関係の方も多いと思います。電子出版とひとくちに言っても、アプリ形式のものからPDF、EPUB、専用フォーマットに至るまでさまざまな種類があります。なかでも、自社のコンテンツを構造化されたXMLやDB、または管理されたCMSに取り込む必要性を感じていらっしゃる方も多いかもしれません。

構造化されたコンテンツを取り出すために、組版ソフトのInDesignからのEPUB(XHTML)書出しに期待している方も多いでしょう。実際にそうしたワークフローを推奨する書籍やネット上の記事も散見されます。しかしながら、InDesignからのEPUB(XHTML)書出しは(現状では)まったく使い物になりません。ここで3つだけ理由を述べます。

まず、ひとつめにInDesignから書き出されたEPUB(XHTML)はまったく構造化されていません。ルビ要素などもなくなってしまいます。とある書籍では書き出されたデタラメなタグをパーサーも使わないまま、検索置換で置き換えるバッドノウハウが紹介されていたりします。こうしてできたEPUB(XHTML)は最早InDesignのコンテンツと同期していません。1度目はそれでよいかもしれませんが、再版時、修正時には膨大な手作業を伴います(もちろんここにはコストもかかります)。出版物は長いスパンで保存すべきコンテンツがあり、こうしたワークフローを続ければコンテンツの一意性の維持さえ難しい状況が生まれるでしょう。

ふたつめは、EPUB(XHTML)書出しを前提にしたInDesignドキュメントには、特別な配慮が必要です。InDesign内部のスタイル名の命名や種類に気を遣ったり、見出しや図版をひとつのストーリーに集約したりする作業です。過去データならば、最初にこれを作り直す必要があります。この作業でレイアウトが変わってしまうので、もう元の紙用版下にはなりません。新規で作成するとしても、紙面デザインの大きな制約になります。EPUB(XHTML)書出しを前提にするというだけで、デザインの制約を受けるなんて本末転倒ではありませんか。

みっつめは、わざわざ面倒なInDesignから書き出す意味がないということです。EPUB(XHTML)が必要ならDreamweaverとSigilを使う方が100倍簡単です*1。やってみればすぐにわかります。


近い将来、出版の制作は紙媒体より電子出版が先になるかもしれません。

紙を最初に作る理由はあるでしょうか? 情報コンテンツの「鮮度」から見れば、電子出版を先行させるのは理に叶っています。あるいは、電子版で売り上げの様子の見ながら、印刷流通コストのかかる紙に展開するのは穏当なやり方に見えます。

この時もし、InDesignのドキュメントを中間ファイルにしたワークフローが定着していたらどうでしょう? InDesignを仲介するワークフローは、この可能性を考慮していません。制作ワークフロー全体を見直す中で、大きな流れから1歩も2歩も遅れてしまうのではないでしょうか。

コンテンツはDBやCMSで管理されるべきです。こうした一次コンテンツから電子出版物を制作するソリューションは既にいくつかあります。紙媒体へ展開する必要があればDBからXMLを書出し、InDesignでレイアウトします(InDesignはずっと以前からXMLを扱えます)。InDesignはコンテンツの入れ物であって、紙媒体のためのデバイスです。


AdobeInDesignプロダクトをコンテンツのハブとして位置づけているようです。前述のEPUB(XHTML)書出しだけでなく、FLASH書出し、インタラクティブPDF、そしてAdobe Digital Publishing Suiteもあります。一見してにぎやかで、将来性があるように見えます。しかし、全体の道筋や方向性が違うような気がしてなりません。それは端的に成果物の完成度に現れています。たとえば、Adobe Digital Publishing Suiteでは、ユーザー操作のちょっとしたダイアログやビープを追加したりするようなUIのカスタマイズすらできません。そもそもこれをアプリと呼ぶのは正しくありません。細かい操作や振る舞いが制御できないのですから、根本的に違うなにかです。そして今後、(アプリとして)より多くのことができるように機能が追加され続けるとしたら、それはほとんど拷問に近い学習を意味するでしょう。また、将来性といったところで、それはアドビのロードマップに依存しすぎます。不具合があってもそれがいつ解消されるかわからない状況はワークフローを常に危うくします。アドビでは、かつていくつかのアーキテクチャが何の催告もなく突然打ち捨てられた過去もありました。(電子出版のワークフローが整っていない)今の段階で多様性はよい兆候ではありません。InDesignには組版ソフトとしてやるべきことがまだ山ほどあるんじゃないでしょうか。

*1:拙書、EPUB版『InDesign者のための正規表現入門』はDreamweaverとSigilのみで作成しました。

2010-06-02

[][][][]『組む。』セミナー

組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

かつてI氏が内神田にいらしゃった頃、L社を我がモノにするだけに足りず、柳田某のペンネームであれこれ書かれていた時期があります。まことに胸のすく思いでした。10年ひと昔の話です。


昨日(6/1)、凸版印刷の紺野慎一さんによるセミナー、DTP Booster 012に参加させていただきました。著書『組む。』の出版記念講演の趣もあり、たいへんすばらしいセミナーでした。

USTREAMによる録画はこちらをごらんになってください:
Adobe station5 / 2010.6.1 / DTP BOOSTER「理詰めでアプローチするInDesign」

本書『組む。』にしろ、今回のセミナーにしろ、紺野さんの主張はInDesignの「型」を提出するってことです。それは「InDesignの定石」であり「シーケンスの美しさ」だと思います。本書の主張はシンプルでありながら、重箱系です。例えば、文字組み空き量設定について「なにも足さない、なにも引かない」などといいながら、ちゃっかり調整量優先の話題をとりまぜています。*1

本書は市井の類書にありがちなあいまいな推定や、ぬるく寝ぼけたボカシ表現が避けられています。あくまでも紺野さんの美意識によって独善的断定的決定的に書かれています。本書は模範解答的な教科書ではありません。ぼくも本書のすべてに同意しません*2

本書の主題である「組む」について、輪郭のはっきりしない事柄は、あいまいにしておいた方が波風が立たなくていいに決まっています。ひとこと言えばなにかとうるさい人達がわらわら出てくるでしょう。

本書はあらゆる反論を待っています。誰かが言わなければ、反論すらできなかったことでした。InDesignの10th Yearにふさわしい一冊です。


...と、ここまで考えた時、紺野さんが社会的な位置をはっきりとさせた上で本書を書かれたのは、少しハンデがあり過ぎだと感じます。InDesignユーザーはぼくみたいにすれっからしばかりじゃありません。「凸版印刷の紺野さん」のおっしゃることを、金科玉条のように受け取る向きもあるでしょう。中堅ユーザーにとってさえ、上意下達の匂いに幻惑されるかもしれません。

もちろん本人が自覚していないはずはないと思います。あえて正面から世に問うのだとしたら、波風を立てリスクを取って言わなければならないとしたら、それはどれほど切実であろうかと空想せずにいられません。

*1:もちろん、約物を全角固定にすることで調整量が理解しやすくなるくだりはたいへん論理的です。

*2:たとえばぼくはレイアウトグリッドに対してちょっと否定的だったりします。http://twitter.com/seuzo/status/13473417785

2010-02-18

[][]大きな文字サイズで墨文字をノックアウトにする

チラシや雑誌をめくっていると、職業柄気になる印刷物があります。大きな文字サイズの見出しで、文字の下に平網があるのだけど、Bk100%の文字がオーバープリントになっているため、平網の境界が目立ってしまう例。

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うーん、気になる*1。もし、データ上でノックアウトの設定になっていたとしても、親切な製版屋さんはBk100%を自動で(Ripの設定で)オーバープリントにしてくれたりします。

まあ、そんな親切な人が周りにいる人は、こんな色を使うといいと思う。

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要するにBkを99%にするといいわけです。こうすれば、特別にノックアウトに設定したり、効果-乗算をうっかり使って嫌われたりすることもありません。各版に10%づつ入っているので、墨濃度も上がっています。*2

PDFにして、出力プレビューで確認すれば、どんなことになっているか可視化できます。まずは4色表示(といってもデータだから見分けはつかない)で、上がBK100と下が先ほど作ったC=10,M=10,Y=10,Bk=99の文字です。

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Bk版を抜いてみると...

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ちゃんとノックアウトになっています。どれくらいの文字サイズからノックアウトにしていいかは、判断の分かれるところですが、24Q(17pt)以上ならいいんじゃないでしょうか? >関係者諸君。どうしても神経質になりたい人は別途トラッピング等したらいいかもしれませんが、専門家の人にお任せしないとそれはそれで怒られますよ^^

*1:ぼくの記憶ですと、アナログ製版のではこういうことはなかったように思います。だって気になったことがなかったから

*2:たまに同じ目的で400%リッチブラックを使う人がいるけれど、やめた方がいいですよ...

2010-02-09

[][]第0回「DTPの勉強会」(仮称)

DTPの勉強会(仮称) 第0回

あかつき@おばなさんの主催で、第0回「DTPの勉強会」(仮称)が行われます。

日 時:平成22年3月27日(土)午後2時〜(1時30分より受付開始)

場 所大橋会館 中会議室

受講料:2,000円

定 員:30名

内 容


イベントの詳細や申し込みなどは、下記告知サイトを参照してください。

あかつき@おばなのDTP稼業録 【DTPの勉強会(仮称) 第0回】開催のお知らせ