咲-Saki- 第17話「悪夢」

大将戦の休憩から後半戦に突入。
休憩中、各大将の元にチームメイトが訪れて励ますわけですが、咲に対して厳しい言葉をかける和、弱音を吐く加治木を励ますもも、そして卓から立ち上がることすら出来ない池田をただ抱き占めるキャプテンと、それぞれの関係やチームカラーが反映された良い場面でしたよ。衣にはチームメイトではなく藤田プロが訪れるわけですが、励ますと言うよりは、今の衣を良しとせず、助言めいたことを告げるのが引っかかるところ。
後半戦開始早々に、親かぶりに三連続振り込みで0点に追い込まれる池田が哀れ。決勝に出場したものの、ろくに闘牌シーンがなかった人物に比べれば見せ場があるだけマシなのかも知れませんが、半荘1回とちょっとで8万点削られるのは、もう晒し者にされるために出てきたとしか。同時に彼女が振り込むたびに、何かこうゾクゾク来るものがあったりもして、その人気の秘密に触れたように思いましたよ。
池田を飛ばせば優勝が決まるというところで、わざわざ得点を下げて0点に持って行くあたりは、衣のえげつなさが描かれるわけだけれども、一によると「心を折りに行く」とのことですが、普通に勝つのではなく、わざわざそんなことをする理由が気になるところで、藤田プロの言う「麻雀を打たされている」発言と関係しているのかなと。
咲が池田の役なしテンパイにチャンカンを利用して差し込むのは熱い展開。衣の作り出したツモあがり不可という状況を打開するために、前半戦で加治木から喰らったチャンカンを逆に利用するあたりは、植え付けられた恐怖を克服した彼女の復活を印象づけるものでした。
あの局面で都合良く必要な牌を持って来れるのは、まあ超能力なわけですが、単に自分があがるだけではなく、場合によっては振り込むことにも意味があるという麻雀の駆け引きの部分が描かれていた印象。咲が6ピンをカンした瞬間に点棒を用意するのは、それが当たり牌であることだけでなく点数まで分かっていたかのようで痺れる演出でしたよ。
作画的には怪しいところがチラホラとありましたが、Aパートの休憩、Bパートの圧倒的に不利な状況から反撃の兆しとメリハリの効いた構成をテンポ良く見せてくれて、大いに盛り上がるエピソードとなっておりました。