日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

東京演劇アンサンブル「道路(La Route)」(アゴタ・クリストフ作)

日本劇団協議会主催 次世代を担う演劇人育成公演
東京演劇アンサンブル制作
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/laroute/laroute.html
作:アゴタ・クリストフ
翻訳:堀茂樹
演出:三由寛子
出演:熊谷宏平、松下重人、三浦潤子、佐々木章夫、洪美玉、名瀬遙子、冨山小枝、竹口範顕、本多弘典、田辺三岐夫、本多弘典
日時:2011年2月11日(金)〜20日(日)
場所:ブレヒトの芝居小屋
料金:当日=3,500円 前売一般=3,000円 前売学生=2,000円

2002年度から文化庁の委託により3年間実施した「新進芸術家公演事業」を発展させた事業。次世代を担う若手でありながら発表の機会に恵まれない演劇人に発表の機会を与えることにより、演劇界全体の活性化を図ろうという事業。2005年度から社団法人日本劇団協議会主催事業として、文化庁芸術創造プラン(新世紀アーツプラン)の「芸術団体人材育成支援事業」として実施されている。2010年度は15団体・作品が選出されている。

今回の東京演劇アンサンブル制作による上演は、新進芸術家として東京演劇アンサンブルの俳優・三由寛子が、本公演で初めて演出する(これまで勉強会での経験のみ)という事で採択されました。三由寛子はこれまで、俳優として多くの作品に出演しながら、劇団の若い俳優達とともに、目取真俊(沖縄の小説家、60年生まれ)の作品を読む会を開くなど、沖縄の問題、そこから派生する現代社会の問題を勉強し続けてきた。

読み物としても、非常に秀逸であるアゴタ・クリストフの短編戯曲の中でも、特に抽象性が高い『道路』という作品は、演出家の手腕が多いに試される作品である。俳優だけでなく、音楽、舞踊、衣裳、装置など、まさに総合舞台芸術の演出が求められている。

これまで東京演劇アンサンブルの若い劇団員を牽引してきた三由寛子を中心に、今までにない劇団の若い力を結集して創り上げる公演となるだろう。スタッフもこれまでとは違う新しい出会いを求めている。照明には宮田正芳、効果には勝見淳一と、音楽にはウクレレ&ピアノデュオのかのんぷ♪ と、初めて本公演でプランをお願いすることになる。衣裳、舞台装置も現在新たな出会いを求めている。日本劇団協議会主催「次世代を担う演劇人育成公演」でこそ実現できる、新たなアーティストとの出会い、実験的な挑戦の舞台となるだろう。

東京演劇アンサンブルの上演では、アゴタ・クリストフ作品は、1995年に上演された一人芝居『エレベーターの鍵』(訳=堀茂樹 演出=広渡常敏 出演=原口久美子)以来となる。シンプルな文章表現でありながら深い奥行きを見せる彼女の作品を、今作品が本格デビューとなる三由寛子が、どんな演出を見せるかに注目が集まっている。